白の洞窟:姉と一緒に【魔女のミナリア、洞窟へ行く】(39/50)
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第八章 白の洞窟
第四話 姉と一緒に
あらすじ
魔女のミナリアは洞窟に住む黒髪の少女レオノーアに出会う、呪いのために閉じ込められているレオノーアは、洞窟の封印の解除をミナリアに頼む、赤と青と黒の洞窟は解除に成功した。最後の洞窟はミナリアの父親の屋敷内に存在していた。
「姉さん、どうしました? 」
姉が僕を呼び出しているとメイドから手紙を貰う。僕はミナリア姉さんの安宿まで出向くと泣いていたのか目が赤い。
「義母さんに、屋敷に入るなと言われたの」
「――そんな……」
母は前から姉に冷たかった。確かに魔女の力は脅威かもしれないが、姉が人に向けて魔法を使う事は無い。それでも普通の人には怖い存在と思う。でも自分の肉親だ……
「お屋敷内に入れないかしら? 」
「僕と行けば大丈夫でしょう」
「違うのよ、封印の洞窟に入りたいの」
初めての話を姉から聞かされる。離れの屋敷の地下に洞窟がある、そしてそこにはモンスターが居て封印を守っている。
「そんな……山奥の洞窟みたいなのが僕の家にあるのですか?」
「――うん……、あるみたいなのよ」
姉も半信半疑であやふやな情報に思えるが、自分の目で確かめれば良い。僕は大きな馬車を用意させると、姉さんの仲間達を隠して屋敷内に戻る事にした。
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「大きな馬車ですな」
「ちょっと買い物をしたので離れの屋敷に向かうよ」
庭師が不思議そうな顔をしながら、僕たちを見送る。離れの屋敷の玄関先に馬車を停めて攻略パーティを降ろす。僕は洞窟を見たくなる。
「姉さん、僕も見てもいいかな? 中には入らないよ」
「――入り口までなら大丈夫よ、一緒に行きましょう」
姉が僕の手を取ると屋敷の扉を開ける。
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