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SS ヘルプ商店街 #毎週ショートショートnoteの応募用

 汚れたシャッターに「HELP」と大きくいたずら書きがされている。シャッターアートのつもりか?俺は仕事を始めた。

「汚されて困るんだよ」

 商店街の会長さんが俺をねぎらう。仕事の内容を聞くと数ヶ月前から深夜になるとシャッターにイタズラされる。人を雇っても長続きしない。

「閉店後に消します」

 店が閉まるとシャッターに書かれた文字を薬剤で消す。夜の商店街は閑散としていて怖い。ふと後ろに気配がある。商店街の人だろうとふりむくと誰も居ない。

「また書かれてたよ」

 昨日消したばかりなのに、帰った後に書かれていた。見張りをしても監視カメラでも犯人が判らない。

「怪談……」
「やめてくれ……ヘルプ商店街とか言われてるのに」

 その日も仕事をしていると気配がする。俺はすぐに振り向いた。誰も居ないが、俺の目の前にシャッターがある。後ろを振り向いてもシャッターだ。出られない、俺は油性ペンを取り出すとシャッターにヘルプと大きく書いた、誰か助けてく………れ


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