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SS 二次会実家 #爪毛の挑戦状
「二次会実家でやろうぜ」
薄い知り合いと騒いでから俺は周囲を誘う。俺は調子に乗っていた。酒で冷静な判断が出来ない。知り合い達と美奈を連れて行く。実家には家族は居ない。両親は他界した。
知り合いを居間に通すと冷蔵庫からビールを出す。俺は酔いが冷め始めていた。
「明日も会社だから、ほどほどにしないと……」
美奈が近づく。恋人だった事もある。今は他人。
「ねぇ?大丈夫?」
内心は心配していた。
「へ、平気さ……」
美奈がビールを持って居間に行く。俺は早くみんなを酔わせたかった。
「お前んち誰も居ないのか?」
「あ?ああ…居ないよ」
「なんか上の階で足音が…」
俺は笑って何も言わない。しばらくすると酔いが回った男がトイレに立つ。場所を教える。戻って来ない。
「あいつつぶれてるのか?見てくるよ」
そして戻って来ない。俺が黙って飲んでいると不思議そうに俺を見る。
「おい。あいつら戻ってこないぞ」
「ああ、そうだな…」
憮然として彼もトイレに行く。居間は美奈と俺しか居ない。美奈は俺の顔を見ながら
「どうするの?」
「仕方がないだろ」
男達はもう居ない。美奈はこの家の事を知ってから別れた。この家は人を食う。俺の家族も食われた。定期的に食わせないと俺が食われる。そして美奈も食われる。事情を知っているからだ。
「いつまで続くのかな…」
「さぁ知らないわ」
美奈はビールを飲み終わると帰り支度をする。
「また二次会あるなら呼んでね、サポートするから」
口裏を合わせてもらうために積極的に俺に絡んでいる。遠くまで逃げられないか考えた。俺は逃げられない。家に操られていた。
俺の二次会は実家の食事のために必須だ。
終わり
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