オンライン就活のミスマッチをなくしたい〈学生団体カナエル〉
学生団体のコロナ禍での活動を取材していくライティングチームの連載シリーズ。今回は神戸で就活、キャリア選択支援の活動をする団体「can a yell(カナエル)」を取材した。コロナ禍で、就活の仕方も大きく変わるなか、神戸での就活やキャリア支援について学生目線でどう考えているのか伺っていく。
カナエルとは
can a yell(以下カナエル)は学生と企業のミスマッチをなくすことを目標に、神戸ソーシャルキャンパスで活動している学生団体。現在は7人ほどのメンバーで活動している。
団体が設立されたのは去年だが、当時活動していた学生が引退したことにより、今年3月から新体制でリスタートしたとのこと。
今日はカナエルを再始動したという現代表の澤のぞ美さん(神戸大学3年)とメンバーの黒田望愛さん(兵庫県立大2年)にお話を伺った。
代表の澤のぞ美さん(写真右)とメンバーの黒田望愛さん(写真左)
コロナ禍でのカナエル
澤さんらは今年3月ごろからカナエルを再始動した。しかし当時は新型コロナの影響により外出自粛が始まりだした頃。そのため団体キックオフの段階から、会議やイベント企画など全てをオンラインで行ったという。
この数ヶ月行った企画内容は以下の通り。
・キャリアセミナー…就活、社会に出ることについて不安を抱える学生に向けてのオンラインセミナーを開催。講師として呼ぶのは様々なキャリアを持つ社会人。具体的には神戸で起業した社長やいろんな事業を展開している神戸の農家などをこれまで呼んだ。
・勉強会…月二回ほどのペースで学生同士の勉強会を開催。勉強会の内容は自己分析など就活に関わるものや、「自分のやりたいこと」を発表し合うことをしているという。これらを通じてアウトプット力を身につけるイベント。
zoomを用いて自分の考えを発表する場を作った
コロナ禍での就活イベントの難しさ
このようにカナエルは学生がキャリアを決める手助けをする就活支援系の学生団体だ。そして、他の就活支援団体にない特徴は、神戸の街に寄り添っていること、そしてコロナ禍の真っ只中に活動が始まったことである。
つまり、そもそものノウハウがない状態でのオンライン開催だったということだ。難しいことも多くあったという。
「難しかったのは広報で、イベントの告知が大変でした」と黒田さん。
実は、カナエルは上記の企画を実施する前「起業塾」というイベントを企画していたという。これは企業経験者の話を聞き、将来企業屋キャリア形成に役立てようというもの。興味を持ってもらいやすい企画ということもあり、最初のイベントには5〜10人ほどの学生が集まったそうだが、その先に繋がらなかったという。
対面での告知ができないので、オンラインでどう広報していくかが今後の鍵になってくる、と黒田さんはいう。
コロナで不安を抱える神戸の就活生に向けて。
現在カナエルは神戸の中小企業と連携した”対面”インターンシップを計画しているという。今後の世の中次第だが、現在関わりのある企業10〜20社に声をかけて、一ヶ月程度のインターンが実施できないか計画しているそうだ。
そこには就活生の不安を軽減したいという思いがあるという。
「22卒は全然会社のことを知れていない。(選考、説明会など)最後までオンライン?という不安も抱えていると思います。だから今回対面でのインターンを企画して会社のことを知ってもらいミスマッチをなくしたいです。また、学校に行かなくなったため学生同士の情報交換が減っているので、そういった不安を共有できるようにしていきたいです。」と代表の澤さんは思いを語る。澤さん自身も3年生ということもあり企業のことを知れていないという就活生の声はぜひ反映したいとのことだった。
なぜ、この団体に?
最後に、今回インタビューを行ったお二人へのパーソナルな質問をした。
Q.他の就活支援系の団体もあるなか、カナエルという団体に入ろうと思ったのはなぜなのか。
代表の澤さんによると、自分自身の成長のためという側面が大きいという。
「すでにある団体だともうやり方が決まりきっていて新しいことに挑戦できないと思う。だから新しくカナエルで活動を始めようと思いました。ただ、それは新しいことに挑戦したかったというよりも、自分の成長のための手段という部分もあります。」と自分の価値観をまとめた。
一方メンバーの黒田さんはまだ二回生。就活には少し早いが、カナエルで経験を積みたいという。今は先輩の後を追いながら、自分でもできるように活動に取り組んでいるとのことだった。
カナエルに入った理由としては「もともと中小企業より大企業の方が良いという固定観念がありました。でもそういった思い込みではなく中小(企業)の良さも知りたいし、それがプラスになると思ったから。」と答えた。今後もこの活動を続け、いずれは(今の先輩たちみたいに)後輩を引っ張っていけるようになりたいと、笑顔で答えた。
オンライン化により学生、企業間のミスマッチが予測されている。そのようなミスマッチをなくすため、また神戸の企業を知ってもらうために、今後もカナエルは活動を続けていくだろう。
了
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