小さなオルゴール#青ブラ文学部
離婚を経て、私は実家に戻ってきた。
心身ともに疲れ果て、自分を見失っていた私を母は優しく迎え入れてくれたが、私は前を向けずにいた。
ある日、母に頼まれて部屋の整理をしていると、私は子供の頃に母からもらった赤いハート型のオルゴールを見つけた。そのオルゴールは、母の愛情の象徴だった。優しいメロディーを奏でるそれを手に取った瞬間、私の心に温かな記憶が蘇る。
思春期の頃、私は母とよくケンカをした。
私は怒りに任せてそのオルゴールを捨ててしまったはずだった。
オルゴールに自分の姿が