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灰色の月曜、更新する日曜

駅に向かう道の十字路にある自販機でいつもカフェオレを買って飲みながらぼくの前を歩く男性が今日は現れなかった。線路沿いの道を歩きながら、駅前のカフェの庭を注意して眺めていると、茂みの中に白黒ネコを見つけた。そのまま通り過ぎて駅に向かうぼくの後ろ姿を白黒ネコは座ってみていた。

駅のホームのいつもの乗車位置に並んでいると、おじさんが右隣に並ぶ。いつも並ぶわけではないが、たまにやってくるおじさんだ。そのおじさんの距離感が近くて、隣にやってきた感じが強い。列車が右からやってきて、扉が少し左に通り過ぎて停車すると、更にぼくの右側を詰めてくる。ぼくは動かずに扉の中央で扉が開くのをまつ。

扉が開くと、おじさんはぼくの肩すれすれで車内に入り、急いで右側の空いている席に向かう。ぼくは左側の空いている席に向かう。顔をみなくても雰囲気であのおじさんだとわかるが、チラッとみるとやっぱりあのおじさんだった。

それなりに気怠い月曜の朝も、先週と比べるとマシな方で、その違いはおそらく睡眠時間の差だと思う。日曜の朝は遅くに起きて、夕方に一度横になり、夜も早く眠りに着いたので、充分な睡眠時間を取れた。

日曜の適度な運動として、昼食後の眠くなる頃に、思い切って外に出て、街に向かって歩いてみた。最近はあまり街中を歩いていなかったので、少しずつ変わる景色に時の流れを感じた。

通り過ぎようとした駅前広場でイベントが開催されていた。いくつかの手芸店が品物を展示していて、飲食の仮設店舗もあり、そこそこの人で賑わっていた。一つ一つのお店を眺めて歩いて、何往復かしてから、何も買わずに街の方に歩き出した。誰かに会えそうで会えないと思うのは、面影や気配がそこにあるからで。

なじみのある街並みを歩いて、シャッターが閉まった商店街を通り、賑わっていた風景を思い出す。観光地の街まで辿り着くと、それなりの人で賑わっていて、海外からの観光客がいないと、これくらいの賑わいなのかと記憶を更新する。

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