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ピザ、食べたい。

ピザを注文するらしい。息子のたっての希望だ。生地はパリパリの薄いやつで、具はテリヤキチキンと決まっている。ポテトがのったやつはもう飽きたと言っていた。

家内はえーっピザー?と言いながらチラシを出してきてピザを選んでいる。ぼくに向かってどれがいい?と聞くが、めちゃくちゃ食べたいピザの種類なんてない。適当にあれこれ話をしてから、好きなやつで良いよと伝える。結局テリヤキチキンとポテトがのったやつになったようだ。もちろん生地はパリパリの薄いやつで。

息子が小さかったとき、同じようにピザを注文して、間違って分厚い生地で注文してしまった時があった。その時、息子は拗ねて食べなかった。目に涙を溜めていたかどうか、覚えてはいないが、頑なに食べなかった。それ以来、家内は注文するときに細心の注意を払う。細心の注意は言い過ぎだな。気をつける程度。

電話で注文を終えた家内に何時頃にピザが届くのかと聞くと、息子が学校から帰ってくる時間に合わせて注文したと言う。何時頃に帰ってくるのと聞くと、1時半という。


ある催しに参加するためにURLをクリックしてZoomを立ち上げる。参加者の顔がパソコンの画面に映る。まもなく開始時刻の1時半になる。今頃ダイニングでは美味しそうなピザが箱から出されて、切り分けられたピザのチーズが誰かの口元でとろりと糸を引いているのだろう。確か冷蔵庫の中にはキンキンに冷やしたコカコーラがあった。それもゴクゴク飲んでいるんだろう。ピザが食べたい。

(2020/07/18 文章筋トレ 10分 校正済)


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