見出し画像

市民型クリエイターになって、社会を動かしてみませんか。

今、新しいクリエイターが求められています。では、それはどんなクリエイターなのか。

セミナーで福岡へ。9月24日、講師で「クリエイターのキャリアについて」を話してきました。

文部科学省・就職・転職支援のための大学リカレント教育推進事業「社内クリエイター養成プログラム」。その文科省のプログラムを事業構想大学院がサポートする形で運営しています。参加者の最終課題は、ECサイトの立ち上げと運用。いい課題ですね。

数多くの講座があり、実践的な学びの場も用意されています。当日の会場はオンライン受講者が多かったものの、画面の向こうから熱気がヒシヒシと伝わってきました。

なぜ、今、国が社内クリエイターを養成するの? わかる!という方もいると思いますが、一応、書いておきます。

大きく捉えて、二つの理由があるんだと思います。

Web社会の進化・深化により、誰でも容易にクリエイティブ物を作れるようになっている。まずこれが前提です。その上で、

①企業が自ら複数のサイトを運用して、情報・流通戦略をすることが加速している。当然、コンテンツ制作量が増えてきている状況が生まれている。この状況で、いちいち社外のプロに制作をお願いする従来型(マス広告型)では、スピード、コスト共に「重い運用」になりがち。社内情報の反映も複雑化しがち。ただし、誰でもいいわけではなく、あるレベルのプロ度がないと、クオリティが下がり、伝わるものも伝わらず、売れるものも売れず、企業イメージも低下する可能性がある。

②AI化が進行していくと、就業するジャンルに変化が生まれる(よくAIによって失くなる職業ベスト10とかで書かれています)。処理型/整理型の仕事がだんだんとなくなり、価値創造型の仕事にシフトしていくことが確実になってきている。人間でなければできない仕事をする人。アイデアや創造性でビジネス開発やコミュニケーション業務をしていく人。それがクリエイターであり、広告会社などで就業するだけでなく、一般企業でも就業するようになる。その必要性・必然性が確実に現在、高まりつつある。

したがって、今、社内クリエイター!! と言うわけです。

このセミナーでいちばんウケたのが、話の内容というよりは僕が書いたある言葉でした。

「市民型クリエイター」。

名刺の肩書きに入れてもいいですか、とか、エールを送られている感じがしました、とか、反応がさまざまにありました。

例えば、デザイナーで言えば、普通、美大やスクールを出ている人がほとんどです。デッサンなどで造形表現を学び、色彩や画面構成の感覚を身につけ、各種の制作系のアプリを使いこなせる、専門性の高い人たちです。僕はこの人たちを「専門型クリエイター」と名付けました。

しかし、今は、簡易的なアプリがあったり、制作フォーマット(雛形)があったり、写真が素材集から使えたりとか、膨大なスキルのサポートがされています。勘所を磨けば、レベルの高いアウトプット作りがまるで可能なのです。美大やスクールを出てないから、デザイナーとして働くことができない! うーん、悔しい! という現実は、徐々に崩壊しつつある気がします。

また、子育てや転勤や体調などが影響して、職場を離れざるを得なくなった方もいます。特に女性の方ですね。もう一度、職場に復帰して、子育てをしつつも以前よりもっとクリエイティビティが高い仕事をしたい! そんな方もいると思います。それはまさに「市民型クリエイター」の典型だと僕は思っています。

なんか、クリエイティビティの高い仕事をしたいなぁ、とずっと思っていたけど、自分の中の壁や社会の壁があってできなかった・・・

そんな方がリスキリングすればクリエイターとしてイキイキと働ける環境が整いつつあると言っていいでしょう。企業もそのような人材を求めていますし、国も養成しようとしています。

そうやって働きながら、専門型クリエイターになって、より多くの評判やギャラを手に入れる人も生まれてくるでしょう。

道は平坦ではありません。頭でわかっていても手が動かないこともあります。とにもかくにも多くの訓練が必要です。
しかし、今、呼びかけたいのは次の一言。

あなたも市民型クリエイターになってみませんか。

生活者としての市民の感覚やセンスを忘れずに、創造的な業務に携わる。それはとても誇らしく、心が満ちる経験だと想像できます。

僕もそんな新しい人たちを積極的にサポートしていきたいと思います。


(おわり)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?