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2023年統一地方選挙の投票結果から見る1票の価値

 私が住んでいる大阪では2023年4月9日に統一地方選挙が実施されました。大阪府知事選挙の投票率は46.9%、大阪市長選挙の投票率は48.33%でした。どちらも有権者の半分以上は投票をしなかったということです。大阪府議会議員選挙と大阪市議会議員選挙選挙も投票率が55%を超えた地域はなく、40%に満たない地域も2つありました。しかし、大阪維新の会へ期待している有権者も多いため、全国的には大阪は投票率が高い地域です。

 「選挙へ行っても意味がない」

 「選挙へ行くのが面倒くさい」

 それでも大阪に住んでいる有権者の約半分がそう感じているのだと思いますが、選挙における1票の価値は本当に低いものなのでしょうか。疑問に感じた私は今回の大阪府知事選挙、大阪市長選挙、大阪府議会議員選挙、大阪市議会議員選挙の全ての投票結果を確認しました。

○大阪府議会議員選挙で当選した最も票数が少ない候補者と落選した最も票数が多い候補者の差が500票以内だった選挙区

・池田市
有権者数84098 投票率50.92% 当選18797票 落選18414票 票差383票
・吹田市
有権者数306329 投票率52.24% 当選24724票 落選24247票 票差477票
・箕面市・豊能郡
有権者数134660 投票率51.16% 当選28548票 落選28435票 票差113票

○大阪市議会議員選挙で当選した最も票数が少ない候補者と落選した最も票数が多い候補者の差が500票以内だった選挙区

・北区
有権者数112587 投票率47.04% 当選6841票 落選6387票 票差454票
・都島区
有権者数86680 投票率52.36% 当選9631票 落選9308票 票差323票
・此花区
有権者数53613 投票率48.62% 当選7005票 落選6702票 票差303票
・中央区
有権者数88812 投票率42.31% 当選6053票 落選5598票 票差455票
・天王寺区
有権者数62492 投票率50.72% 当選10232票 落選9947票 票差285票
・東淀川区
有権者数141785 投票率45.16% 当選6359票 落選6252票 票差107票
・平野区
有権者数155358 投票率48.97% 当選8926票 落選8667票 票差259票


 選挙といえば数千・数万票差で当落が決まると思っている人もいるでしょうし、実際そのような結果になることも当然あります。しかし、大阪府議会議員選挙や政令指定都市の市議会議員選挙のような比較的大きな選挙でも500票未満、選挙区によっては100票ほどの差で当落が決まるケースも実際にあるのです。東淀川区は大阪に住んでいない人からすると馴染みがない地域かもしれませんが、大阪市内で3番目に有権者が多い区です。東淀川区の有権者数が141785で投票率が45.16%ということは77000以上の有権者が投票へ行かなかったということです。この中の1%の770の有権者が投票へ行っていれば、結果が変わった可能性も十分にあります。極論ですが、ギリギリで当選した候補者に投票した有権者のうち、108名が「選挙へ行くのしんどいから、まあええわ」と投票へ行っていなければ、当選の候補者は変わっていたわけです。そう考えると、やはり1票の価値は高いと思いますし、これが大阪のような大きな都市でも起こることを1人でも多くの人に知ってもらいたいです。

○出典
・統一地方選2023特設サイト 2023年4月13日
https://www.nhk.or.jp/senkyo/database/touitsu/#ancTopHero

・イラストはおくちはる様の作品を使用させていただいています。


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