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mRNAワクチンを疑ってはいけない、異論を唱えてもいけない・・・日本を覆う「ワクチン全体主義」のルーツを探る

古典的陰謀論「闇の政府」にワクチンが加わると


新型コロナウィルスのワクチンをめぐってさまざまな「陰謀」が囁かれています。

中でも有名なのが、ディープステート(deep state)黒幕説です。

ディープステートとはアメリカでは1950年代から囁かれている「陰謀論」のひとつです。アメリカ政府の要人は、選挙で選ばれた大統領によって組織されていますが、その背後に「選挙結果に左右されずにずっと権力を握り続けている人々」がいて、実は彼らが裏で、政府を操っているというものです。

近年はトランプ氏が、自分と敵対をするワシントンのエリートを批判する際にこのディープステートを引っ張り出して注目を集めました。誰が大統領になろうとも、官僚や政府職員はクビにならず背後で暗躍しながら権力を行使し続けます。そういう意味では闇の政府は本当に実在をするのです。

トランプ氏は「ディープステート解体」を掲げてきた

実際、アメリカで世論調査をすると、ディープステートの存在を信じているという国民が半数くらいいるほどです。

そんな「闇の政府」が、世界の金融や産業の上層部(ロスチャイルド家とかGAFAと言われるのが一般的)と結託して、人類全体の運命も決めているというストーリーは陰謀論の世界ではもはや「古典」と呼ばれるほど有名な話ですが、これに「新型コロナウィルス」が加わったことで新しい物語が生まれました。

それが、ワクチンによる人口削減計画です。

「ワクチンに殺される」と主張するのは「ヤバい人」?

地球規模で起きている食料・水・資源の枯渇という問題を解決をするためディープステートは、地球上の人口を減らそうという計画を立案して、新型コロナウィルスという「ウィルス兵器」をばら撒いて、免疫の弱い高齢者などを大量に死に追いやりました。ただ、それだけではまだまだ足りません。そこで今度は生き残った人々に「ワクチン兵器」をばら撒きました。それが、身体の中に時限爆弾のように潜伏をして2〜3年後に病気や寿命のような形で命を奪う「遅効性の毒」が仕込まれたCOVI-19です。このような「ワクチン大量殺人」が水面下で進行しているにもかかわらず、「闇の政府」に逆らえない日本政府や厚生労働省は、国民の命を守るどころか、ワクチン接種を呼びかけてこの恐ろしい企みに加担をしている。

そんなハリウッドの超大作映画のようなストーリーがコロナ禍以降、ネットやSNSでまことしやかに語られています。そう聞くと多くの人は、「こういう話を本気で信じているのはスピリチュアル系のヤバい人たちでしょ」と思うかもしれません。

出典 月刊ムー21年5月号(株式会社ワン・パブリッシング)

友人や会社の同僚が急にこんな壮大な話をし始めたら、「うわっ、そっち系の人なのか」とドン引きをするという人も多いでしょう。「あまり関わらない方がいいかも」とワクチンの話題を避けるという人もいるのではないでしょうか。

多様性が大事だとか、個人の主義主張は尊重すべきといいながらも、ワクチンに不信感を抱くのは「ヤバい人」「陰謀論者」とレッテルを貼ってもいいという不文律ができつつあるのです。そして、このような「不寛容な空気」を煽っているのが、他でもないマスコミです。

テレビや新聞は、このような「ワクチン陰謀論」が囁かれる背景について、「科学的知識がない」ということと「分断が進んでいるから」と報じています。

「陰謀論を信じるのはリテラシーのないバカ」なのか

今、世界では経済的な格差や、宗教やイデオロギーの対立で、かつてないほどの分断が進んでおり、そのように政府や既存の体制に不満を抱く人々たちがネットやSNSで、自分にとって都合のいい情報を集めて、それをこれまた自分の都合のいいようなストーリーに組み立てて、先ほどの人類削減計画のような「陰謀論」を触れ回っていると分析しています。この手の記事の最後には、「陰謀論に惑われないようにしましょう」とか「客観的な事実やエビデンスに基づく情報リテラシーを磨くべき」というような呼びかけで締められていることが多いのがその証左といえます。

つまり、言い方は悪いですが、マスコミや専門家は「陰謀論を信じるのは、物事をよく考えない、リテラシーの低いバカが多いんですよ」というかなり「上から目線」でこの現象を俯瞰しているのです。

死亡事例2193人、ワクチン後遺症多数の事実

ただ、こういう「決めつけ」には個人的には違和感を覚えます。

ディープステートや「人類削減計画」はさておき、「ワクチンが人を殺している」というのは陰謀論や情報リテラシーうんぬという話ではなく、紛れもない「事実」だからです。

これまで日本国内では新型コロナワクチンは4億3600万回の接種が行われ、多くの人の命を救ったとされています。このワクチンができたことで、2年近く会うことができなかった高齢の親に会えるようなったり、感染者の拡大で「医療崩壊」といわれた公立病院なども平穏な毎日を取り戻すことができたというのは紛れもない事実です。このような人たちにとって間違いなく希望のワクチンでした。

しかし、世の中はそういう人たちだけではありません。ワクチン接種後に亡くなるという「死亡事例」が2193人もいることに加えて、重い副反応に苦しんだ重篤者も8700人以上もいます。このような人たちにとっては希望どころか絶望のワクチンです。

日本にはワクチンによる健康被害に対しては「予防接種健康被害救済制度」というものがあり、2021年8月から23年12月27日までに新型コロナワクチンによる健康被害と認定された数は5735件、うち死亡認定420件となっています。

この数は制度が発足した1977年2月から2021年12月までのすべてワクチンの被害認定を合算した数(3522件、死亡認定151件)を超えています。全国民に接種を呼びかけたワクチンだったとはいえ、「異常」なことが起きているということがよくわかります。

もちろん、これは「氷山の一角」に過ぎないことは言うまでもありません。ワクチンの有害事象報告は「医師が予防接種との関連性が高いと認める症状」が厚労省に報告されます。ただ、コロナワクチンに関しては接種していた際に、どのような副反応がでるのか、どのような症状があらわれるのかということがよくわかっていない「手探り状態」でしたので、医師の独断で「関連性がない」と判断されて報告されていない死亡や重篤者の事例もかなりあると言われているです。

実際、コロナワクチンによって大切な家族を奪われた、と主張して裁判を起こしているような人たちも徐々に増えてきています。

スパイクタンパクが体内に1年以上も残る可能性を示唆した高知大学研究

そこに加えて、死亡事例や有害事象の研究が進んでいくことで、「ワクチン大量殺人」を裏付けるような事実も徐々に明らかになっています。

例えば、2024年4月、高知大学の佐野栄紀特任教授の研究チームが発表した論文によれば、コロナワクチンを接種した人の「汗疹」(あせも)から、ワクチン接種後から1年以上経っているにもかかわらず、mRNAワクチン由来のスパイクタンパクが見つかったというのだ。

 かねてからこの「スパイクタンパク」はコロナワクチンのリスクとして指摘されていました。スパイクタンパクを持つ細胞は、抗体から攻撃されることにより死んでしまうので、自己免疫疾患が引き起こされる恐れがあるからです。自己免疫疾患になれば、手足の痺れや帯状疱疹などの免疫系の後遺症が起きたり、免疫が低下することで、癌などさまざまな疾患を悪化させる恐れもあります。

 当初、コロナワクチンを開発した人々はこの危険性はないとしていました。スパイクタンパクはコロナの抗体をつくると消えて、体の中には残らないとされていたのです。しかし、それが「間違い」だったとしたらどうでしょう。高知大学もこの研究発表のリリースのなかでこのように述べています。

高知大学プレスリリースより

 ワクチンの接種が難治性の皮膚病に関与していたというのなら当然、他の病気にに関与していた可能性もあります。なぜ元気な人が急に亡くなってしまったのか。なぜ未だに原因不明のコロナ後遺症に苦しむ人がたくさんいるのか。あれほど希望のワクチンだと持ち上げていた「mRNAワクチン」が、人間の体にどういう影響を及ぼすのか、ということはまだわからないことだらけなのです。

ワクチンを疑うことはそんなに罪深いことなのか?


このような事実が次々と明らかになっていく中で、慎重で疑り深い人は当然、「ワクチンは人を殺している」と考えるのではないでしょうか。そして、その中には、なぜそのような「怪しいワクチン」が国をあげて普及させているのかという理由を、ディープステートなど古典的陰謀論を結びつけて考えるような人たちもいるのではないでしょうか。

そこで冷静になって考えていただきたいのは、そのようにワクチンを疑い、さまざまな仮説を唱えている人たちは、それほど罪深いことをしているのかということです。

マスコミや専門家から「リテラシーがない」とか「物事をよく考えていない」と蔑まれ、社会の中で「ヤバい人たち」などと白い目で見られるようなことをしているのでしょうか。

私にはそうは思えません。個人的に賛同できないような説もたくさんありますが、その人が自分なりに一生懸命に情報を集めて考えた結果なのだから、その人の考え方として尊重をすべきだと思います。

しかし、今の日本では、このような考え方は「異端」です。陰謀論を信じる人たちは社会に誤った思想を広めている人間であって、周囲がこの間違った考えを正してやるべきだという考えの方が「常識」となっています。つまり、陰謀論者というのは、社会のためにならない危険思想をもっており、早いところ更生をさせてやるべき鼻つまみ者、もっと言えば「非国民」という扱いなのです。

「エビデンス」を疑うことを許さない「ワクチン全体主義」の病巣を探る

それこそが今回、このテーマを始めた理由です。私はこれまで、このような「非国民」を生み出すような「空気」をテーマに取材執筆活動を続けてきました。例えば、かねてから追いかけているのは「日本の⚪︎⚪︎は世界一」とか外国人観光客に日本の良さを褒めさせるニュースに象徴される「日本スゴイ」という「空気」です。
この手のニュースも、客観的な事実やデータに照らし合わせれば「間違い」ということが多々あります。しかし、それを指摘すると「反日」「日本を愛せない左翼」などと危険思想をもつ非国民扱いです。この「空気」がどこからくるのかということを取材してまとめたのが、以下の『「愛国」という名の亡国論 「日本人すごい」が日本をダメにする』(さくら舎)です。ご興味のある方はお読みいただければ幸いです。

「日本スゴイ」を疑う者は非国民という「空気」はどこから生まれたかを辿った

「コロナワクチンが人を殺している」と主張すると、なぜ周囲の人々から「ヤバい人」扱いをされてしまうのか。人がたくさん亡くなって、後遺症で苦しむ人たちもたくさんいるのだから、もっとこのワクチンへの疑いの目や、なぜここまで接種が広まったのかという背景を探る動きが盛り上がってもいいはずなのに、なぜメディアや専門家はそれをやらないのか。そして、それをやった人々をなぜ私たちの社会では「陰謀論者」と陰で蔑まれるのか。

 このマガジンでは、こういう謎を追いかけていきたいと思います。コロナワクチン被害者や専門家などにも取材を進めていきますので、ちょっと更新に時間がかかるかと思いますが、どうぞよろしくお願いします。(了)

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