サラ金の歴史を知ることは、賢い消費者へと成長すること。
おはようございます、ひらっちです。今週の後半は、取材で愛媛に足を運んでおりました。人生初の松山市。コロナの感染対策もありますのでゆっくり散策というわけにはいきませんでしたが、雰囲気だけは楽しめた気がします。これで訪れた都道府県は「46」。あとは高知県を残すのみです。コロナが収束したら、ぜひ達成したいなぁ~。
<いつものように簡単な自己紹介です>
僕は、地方国立大学を卒業後、ブラック企業で営業マンを経験。その後、フリーランスのライターとして独立開業、さらに数年後、新規就農して農業をスタートさせ、2020年現在、好きな仕事を選びながら人生を謳歌する「ほぼセミリタイア生活」を実践しているアラフォーです。
このnoteでは、特に20・30代のビジネスパーソンの皆さんに、僕の経験に基づいた「人生を楽しく過ごすための技術」を提供し、少しでもたくさんの方に「幸せな毎日」を掴んで欲しいと考えています。どうかお付き合いください。
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■あなたは「サラ金」「消費者金融」を利用したことがありますか?
あらためまして、ひらっちです。今日は「お金」「借金」をテーマに書いてみたいと思います。
冒頭で書いた通り、今週の後半は出張だったこともあり、移動中のお供にこんな本を持参しました。
東京大学大学院で教授をされている小島庸平さんが書かれた『サラ金の歴史』です。経歴を見たら、農業経済学などもご専門にされているようで。もしかしたらどこかで接点があったりするかもしれませんね。
さて、本書はタイトルの通り、2000年前後に大きな盛り上がりを見せ、その後一気に姿を消していった「消費者金融」をテーマに扱った新書です。
ちなみに皆さんは、利用したことはありますか? 武富士、アコム、プロミス、アイフル、レイク…などなど。
こんなnoteを書いているくらいなので、僕は一切利用したことはありませんが、周りには結構いました。
僕が新卒入社した会社では、指導役の先輩がかなりの頻度で利用していて、その結果返済が滞り、僕が入社した1カ月後に退職しました。あれはかなり衝撃的でしたね。今でも脳裏にしっかりと焼き付いています。GWの歓迎会で突然いなくなっていたので驚きました(苦笑)
■ネガティブなイメージを払拭する、巧みなキャッチコピーの歴史
「ご存知ですか?現金の月賦販売を」
これは「消費者金融」の源流ともいうべき、「団地金融」を手広く行っていた「森田クレジットセンター」という会社のキャッチコピーです。
「団地金融」とは、簡単にいうと、当時増えていた団地をターゲットにした消費者金融です。
チラシを配り、問い合わせのあった客に対して、借りたいお金を直接届けます。誰にも知られることなく無担保でお金が借りられると評判を呼び、1960~70年代に最盛期を迎えました。当時、団地に住むには一定水準の収入が条件になっていたため、貸す側としても、団地の人であれば返済が滞るリスクが少ないというメリットがあったようです。
で、そんな「団地金融」の勧誘チラシに使われていたのが、上記のキャッチコピーというわけです。
巧みというべきか、狡猾というべきか。僕もキャッチコピーを作る立場の人間ですが、これほど短いにも関わらず、人の心理をうまく突いたフレーズはは。なかなか見ないというほど秀逸です。
まず「ご存知ですか?」という言葉で、「みんな知っているけど、あなたは知らない」という認識を植え付けます。
そして、当時当たり前になりつつあった家電の月賦販売(毎月の分割払い)になぞらえ、現金を「商品」に見立てて、それを月賦で販売するという構造にすり替えることで、借金に対する暗いイメージを見事に払拭しています。
この構図は、皆さんもよくご存知の「住宅ローン」や「貸与型奨学金」なども同じですね。借金を巧みに明るいイメージにする手法は、大衆をうまく誘導する方法として、現在に脈々と受け継がれているわけです。
■以前は、消費者金融の借金にも「団体信用生命保険」が設定されていたって、ご存知ですか?
家を購入した人にはおなじみの「団体信用生命保険」。以前はこれが消費者金融にも適用されていました。要するに、借金を抱えた人が死亡すると、消費者金融は貸し倒れが防げる、という構図です。これが「死んで払え」という取り立てにつながっていたわけですね。
1977年に導入され、廃止されるに至ったのは2006年のこと。景気低迷に伴い、日本人の自殺者数がずっと高止まりしてきた要因の一つが、この異常な取り立ての構図にあったというわけです。
この構図は、今も「住宅ローン」に残されています。もちろん以前の消費者金融のような無理な取り立ては違法ですが、精神的に負い目を感じている真面目な人が、責め立てられたら…。なかには「最悪の選択」をしてしまう人が出ることも、想像に難くありません。
男性の自殺が多いのは、男らしさという社会規範にも起因するという指摘も、なるほどなぁと考えさせられました。戦時下の特攻のごとく、最後は家族を守るために自死を選ぶ。そんな価値観も一助を担っていたことがうかがえます。
■まとめ
いかがでしょうか。まだまだ書きたいことはたくさんありますが、あとはぜひ『サラ金の歴史』を手に取ってもらえたらと思います。
新書でありながら文字が小さく、300ページ以上の大作なので、読了するにはそれなりに時間がかかりそうです。あと、後半は「サラ金による自殺」にフォーカスを当てているので、そのあたりは人を選ぶかもしれません。
ただ、僕は、お金の勉強をしたいと思っている人には、ぜひ読んでもらいたいと思います。
このnoteでも再三お伝えしているように「お金を殖やすこと」を考えるよりも、「いかに守りを固めるか」の方が100倍大事だと思っています。そして、守りの面でとにかく避けて欲しいのが、安易な借金です。
もうこれだけで、真面目に働いてコツコツ貯められる日本人のほとんどが、無理な投資に手を出さなくても、億万長者を目指せるわけですから。
みなさんは、借金へと誘う「狡猾な罠」にはまっていませんか? サラ金の歴史を学ぶことは、きっとあなたを「賢い消費者」へと成長させてくれるはずですよ。
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