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「移住者は都会風を吹かすな」話題の7カ条に僕が思うこと

おはようございます、ひらっちです。新しい週の始まり、皆さんはいかがお過ごしですか? 今日は朝から原稿を書き、午前中は取材に出かけて、午後からはまた原稿をせっせと書く予定です。週末に農作業をかなり頑張ったので、雨の今日はちょっとお休みかな?

<いつものように簡単な自己紹介です>

僕は、地方国立大学を卒業後、ブラック企業で営業マンを経験。その後、フリーランスのライターとして独立開業、さらに数年後、新規就農して農業をスタートさせ、2020年現在、好きな仕事を選びながら人生を謳歌する「ほぼセミリタイア生活」を実践しているアラフォーです。

このnoteでは、特に20・30代のビジネスパーソンの皆さんに、僕の経験に基づいた「人生を楽しく過ごすための技術」を提供し、少しでもたくさんの方に「幸せな毎日」を掴んで欲しいと考えています。どうかお付き合いください。

現在、『マイナビ農業』で不定期連載中。最近はこんな記事がアップされました。ご興味のある方はぜひどうぞ!(^^♪

経済メディアの『NewsPicks』でも転載が始まったみたいなのでよかったらチェックしてみてくださいね(^^♪

■福井県池田町が「今最もホットな地方移住先」のようですw

あらためまして、ひらっちです。今日は「地方移住」をテーマに書いてみたいと思います。

最近、福井県池田町の皆さんが発表した「7カ条」が大きな話題を集めているようですね!

どうやらよくありがちなネガティブ報道が炎上に油を注いでいるようです(笑)

都会の人からすると「ほらほら、だから地方移住なんてダメじゃん!」と溜飲を下げるための格好の材料になっている様子。案の定、しっかりと燃え盛っているようです。

せっかくなので、今日はこれを題材にして記事を書いてみようかな~と思います。

■こういう時はちゃんと元ネタを調べないとね!

すでにメディアを通じてご存知の方も多いと思いますが、こういう時に大事なのは原典に当たること。「元ネタ」をちゃんと調べるのが基本ですよね。だって、メディアの人は「いい感じで味付け」をして記事にしちゃいますから(笑)

自戒の念を込めて言います。皆さん、メディアはちょっと誇張して物事を伝えることで成り立つ商売ですよ。特にPVを稼ぐことで利益が上がるWebメディアは、ビジネスの構造上、どうしてもそういう傾向に陥りやすいので注意してくださいね!

というわけで、早速元ネタを調べてみると、あったあった!これだ! 本当に7カ条が作られている。せっかくなので1つずつ紹介しながら僕なりの見解を書いてみますね!

■そこまですごいことは書いていない気がするけどなぁ~

では、話題の7カ条を引用しながら詳しく見ていきましょう!

第1条 集落の一員であること、池田町民であることを自覚してください。

○総人口の少ない池田町ではありますが、私たちは 33 の集落において相互扶助を土台に安全で豊かな共同社会を目指しています。

これは別に何の問題もないですよね。当たり前のことが書いてあります。次です。

第2条  参加、出役を求められる地域行事の多さとともに、都市にはなかった面倒さの存在を自覚し協力してください。

○池田町の風景や生活環境の保全、祭りなどの文化の保存は、集落毎に行われる共同作業や集落独自の活動によって支えられています。共同して暮らす場を守るためにも参加協力ください。
○草刈り機は必需品です、回を重ね使い込むことで技術上達が図れます。
○このことを「面倒だ」「うっとうしい」と思う方は、池田暮らしは難しいです。

この「第2条」が引っかかる人もいるのかな? むしろちゃんと伝えてくれているのは良心的だと思うんですけど。

この手の共同作業は、そんなにド田舎ではなくても当然のように発生します。むしろ全国的に見れば「こういうのがない地域(東京?)の方が異質かもしれない」と思った方がいいです。 

「草刈り機は必需品」

分かる~(笑)。うちは池田町ほどの田舎ではなく、そこそこ人口がいる「トカイナカ」ですが、妻もしっかり草刈り機だけは使いこなしています。

もしあなたが「え~、草刈り機なんて…」と鼻から拒絶する姿勢だとしたら、ぶっちゃけ田舎に行かない方がいい。意外にやってみると面白いですし、最近は使い勝手のいい電動タイプもあるので、重くて大変という人はそれを選んでみるのもいいかもしれませんね。

例えばこんなのとか。

うちの妻も愛用しています。バッテリーの駆動時間が30分くらいなのが難点ですけど、バッテリーを数個持ち歩けば事足ります。

さて、お次です。

第3条 集落は小さな共同社会であり、支え合いの多くの習慣があることを理解してください。

○生活の基盤は集落であり、長い年月に渡って様々な行事や集まりを通して暮らしを支えてきました。

第4条 今までの自己価値観を押し付けないこと。また都会暮らしを地域に押し付けないよう心掛けてください。

○集落での生活は、ご近所などとの密な暮らしの日々があります。都市では見られなかったルールや仕組みもありますが、皆で折り合いを付けながら培ってきたものです。
○これまでの都市暮らしと違うからといって都会風を吹かさないよう心掛けてください。

このあたりかなぁ~。炎上した原因は…(笑) 「都会風を吹かさないよう」。このフレーズが着火剤になったわけですね…。

どうせなら、もう少し具体的に書いた方が良かったのかもしれませんね。僕なりに翻訳すると、たぶん言いたいのは「『僕がこの過疎地を元気にしてみせます!』『都会の発想を活かせばこの地域も活性化できますよ!』みたいな〝可哀想な人を助けてやる視点”で来ないでね!」といったところでしょうか。

僕も農業しているからよーく分かるけど、この手の人って結構いるんですよねぇ~。別に地域の人はそれを望んでいるわけじゃないんですよ。多くの地域は「別に助けてくれ!」と言ってるわけじゃない。

「田舎=元気がない=可哀想→私が助ける=地域のみんな喜ぶ=やりがい」

こんな構図を勝手に頭の中に描いて、地域の現実に直面して挫折する。そんな人が過去に結構いたのかなぁ~なんて想像します。

移住するのであれば、現地の方には「迎え入れてくれてありがとう」という感謝の気持ちで接するのが本来の姿です。そうじゃないと「え?別に助けてくれなんて一言もいってないけど?」というギャップが生まれてしまう。そのあたりが、この「都会風を吹かさないよう」という言葉に含まれているのかな~なんて思います。

第5条 プライバシーが無いと感じるお節介があること、また多くの人々の注目と品定めがなされていることを自覚してください。

○どのような地域でも、共同体の中に初顔の方が入ってくれば不安に感じるものであり「どんな人か、何をする人か、どうして池田に」と品定めされることは自然です。
○干渉、お節介と思われるかも知れませんが、仲間入りへの愛情表現とご理解ください。

第6条 集落や地域においての、濃い人間関係を積極的に楽しむ姿勢を持ってください。
○静かでのどかな池田町ならではの面白さとして、ご近所や色々な出会いの中での会話を楽しんでください。

第7条 時として自然は脅威となることを自覚してください。特に大雪は暮らしに多大な影響を与えることから、ご近所の助け合いを心掛けてください。
○池田町は 2004年の福井豪雨災害で大きな被害を受けて以来、集落防災隊長を設置し地域防災力を高める取り組みを推進しています。
○また、池田町には「雪で争うな、春になれば恨みだけが残る」という教えがあります。積雪時、大雪時での譲り合い、助け合いを心掛けてください。

確かに田舎はプライバシーという概念はないと思っておいた方がいいかもしれないですね。プライバシーを求めるのであれば、都会の方が圧倒的にいいです。基本的に「情報は筒抜け」という前提で接した方がいいですね。

それが許容できないのであれば、「ド」が付くくらいの田舎に移住するのはやめた方が身のためです。

■移住を検討している人には一つの目安になりそうです

みなさんはどのように感じますか? 僕はむしろこうやって「7カ条」を出してくれているのは良心的だと思っています。これを知ったうえで行くのと、行ってから知るのとでは、天と地ほどの差がありますから。

移住を成功させるうえでのポイントは、先に移住した人を通じてその地域での味方を増やしていくことです。そのうえで最も重要なのは、独特のしきたりやルールを理解すること。そこに尽きるかなぁ~と思います。

せっかくここまで赤裸々に現状を伝えてくれるのであれば、さらに踏み込んで「これくらいはやってほしい」というルールをきちんと提示するのもいいかもしれませんね。

例えば、「草刈りは月1回半日くらい、基本的に欠席不可、もし出られないのであれば代役を立てる、もしくは金●●●円を支払ってもらう」とか。このあたりを明確にすれば、移住者とのミスマッチも防げる気がします。

この「7カ条」は、田舎視点で言えば「そこまで特別なことではない」というのが個人的な感想です。移住者向けの環境がよほど整っている地域でない限り、どこでもそこまで変わらない気がします。そういう意味では、これから移住を考える人にはこの「7カ条」が一つの基準になる気がしますね。

■まとめ

東京か、地方か――。そんな二項対立の構図で語られることが多いですが、実際には、東京の都心部から限界集落まで、ものすごくグラデーションがあるのが現実です。

池田町と同規模の人口くらいの田舎であれば、こういうことはある。そこから都会に向かうにつれ、少しずつ「7カ条の縛り」が和らいでいく。そんな感じで考えておけばいいのかな~と。

当たり前の話ですが「田舎はすべてがパラダイス」というわけではありません。本当にみんなにとっての楽園ならば、そもそも過疎が進んでいないわけですから。向き不向きは絶対にある。その点を踏まえて自分に合った場所を選ぶことが大事ですね(^^♪

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