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来月で発生から26年 和歌山カレー事件 支援者の活動状況①ビラ増刷決定

 1998年に発生した和歌山カレー事件から、来月で26年が経つ。林眞須美さんの死刑判決の根拠となった材料が続々と崩れ、3回目の再審請求が受理された現在いま。多くの支援者が"26年"という数字を強く意識しながら、冤罪の可能性と再審開始を訴え行動を起こしている。


 ※確定死刑囚として大阪拘置所に収監中だが、一貫して無罪を主張。動機が未解明であること、自白がないこと、直接証拠がないこと、2024年現在も再審請求を行っていることなどからあえて林眞須美さんと表記する。ご理解いただきたい。

梅雨入りした和歌山

◽️「林眞須美さんは無実です!」

 近畿地方が梅雨入りしたばかりの6月下旬。湿度が高くじめじめとした曇り空の下、支援者やその友人らが関西各地から和歌山市内に集まった。林眞須美さんの現状を伝えたいーー。強い思いを胸に、マイクでの呼びかけとビラ配りを行った。

「林眞須美さんは無実です!」と訴える支援者の男性


 今回は支援者の提案で、興味を持ってくれた通行人に、8月3日から公開される和歌山カレー事件初のドキュメンタリー映画『マミー』(二村真弘監督)のチラシもビラと併せて配ることに。
 250枚のビラ、数十枚のチラシを用意した。

 映画についての情報はこちらをご一読願いたい。


 今にも雨が降り出しそうな天候の中、支援者らが通行人に真剣な眼差しでビラとチラシを差し出していく。同時に、交代でマイクを使って全身全霊で呼びかけも行う。

 「林眞須美さんは、無実を訴え再審請求しています」


 「年配の方なら報道を覚えていると思います。来月で26年です」


 「僕が、林眞須美さんが犯人ではないと思う根拠は、事件現場のヒ素と林家のヒ素が違うからです」


 「なぜ無実だと思うのか、受け取って読んでみてくださいーー」

ビラを配る支援者の男性


◽️通行人からあたたかい反応

 次第に雨がポツポツと降り始め、人通りが一時的に少なくなる時間帯も。そんな中、「僕にもください」と自分から支援者の方へ歩み寄ってビラを受け取る50代の男性会社員、ビラや支援者の呼びかけに関心を持ち、「頑張ってや」と声援を送る高齢男性の姿が。ビラを受け取った女性と手を繋いでいた幼稚園児くらいの年齢の女児が、「がんばってね、ばいばい!」と笑顔で支援者にハイタッチする一面も見られた。

 1998年以降に生まれ、事件そのものを知らない学生時代の受け取りも反応が良い。部活帰りとみられる男子学生の1人は、ビラを受け取ると「友達の分もください」と言い、一緒に歩いていた友人の分のビラをまとめて受け取った。

 またビラやチラシを受け取った通行人の一部からは、映画が全国公開されることに驚く声も上がっていた。

◽️ビラ増刷決定

 この日250枚用意していたビラは、予定していた活動時間を大きく繰り上げる形で配り切った。手持ち無沙汰となってしまった時間は、マイクによる呼びかけに徹する形へ。繰り返し、事件捜査の違和感や再審の必要性を訴えた。

 支援者の70代男性によると、カレー事件のビラ配りをしてきた中で、ビラが全てなくなったのは今回が初めてという。来月からはビラを増刷することが決まった。


 支援活動の中で新たな記録が刻まれた2024年6月。活動の勢いは増すばかりだ。



【和歌山カレー事件初のドキュメンタリー映画『マミー』公式サイト】8月3日公開

【林眞須美さんの再審を求めるオンライン署名はこちら↓↓】

【河合潤著『鑑定不正』(日本評論社)】


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