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来月で発生から26年 和歌山カレー事件 支援者の活動状況②アメニモマケズ


 来月で発生から26年となる和歌山カレー事件。さまざまな支援者が自分に合った形で、冤罪の可能性が叫ばれる林眞須美さんの再審開始を求め、アクションを起こしている。「眞須美さんコール」メンバーの活動は、最近は荒天と被ることがしばしば。雨にも負けず、風にも負けず、活動を続けている。

支援者が作ったボード。奥は大阪拘置所


 ※確定死刑囚として大阪拘置所に収監中だが、一貫して無罪を主張。動機が未解明であること、自白がないこと、直接証拠がないこと、2024年現在も再審請求を行っていることなどからあえて林眞須美さんと表記する。ご理解いただきたい。

 過去の活動はこちらで紹介している。


 平年より2週間遅く梅雨入りした関西。天気予報では局地的に雨脚が強まるとのことで、「明日は大雨なので無理されないように」とメンバー間で前日に連絡が交わされた。当日は朝から雨模様。いつも親子連れでにぎわう拘置所横の公園に目を向けてみるも、人影は全然見当たらない。
 活動時間が刻一刻と近づくにつれ、1人、また1人とメンバーが現地に集まってきた。レインコートや傘、帽子、カバンの雨よけカバーといった雨濡れ防止グッズをしっかり持参。万全の態勢で活動を開始した。

雨の中の大阪拘置所
眞須美さんコールの準備を行う男性
雨に濡れながら、林眞須美さんの再審を求める女性ら
レインコートを着て、再審と冤罪を訴える男性
支援者が持参した防水仕様のボード。



 コールでは、それぞれが眞須美さんへメッセージを送った。眞須美さんの体調を気遣う声、拘置所の制度への疑問ーー。周囲の通行人の耳にも届くよう、声を振り絞った。

 「眞須美さん!お元気ですか?お変わりないですか。(中略)社会から隔離してなんとかしようと言う考えは、冤罪であるならば許されないです。(中略)眞須美さん、元気でいてくださいね」

呼びかけを行う女性


 今月は、眞須美さんの長女と孫2人の訃報から3年が経つ。

 「林眞須美さんは、1998年の逮捕から26年に及ぶ留置所・拘置所生活を送っています。3年前、2021年の6月に、眞須美さんは新聞を目にして、ご長女とお孫さんのニュースを知りました。6月17日夕方に和歌山県警から詳細を知らされ、『59年の人生で一番ショックだった。何もできず、情けなく、母親なのに守ってあげられなかったと人生でも一番の強い悲嘆にくれました』と最高裁判所への上申書に記されたのでした」
 「もし事件が発生していなければ、冤罪事件に巻き込まれていなければ、眞須美さんご一家が歩まれた人生は全く違ったことでしょう。(中略)林眞須美さんの再審開始決定と勾留停止を心から願います」

拘置所の問題点を追求する男性


 「だんだん暑くなってきました。喉乾いてないですか?熱中症に気をつけてください。事件が来月で26年となります。事件を知らない若者も増えてきました。私もこの活動の中で若い方に会う機会がありません。でも、今後も続けていきます。これからも皆のコール、聞いてください」

 最後は皆で声を合わせ、眞須美さんのいる方向へ向かって名前を叫んだ。

皆で声を合わせ、眞須美さんに向かって名前を呼んだ




 彼ら彼女らの活動は、これからも続くーー。


【林眞須美さんの再審を求めるオンライン署名はこちら↓↓】

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