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ティール組織による誤解 「予算と予測」

ティール組織を読んだ人が陥る誤解の1つに「予算も予測も役立たない」があると思う。

翻訳を担当した嘉村さんが記事でこのように話している。

(前略)ティール的な組織では中長期の事業計画をたてる意味を持たなくなるわけです。
直近で起こりうる複数パターンの未来予測が役立つこともありますが、今の時代は不安定で不確定要素が多いです。当たるかどうかわからない見通しを、膨大な手間とコストをかけて立てるのは、もはや無意味です。

確かに、中長期の見通しを立てることは無意味だけれど、直近で起こりうる複数パターンの未来予測は必要と言ってるわけです。

今で言うと、新型コロナウィルス の影響で組織がどうなっていくか、最悪パターンと最高パターン、その真ん中パターンくらいは予測しておきたい。最悪パターンになったとき、どう立て直しておくかデータとアイディアを用意しておくのは必須。

余談だが、「予測」と「予想」の違いがわからず、「予測」を「予想」と混同してしまうケースもあると思う。

予測とは
(スル)事の成り行きや結果を前もっておしはかること。また、その内容。「10年後の人口を予測する」
予想とは
(スル)物事の成り行きや結果について前もって見当をつけること。また、その内容。「予想が当たる」「混雑が予想される」
出典:デジタル大辞泉(小学館)

さらに言うと、ティール組織では、「予算を簡素化し、予実分析はしない」と言っているものの、いくつかの予算や予測が必要となる例を挙げている。

予算が策定されるのは、重要な判断を下すために何らかの予測が必要な場合に限られる。たとえばFAVIでは、原材料の契約を結ぶために、各チームが翌年の大まかな月次予想を立てる。・・(略)
ビュードゾルフは、チーム全体を合計した数値として、キャッシュフローの単純な予測数値を立て、新規チームをいくつ立ち上げられるかの目安にしている。新チームが黒字転換するまで一年かかるので、同時に立ち上げるチームの数が多すぎることで、会社が破産しないことを確認しておきたいのだ。

ティール組織に書いてあることを誤解して、予算も予測も全くいらない!と思わないよう注意が必要である。


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