偽薬にも効果があった!?
こんにちは。あすぺるがーるです。
皆さんは、「自分は病気などにならない」と何回も唱え続けたら、本当に病気にかからないと思いますか?
私は、「絶対ありえない!」 と思っていました。
しかし、それが意外にありえるかもしれない、ということが、一冊の本との出会いで分かりました。
プラセボ効果は本当にある?
プラセボ効果とは、本来は何も影響を及ぼさないはずの物質や処置に対して、身体があたかもそれが効いたかのように反応することです。
同書では、このプラセボ効果に関する実験がいくつか扱われています。
一九八〇年代初頭に実施された実験では、八百三十五人の頭痛を訴える女性患者を四群に分けています。A群では、ただ単に〈鎮痛薬〉と書いたプラセボ、B群は鎮痛薬の有名ブランド名を記したプラセボ、C群では、〈鎮痛薬〉とのみ記したアスピリン、D群はB群同様に有名ブランド名を記したアスピリンを投与しました。(P.121-122)
さて、結果はどうなったと思いますか?
一時間後、頭痛がどのくらい軽くなったかを点数化して返答を集計すると、鎮痛効果はDCBAの順でした。(P.122)
プラセボよりもアスピリンの実薬のほうが効果があったのはいなめません。しかし有名ブランド名を記したほうが、偽薬、実薬ともに効果大だったのです。(P.122)
このように、効き目に何の影響も及ぼさないように思われる有名ブランド名のようなものが、身体に影響を及ぼすことがあるのです。
更なる実験によって、プラセボ効果は痛みだけではなく、高血圧、子宮内膜症、狭心症など、様々な病期に効果があることが認められています。
プラセボ効果のしくみ
では、プラセボ効果はどのような仕組みで起きるのでしょうか?
プラセボを投与すると、脳の前頭前野が活性化します。
前頭前野は、痛みの度合いを測り、不快な気分や嫌悪感と結びつけるはたらきをしています。
プラセボが前頭前野に作用した結果、脳内麻薬物質である 「エンドルフィン」 が分泌されます。
このエンドルフィンこそが、痛みを和らげているのです。
実際に、エンドルフィンの分泌を阻害する薬物を投与すると、プラセボ効果は起こらなくなります。
カギは 「希望する脳」
プラセボ効果が、投与する側から受ける教示に影響を受けるか、本当にエンドルフィンの影響で起きるかを調べるため、更なる実験が行われました。
その結果、プラセボ効果は処置や薬物に対して、投与される側が前もって説明を受けて期待を抱いていないと生まれないことが分かりました。
ヒトの脳は、進化の過程で生存するために、生まれつき物事を楽観的に考えようとします。
うつ病の患者が物事を悲観的に考えるようになるのは、その脳のはたらきが異常に低下しているからです。
では、「希望する脳」 のはたらきは、どうしたら高まるのでしょうか。
もちろん、うつにまでなってしまったら服薬と休養がまず第一ですが、それ以外にもできることがあります。
それこそが、同書のタイトルにもある 「ネガティブ・ケイパビリティ」 を身につけることなのですが、これについては後日。
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