雨の日が嫌いだ。せっかく時間をかけて可愛くした髪型がすぐに崩れてしまう。バスや電車は傘が邪魔になるし、傘のマナーが悪い人に出会うと気分が悪くなる。水たまりに思い切り足を入れてしまったり、そんな人から跳ねた雨がかかることもある。雨がなぜ嫌いなのか、こうして述べているだけで眉間に皺が寄ってしまう。

小さい頃は雨が嫌だという感情がなかった気がする。雨が降ったら、外で遊ばずに済むしたくさん絵を描いたり、たくさんおままごとをひたり、自分の好きな遊びができたからかもしれない。カッパを着ることが好きで、自分で小さな傘を持つことも好きだった。新しい可愛らしい傘を買ってもらった日には、雨が降ってないにも関わらず傘をさしていたこともある。

今では、嫌いなことランキング上位に傘をさすことがランクインしている。私は傘をさすことを異様に嫌っているため、小雨くらいでは傘をささないそんな性格であるし、人と出かけている時は必ずその人の傘にいれてもらう。大きな傘を持つことが嫌いなので、なるべく折り畳み傘でどうにかしようとする。なぜこんなにも傘を持ち歩くこと、さすことが嫌いなのかよくわからないが、極度のめんどくさがりであることが関係しているのだろう。

そんな雨嫌いな人あるあるだと思うのだが、外出の予定がない時に降る雨は好きだ。家の外からぽつぽつと雨の音が聞こえると、心地よく感じる。おー雨強くなってきたねーなんて独り言を言いながら、雨の観察をすることが嫌いではない。"晴れ"では感じられない"雨"でしか感じられないことが"音"だ。夏の晴れている日は、蝉の鳴き声が聞こえてくる。しかし、夏以外の季節の晴れは音を想像することが難しい。雨の日は、テレビもつけず、音楽やラジオも聞かず、寝転びながら雨音を聞いて眠りにつくという贅沢な睡眠を味わうことができる。

そんな今日は、雨だ。電車に乗りながら、窓に打ち付けられている水滴を見ていたら、雨について考えたくなった。今、再び窓を見ると、雨が止んでいた。

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雨の日をたのしく

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