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呪われた女 31

             

              立川M生桃


祠から現れた蝦蟇を乗せた男が眠そうに・・・・。

おい。たけのこ婆。一体何の用だ。

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わたしゃぁ。こちらに、いらっしゃる、お方様の言われた様にしただけじゃ。

すると空から現れた天狗どんが、久し振りじゃな。蝦蟇仙人。と話しかけた。

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蝦蟇を肩に乗せた男が、おおおおお。天狗か@~

久しぶりじゃな。もう100年になるかのう~。

天狗がそうじゃ。もう100年になる。お前がこの山に封じ込まれてから

ええええっ。たけのこ婆は、驚いた。

お前様は、封じ込まれたのかい?

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そうじゃ。そこに居る。あの乞食の男にな@~

馬鹿者。わしを乞食と呼ぶのか? すまん。すまん。役行者殿。

そう言って、宴会が始まった。

キャプチャ.JPG役行者

たけのこ婆は、訳がわからなくなった。

このたけのこの山頂に封じ込まれた? 蝦蟇仙人・・・・。

すると、役行者が話し始めた。

役行者の話では、蝦蟇仙人は、酒癖が悪く。酒が入ると、すぐに妖術を使いたがる。

その妖術が、宴会の席で、お酌をした女の顔に蝦蟇のイボを移すと言う恐ろしい妖術だった。

女は、皆から恐れられた、楽しい宴会が台無しになる。

そこで、この山の山頂に封じ込め、反省させておったのじゃ。

蝦蟇仙人は、その間に拝む対象になり、頼み事をされ。

いろんな者が悩みや願いを叶えて欲しいと言う。煩悩を聞きながら

修行をしておったのじゃ。

役行者がそう言うと。

蝦蟇仙人は、100年経ったある日。ちゃんとしたお供え物をされ、法華経の経典を聞いて、少しは悟った気がする。

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封じ込まれてから、しばらくは、役行者に何をしてやろう。

どんな嫌がらせをしてやろうかと考えた。50年経った頃、その気持ちも薄れ、どうでも良くなり、拝まれ、祈られ、人の願いという煩悩を聞かされて、少しは、反省する気になった。

これで、自由の身。蝦蟇仙人は、喜んだ。


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