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ベーシストとデザイン

WOVN アドベントカレンダー17日目担当の Kenji です。

最近はバンド活動どころか楽器にも触ってないのでこの言い方には抵抗ありますが、僕はバンドでベースを担当する「ベーシスト」です。

活動していない期間も含めて、かれこれもう20年はバンドでベースを弾き続けています。日本国内でもそうですが、以前アメリカに住んでいた時代にもいくつかのバンドで演奏させてもらい、色々な州や街を回るツアーに帯同する機会もいただきました。

自他ともに認めますが、僕はベースが似合う男です。

ある時期からその役割に憧れてきたので、ベーシストっぽいと言われるとかなり喜びます。認めてもらうと嬉しすぎて一杯奢りたくなるくらいです。

ただ、初めからベーシストになりたかったわけではありません。

元々ピアノやギターを弾いていたので、まずベースの役割どころか存在自体が理解できませんでした。ベースの音はギターやドラムの音と比較するとどうしても目立たなく、僕自身も多くの方と同じで、ステージ上で何をやっているかわからないと感じている一人でした。

しかしバンドを組んで実際ベーシストと一緒に演奏し始め、色々な音楽やスタイルについて詳しくなっていくにつれてベースという楽器の役割、そして影響力に驚かされ始めるのに時間はかかりませんでした。

そして最終的には僕自身がベーシストとなりました。

2016年、ブルックリンのフェスにて。(これ以降ベーシストとしてはステージに立ってません。。)

ちょうどそれくらいの時期に考え始めた、社会に対する自分のなりたい将来像やモデルと、ベースの役割が重なったということもあります。

一旦ベースという役割を他のものに例えてみましょう。

No bass, no music = no structure, no house

まず、シンプルな4人編成のバンドを思い浮かべてください。

ボーカル:当然ですが歌を歌います
ギター:印象に残るメロディーを加えます
ドラム:ビートを刻み、場面の展開を切り替えるのに効果的なアクセントを挿入します
ベース:表現しづらいですよね

家に例えましょうか。

ボーカル:花、装飾、インテリア小物など
ギター:家具
ドラム:ドア、階段など、家の構造部
ベース:家の骨組み

そうです、ベースとはもはや外からも中からも見えない骨組みという役割です。

地味ですよね。ただ、骨組みがないと、当然家を建てれません。

骨組みのない家具やドアなどで形成された家は家と呼べるでしょうか?

呼べませんよね。

ベースとはその名の通りこれらの土台となり、上に色々な音を「乗せる」構造となる役割を持っています。

ボーカル、ギター、ドラムがその家に家具、装飾やおしゃれなインテリアなどの彩 (いろどり) をを加えて「印象」づける要素を加えれる楽器に対して、ベースはそれらをつなぐ骨組みを形成している、というイメージですね。

別の言い方で言うと、ボーカル、ギター、ドラムの音がどれだけ素晴らしくても、それらを繋いで受け入れるベースという存在がいないと「楽曲」にはなりません。ベースはレコーディング作業の中で一番最初に録音されることが普通ですが、実は楽曲にとって「最後のピース」ともなる要素なのです。

他の素晴らしい音を生かすためには、ベースが存在しないといけない。

そしてただ存在するだけではなく、安定しないと他の音を殺してしまう。

他人の素晴らしさを生かすために、自分がしっかりする、骨組みになる。

若い頃に思った「自分のなりたい将来像」とは、正にベースみたいな存在になることでした。

ベースの役割と自分の理想の姿

この組織における自分のタイトルとは?と言われると、いまだに曖昧です。

ありがたいことに以前からも WOVN に入ってからも、本来の範囲内におさまらない色々なことを相談・依頼されることも多く、実際英語の履歴書には以下の説明が「自分のサマリー」として載せてあります。

Problem solver (問題解決屋)
Design Ninja (デザイン忍者)
Thank God, we have you (こいつがいてくれてよかった!)

しかし、僕はあくまでもベーシストと同じく、基本はデザインを中心として誰か・何かを陰で支える立場でいたいと思っています。そして WOVN が成長している今だからこそさらに「安定」して「なくてはならない」存在にならないといけないと感じています。

WOVN 内にはデザイナーと呼ばれる方々は数名います。しかし僕以外のデザイナーは、自社プロダクトを開発するチームの一部である UX / UI デザイナーです。

僕はどちらかというとそれ以外全般が守備範囲となります。

マーケティングやセールスのためのビジュアルやツールを作成、会社のブランディングを浸透させるためのシステムを整備したり、さらには社内外のイベントまたはノベルティーグッズの企画や制作も僕の役割になってきます。

アーティストが自分の制作物を「作品」と呼ぶことに対し、デザイナーである僕は「目的」がないとビジュアルを生み出すことはできなく、最終形として完成しません。

音楽においてのベース。

チームが目的を達成するためにおいての僕のデザイナーという役割。

そして、社会およびインターネットにおいての、WOVN というサービス・存在。

これがないと、なにかが完成しない・成立しない。

頼りにされていて、まさにベースという名前にふさわしく、芯となりブレがない。

ベースは目立たないけどなくてはならない、じゃないと音楽として成り立たない。

インターネットにおける WOVN、そして WOVN における自分自身も、音楽におけるベースのような役割でいたいですね。

# Writer Profile
名前:Kenji
部署:Solution / Design 
WOVN 歴 :2021年8月~ (5ヶ月)


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