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安物買いの銭失いという言葉

これは昔の人がよく言っていた言葉で、粗悪なものをあたかも良いもののように売って期待していたものとは違ったときに使っていました。昔は粗悪なものが多かったんだと思うんです。

皆さんはこの言葉を知ってましたか?

私の明治生まれの祖母はよく言葉に出してました。私が駄菓子屋でお菓子を買ったときに言っていた気がします。1960年代などは人工着色料がかなり使われていた時代だったんですね。

最近はそもそも粗悪なものは姿を消して、あまり粗悪なものは見ないのですが、最近、家電製品で体験したのが、粗悪というより期待を裏切られたという意味ではアイ○○オオヤマの電子レンジだったかなぁ。
今日の本題は、家電の話ではなくて、教育の話です。

コロナの影響もありますが、人材育成の方法が多様化してネット上のe-LearningやYouTubeやTikTokなどで配信されている根拠不明な怪しいものまで多種多様です。

優良なものもありますが、大抵皆さんが気軽に見るのはすべて無料なわけです。つまり、安物の情報と言うわけです。安物がすべて悪いと言うことでもないのですが、かなり混ざっていると思うのです。

Udemyという海外の研修サイトがあるのですが、Udemyが提供するものはすべて動画です。知識というのは、本と基本同じなので形式知をどう使えるかだけの違いです。

しかし、道場というのは違います。実際にやってみるというプロセスを含んでいます。知識だけで出来ることと、知識だけでは伝わらないものがあります。例えば、甘いという表現は伝わりますが、下で味わう甘さの加減や味わいは正確に伝わりません。

これは、マネジメントも同じです。知識として、いくらドラッカーの本や松下幸之助の本を読んでも経験知は上がりません。しかし、技術的なものに左右される仕事は知識によってレベルを上げることができるのです。

これを人は錯覚してしまうのです。技術的な仕事や業務だったら勉強して知識をつければレベルがどんどん上がるから知らないよりは知った方が良い。そのように知識の勉強は小学校から大学、企業に入るまで危機感とともに習慣として染み付いてきました。

それで、何が安物買いの銭失いと関係があるのかって?

だって、本を読んだり、ビデオを見たりはそれなりの時間は使うかもしれないけど、実際にやってみるより効率的だし、時間を使わないわけだから安くついているわけです。

リーダー研修で6ヶ月が標準です。とお話すると、3、4日で出来ないのですか?とお聞きになる研修担当者の方達がほとんどです。

研修担当者は人材像が描けていないのか、限られた時間内でとにかくあれもこれもやらないといけないということでてんてこ舞いになっています。

ヒューマン研修もスキル研修が大半ですぐに目先の効果、成果に一瞬だけつながるものばかりです。接し方、話し方、叱り方、怒り方など心理学やコーチングをベースにした研修は山のようになっています。私も会社でそういった研修を受けて、その時はそれなりに勉強になったと思ったものですが、Leanやトヨタでの仕事の仕方を学んでから、特に実践的なトレーニングをOJTで受けてみると今までの研修にはなかったものが存在していたのです。それは何かはここでは説明しませんが、一言で言うとアーキテクチャの違い。ですね。

我々のプログラムを研修会社の方にご紹介すると、皆さんドン引きするか同じものが既にあると思ってらっしゃって反応が薄いのですが、これも経験していない方には甘いというものがどんな味なのかわからないのと同じなんです。

「安かろう悪かろう」、「安物買いの銭失い」という言葉が使える人は良いものや本物を知っている人のみが使える限られた言葉なのです。

本当に良いものや本物に少しでも触れてみて、これが「安かろう悪かろう」、「安物買いの銭失い」という意味なんだと知ることから始めてみる。これには少しばかりの投資が必要です。本当にお金に困っている人には難しい選択です。

そこなんです。お金に困っていたときに一回でもそこに投資できる人は人生を変えられる人です。本質が見えるようになれば間違いが減ります。選択の間違いが減れば時間ができ自分自身の肯定感が高まります。そして、自信につながります。

昔の人はよく言ったものです。


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