こころを満たす とっておきの香水8選

香水が大好きだ。

突然だけど、今回は私のとっておきのお気に入りを紹介したい。

今でも覚えているけれど、生まれて初めて香水に惹かれたのは小学生の頃だった。デパートの一階の化粧品売り場で見かけたイヴ・サンローランの香水がどうしても気になって、店員さんの目を盗んで手にとってみたのだ。

重たい瓶をそっと持ち上げ、大人の真似をしてムエットにシュッとスプレーした瞬間、私は未知の生物に顔面をパンチされたような衝撃を感じた。

ソーダみたいな、ベリーやオレンジやプラムみたいな、すごくフレッシュで、濃厚に甘くて、美味しそうで、それでいて重厚な、大人な感じのする、びっくりするほど良い香りだったからだ。

その香水は後から調べたら、「VICE VERSA」という1999年限定の商品だった。デザインもすごくカラフルで、私の記憶に鮮やかに残った。

（もちろん、当時の私に買える額ではなかったから、ヴァイス・ヴァーサとの再会はずっとずっと後の話になる）

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私はそれから、子どものおもちゃのような香り玉から、スーパーで売っている安物のコロン、ドラッグストアのフレグランスなど、片っ端から匂いをかいで回るようになった。これは！と思ったものはお小遣いを貯めて買った。母は香水をつけない人だったから、家に香りのするものはほとんどなかった。私はいい香りのするものを集めては、一人でスンスンして楽しんでいた。

中学高校と、もちろん高いものは買えなかったのだけど、大学生の時に旅したフィレンツェで、私は香りの魔法にもう一度かかることになる。