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秋って無条件で悲しくならない?むうぅ〜

 好きな人がつけていた香水を香水だとずっと思ってたけど、数ヵ月後にローズマリーのアロマオイルなことに気がついた。普段行かない雑貨屋に入ったときに同じ匂いがした。何も買わないのに、店員さんになんのアロマオイル焚いてるんすかってだけ聞いて、逃げるように店を出た。店を出て暫く動けなくなって、自販機の横で蹲ってた。
きっと私がバンドをしていたら君のこと、私の感情のこと、その全てを歌にしていたと思う。けれどこの感情を歌なんかにしたくない。私の恋心を、3分半で消費しないで。あれは恋心なんかじゃなくて、あの時の私の全てだった。18歳の私の全てを3分半なんかにしないで。
私は恋をしながら、君の友達をどうしても得意になれないこととか、君の好きな音楽の素晴らしさとか、君に見せたい夕焼けがどれだけ素敵なこととかをひとつずつ、ひとつずつ知っていった。恋をすることでしか見れなかった風景。辿り着けなかった場所。


君は私の事好きになってくれなかったけどさ。


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