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国民国家の成立過程

現代社会では“戦争”ができない

「市民革命(フランス革命など)」によって「国民国家」が誕生し、200年以上が経過しました。

現代社会は大きな問題に直面しています。科学技術が発達し、戦争の被害が大きくなり過ぎてしまったのです。

第二次世界大戦の戦死者は5000万人から8000万人と言われています。また戦後は「武器が強力すぎてお互いに武器が使えない」という事態が起きるのです。これが「冷戦」になります。

核兵器を抱えるアメリカとソ連は直接戦うことができないため、それぞれの子分に戦争をさせました。それが朝鮮戦争やベトナム戦争です。

この事態を受けて「国際連合(UN)」や「ヨーロッパ連合(EU)」などが設立されます。国家の権力に制限をかけて、戦争の危機を減らすことが目的です。簡単にいうと、悪いことをしないように監視し、悪いことをしたら罰を加えるというシステムになります。しかし、こうした試みは国民国家の“限界”を露呈していることを意味します。

国民国家=戦争

歴史をみると「国民国家」は“戦争のため”に成立した国家形態になります。

戦争に“強い”国民国家に対抗するためには、自分達も国民国家を採用するしかありません。幕末時代の日本も、欧米列強の国民国家による軍事力に屈服し、開国をさせられました。

そして「このままでは列強(国民国家)の植民地にされてしまう」という危機感から、日本は国民国家という形態を採用することになったのです。これが「明治維新」になります。

国民国家に代わる新しい国家形態とは?

世界史にとって近現代とは、国民国家の時代であることを意味し、国民国家という形態を採用することが「近代化」ということになります。

現代の国民国家は「戦争に強い」というメリットによって肥大化し、戦争によって自滅するほどのリスクを抱えることになってしまいました。

国民国家に代わる新しい国家形態を模索する時期に、現代は差し掛かっているのではないか。緊迫する世界情勢から、強く感じています。

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