世界史チャンネル

元世界史教員です。世界史を思う存分語ります。

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最近の記事

そもそも征夷大将軍とは何か?

国家は「宗教」と「政治」の両輪で成り立つもともと天皇は、宗教的権威と政治的権力を兼ね備えた存在でした。しかし軍事的な緊張が高まる中で、天皇は軍事組織のトップに政治的実権を委譲することになります。その役職が「征夷大将軍」でした。 天皇は神格化された宗教的権威として崇拝され、征夷大将軍は政治的権力を行使する。今日まで続く日本の二元統治体制が、源頼朝によって完成することになります。 こうした二元統治体制は世界史でもよくあることです。 「教皇」と「皇帝」キリスト教の場合、ローマ

    • 国民国家の成立過程

      現代社会では“戦争”ができない「市民革命(フランス革命など)」によって「国民国家」が誕生し、200年以上が経過しました。 現代社会は大きな問題に直面しています。科学技術が発達し、戦争の被害が大きくなり過ぎてしまったのです。 第二次世界大戦の戦死者は5000万人から8000万人と言われています。また戦後は「武器が強力すぎてお互いに武器が使えない」という事態が起きるのです。これが「冷戦」になります。 核兵器を抱えるアメリカとソ連は直接戦うことができないため、それぞれの子分に

      • フランス革命で誕生した「国民国家」

        国家の所有権が国民に移ること国王が支配する「絶対王政(身分制社会)」は、農民や商人などの下層階級が中心となった「フランス革命(市民革命)」によって破壊されました。 国王から権力(政治を行う権利)を奪い取り、新しく「民主主義」社会が作られることになります。 民主主義とは「国家の所有権」が、国王から国民に移ることを意味します。国民が国家の方向性を決めることになったのです。これを「国民国家」と言います。つまりは、現在の私たちが住む社会のことです。 国民国家の誕生は、政治や軍事

        • 銃は日本史も変えた?

          戦国大名の中でいち早く銃を取り入れたのは、織田信長でした。なぜ信長は銃の導入に積極的だったのでしょうか? なぜ信長は銃を導入した?その理由は、信長の組織運営にあります。徹底した能力主義を採った信長は自国の領土(尾張)以外の国からも、積極的に人材を受け入れました。明智光秀や羽柴秀吉などが有名です。しかし言い方を変えると、信長の軍隊は「多国籍軍」のような状態でした。 多国籍軍の問題点は、寄せ集め集団であること。戦においては、出身地による言葉や戦い方(戦術)に違いがあり、味方同

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