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「スキルを身に付けたい」という言葉の落とし穴

私の本業は、就職活動のキャリアコンサルタントです。

その中で、よく出くわす「スキルを身に付けたい」という言葉。

一見すると聞こえのよい言葉なんですが、私はあんまり好きじゃなかったりします。



言葉尻だけ聞くと、「自分自身に力を付けたい」ってことだから、なんだか積極的に聞こえますよね。


でも、「それって本当にしたいことなの?」と言われると、どうなんだろうと思うんです。


「スキル付けたい」っていう根本の理由を掘り下げていくと、結構多いのが「いつ会社がなくなるかわからないから」みたいな話だったりします。

それって、「環境要因」ってこと。

つまり、環境に合わせている、ということなんです。


いや、確かに環境に合わせることも大事ではある。特に、時代の流れが速くなっている今なんて、変わらないままでいるというのは死活問題になります。


私が言いたいのは、そもそも「自分の核(=自分が何がしたいのか)」もないまま、時代に絡めとられているだけというのもどうなんだろうってことです。


順番としては、「自分が何がしたいか」という思いが先。

それをこの時代で実現していくための手段として、必要なスキルを選んでいく、ということなんだとと思う。


そうでないと、「安定したいから公務員」という考え方と、結局は変わらない気がするんだよな。



事実、就活支援していても、「スキルを身に付けたい」というだけの学生さんって面接落ちちゃうことが多い。


「スキルを身に付けたい」という気持ちと、「あなたは何を実現したいの?」という気持ちがセットでないと、面接官の心に響かない。

だって、きっとそれ、その人の心からの言葉じゃないから。


ただ、なかなか急に「何がしたいの?」って言われても答えられない人ばかりだから、仕方ない部分はあると思う。

(現に、私も就活のとき答えられなかったし、言語化できるくらいにハマってきたのは30歳手前だったし)


だから、今すぐ「核」がわからない人は、「スキルを付ける」ということを優先してもいいんだ。

せめて、それが「いつか自分の核を実現するためのものなんだ」という意識さえ持っていてくれれば。



何のために、スキルを身に付けるのか。


表面的には一緒でも、根っこに何を考えているかで中身が全然違ってきますよ。


せっかくなら、ビクビクして周りに合わせるのではなく、ワクワクを指針に生きていきたい。

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