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「今の話ってこういうことですか?」←優秀

小学生の頃、学級会は司会と書記を決めてから始まるものでした。幼い頃の僕の勝手なイメージですが、司会は花形で、書記はどちらかというと裏方で目立たない存在。。

社会人1年目の頃、会議に参加しても内容についていけないことが多くありました。それは知識不足や経験不足、頭をすばやく回転させることに慣れていないなど、様々な理由があったと思います。

回数を重ねるごとに徐々に慣れが出てきて、内容の理解がだんだんとできるようになると、わりと的を射た質問ができるようになってきました。そんなある日、会議で書記を任命される機会が貰えました。

最初はただ議事録的に、会議の内容をメモするという作業だと思っていましたが、これも回数を重ねていくと、会議の背景を含めた全体像が把握できるようになり、「書記が本当にやるべきこと」が何かが見えてきました。

書記が作成するメモは、参加者全員の視線が多くの時間向けられる、非常に重要なアウトプットです。また、現在の状況を全員が確認するためのインプットにもなります。書記が成すべき仕事を一言で言うと、

会議の内容を整理し見える化することで、チームの思考状態(会議のゴール・今の論点・現状)を全員に把握させる

ということになります。人間同士の話し合いはムダにややこしくなったりします。全員が論点に沿った話をするとは限りません。当然情報にノイズが入ります。書記は会議の目的を理解した上で、会議の前提となる情報、参加者の共通認識である情報、各発言者の意見等を整理していく必要があります(不要な情報をカットする判断を下す必要もあります)。その分、高い情報処理能力が問われるし、能動的な動きが求められる役割であるわけです。

さらに、情報を「見える化」するという役割であることから、参加者が見て理解しやすい、ということも大事です。時には図表を用いるなどして、ビジュアルで理解できる状態が作れるとベターです。

さて、こんな重要かつ自分の成長につながるような役割を経験させてもらうかですが.....僕の経験上、大人は意外と書記をやりたがりません。
特段嫌がるというわけではないですが、書記を「メモ」と捉えている人が多いのか、若手に任せてくれるケースは多くあります(僕が経験できたように)。せっかくの成長の機会だから譲ってくれている、みたいな印象も持ったことはないです。

人が実際に集まってやる会議の場合、ホワイトボードが会議室の前の方(大体えらい人が座っている)の近くにありますね。学級会の場合でも、黒板は全員が体を向けている方向にあります。こうした状況で率先して「書記やります」と手を挙げてホワイトボードに向かって歩いていく・・・・ができれば一番良いわけですが、僕みたいな小心者にとってはそれが結構きつい。そもそも全員があまり重要視していない(ことが多い)役割について、手を挙げて堂々と歩いていくというのが憚られる気持ちでした。なので僕は、しれっとホワイトボードの近くに座って勝手に書記をやり始めるという戦略を採りました。これは我ながらgood。

言葉だけで会議をしている中で、ビジュアル化された情報が出てくると必ず人間はそれに注目します。勝手にメモっているだけだったとしても、それに全員の視線が集まることになります。

昨今リモートワークが拡大していることから、書記の立候補はしやすくなりました。会議が始まって話がややこしくなってきた時に「今の話ってこういうことですか?」と勝手に画面共有すれば自然に全員の視線が集められ、それ以降はそのメモをベースに会議が進んでいくことでしょう。

書記は多方面からの情報を処理する能力を高めることができる、非常に価値のある役割です(しかも、それがあまり重要視されていないのでチャンス!)。若手社会人の方々には、「議事録担当」ではなく「書記」を担うことをオススメします。いきなり画面共有しちゃいましょう。

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