見出し画像

【ハイブリッドワーク先進国事例】 リモートワーク中の育児はあり?なし?今後はどうなる?

こんにちは。ACALLの那須です。

在宅勤務中「大人は家で仕事、子どもは家から授業に参加」という今までにない日常を経験した人も多いのではないでしょうか。または、保育園や幼稚園に預けることができず、小さい子どもの面倒を見ながら仕事をしていたご家庭もあるかもしれません。

コロナウイルス感染拡大によりリモートワークが急激に加速し、コロナ後もリモートワークの選択肢を持ち続ける会社は多くあります。特に、リモートワークを希望する理由として、仕事と育児の両立をあげる社員が多いとされているのは世界共通です。ただし、リモートワークにおける仕事と育児の両立もいいことばかりではないのでは?と、海外ではコロナ後のリモートワークにおける育児に対する意見の対立も見受けられるようになりました。

リモートワーク中の育児に関する議論

コロナウイルスの世界的な感染拡大により、どの国でも仕方なくリモートワークに移行していったのが始まりでした。その過程でリモートワークの可能性に気がついた企業も多く、今後も引き続きリモートワークの選択肢を持ち続ける企業も多くあります。ただし今後もリモートワークをずっと続けると決めた場合に、在宅勤務中の育児について大きく分けて2つの意見があるようです。

ここからは、それぞれの主張についてもう少し詳しく見ていきましょう。

賛成派の意見

賛成派の意見とは、リモートワーク時の育児について賛成もしくは特別なルールは設けないという声です。仕事と育児の両立のために、リモートワークができる職場を求めている親が多くいると言われており、子育て世代に働いてもらうためには、企業側もリモートワークの選択肢を用意する必要があります。

子育てのこととなると特に女性に負担がかかってしまうということがわかっています。(前回の記事にもう少し詳しく記載しています。https://note.com/workstyle_lab/n/ne525ef001e8

そうなると、女性にとっても働きやすい環境にするために、子育てとの両立という前提でリモートワークを整備する必要があると考えられているのです。

反対派の意見

少数派ではありますが、リモートワーク時の育児について禁止もしくはルールを設けるべきという意見もあります。これらが反対派にあたります。「普通ならオフィスに子どもを連れてくることはないので、リモートワーク中に子どもを見ながら仕事をすると生産性に影響がでるのではないか」という主張です。また、仕事と育児に追われている状態では、従業員の心身の健康状態も気になるところです。

急激にリモートワークが進んだこの18ヶ月は世界的な緊急事態ということもあり、リモートワーク中の育児については特段決まりを設けていなかったほとんどです。ただし、今後リモートワークを恒久化するのであれば、ルールは設けたほうがいいという動きがあります。例えば、「リモートワーク時には誰かに子どもを預ける」というルールです。この場合には、保育施設や整っている環境にあること、保育施設に子ども預ける経済的な余裕があること、育児を頼むことができる人が周りにいることが前提となるため、解決すべき課題も多いと思われます。
(参照:https://www.bloombergquint.com/business/work-from-home-forever-means-no-more-kids-on-office-zoom-calls

子育て世代が安心して働くために企業ができること

現時点では賛成派の意見が圧倒的に多いように見受けられます。職場での多様性が求められる中、育児中の人たちを排除するような働き方を強制することは難しく、そのようなことをすれば、会社の業績やイメージの悪化、従業員たちの離職にも繋がってしまうからです。

一方で、反対派が指摘するように生産性や心身の健康について懸念を抱く経営者は一定数いると考えられます。この懸念点の解消のためにも、企業としてできることはいくつかありそうです。具体的なアイデアをいくつかご紹介します。

ハイブリッドワークやフレックスタイム制度の導入
働き方の柔軟性と言ってしまえばそれだけなのですが、具体的にはハイブリッドワークによってリモートとオフィスを選べるようにすることや、勤務時間を自由に組むことができるフレックスタイム制度など様々な制度があります。育児にあてる時間と仕事の時間を自分でデザインできることで、仕事の生産性もしっかりキープすることができます。自宅だけではなく、子どものお迎えの前後や習い事の待ち時間を活用して仕事ができるような柔軟な働き方も今後は一般的になるかもしれません。

コミュニティ
会社内に同じ悩みを共有できる人たちがいることは大きな支えになります。例えば、Slack上で子育ての話ができるようなチャンネルを作るなど、リモートワーク中心の従業員でも参加できるような仕組みが理想的です。

定時退勤の文化
「お迎えがあるので、お先に失礼します」と退勤することに申し訳なさを感じたことはありませんか?残業が当たり前のような企業文化ではそう感じてしまうものかもしれません。ですが、オフィス出社でもリモートワークでも、定時に退勤することが当たり前の企業であれば、仕事とプライベートのメリハリをつけることも可能になりそうです。

育児に関する制度
仕事に集中できる環境を会社が整備するのであれば、育児手当や保育所の整備なども選択肢の一つです。「育児は経営課題だ」と指摘する記事も出てきているほどなので、仕事と子育ての両立はますます重要になってきそうです。
(参照:https://hbr.org/2021/04/childcare-is-a-business-issue

事例

フレキシブルやリモートの仕事に求人掲載サービスにFlexJobsというものがあります。その創業者・CEOのサラ・サットン氏は次のように述べています。

“When pick pictures for our articles, I tell my team, ‘Never show somebody working with a baby on their lap or similar situation because that’s not the way you should be working,’”
「記事にて使用する写真では、子どもを膝の上に乗せて仕事をするような写真を使わないようにチームに伝えています。なぜなら、そのように仕事をすべきではないからです」
https://www.bloombergquint.com/business/work-from-home-forever-means-no-more-kids-on-office-zoom-calls

フレキシブルやリモートの仕事に特化したサービスだからこそ、その心構えを強く表しているようです。FlexJobsでは上のパートで述べた子育てに関する制度を持つ企業についても紹介しています。

例えば、アクセンチュアでは従業員の子ども向けに、6歳から12歳までのリモートクラス(1時間あたり5ドル)を用意しています。チャイルドケアプロバイダー、Bright Horizonsとの連携で可能となった制度です。

アメリカの企業ではBright Horizonsのサービスを用いて、従業員に対する子育て支援を行う企業が多くあります。シティバンクもその一つで、Bright Horizonsのサービス利用とともに、ベビーシッターや家庭教師などを見つけるサポートやディスカウントなどを行っているようです。
(参照:https://www.flexjobs.com/blog/post/flexible-companies-offering-childcare-assistance/


最後に

会社の業務内容や文化、考え方により、仕事と子育ての両立に関しては様々な向き合い方があると思います。普段は良くても、例えば子どもが病気になってしまった時はどのように働くことができるのかなど、様々なケースに対応できる働き方が必要です。

また、高齢化社会では育児だけではなく介護においても同様の議論がもっと活発になることが予想されます。

働く人々がONとOFFのスイッチを自由に切り替えながら、心や体に大きな負担がない状態で働くことができるのが、未来の働き方なのかもしれません。

みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!