働く上での幸せという概念

今週の大きな出会いはこの本だった。

パーパス・マネジメント――社員の幸せを大切にする経営 https://www.amazon.co.jp/dp/4295402192/ref=cm_sw_r_cp_apa_i_biD7CbRZSXSJJ

働きたくない

今のマネージャーポジションが長くなってきて、範囲も広くなってきて、私個人として本当にやりたいこと向かいたいところは何なのか、という問いがここのところ、ずっと引っかかっていた。

働き方改革をミッションとしてやっているけど、実のところ、働く、ということがそんなに好きではない。できることならば、家でダラダラしていたい。ずっとゲームやっていたい。ただひたすら人と出会い続けてフラフラしていたい。

今の職場を選択しているのはこの現実においては最適解だと思って5年続いているのだけど、辛いことはやっぱり起こるし、毎日そんなにルンルンしながら過ごしているわけでもない。それなりに、というか、かなり、モヤモヤしながら働く毎日を過ごしている。

その感じはやっぱり嫌なわけで、働くことから逃げたくなることはよくある。

それが本音だ。

働き方改革が叫ばれているけど、そんなにきれいでキラキラしたものでもない。多くの人が苦しんでるのは、根源的でドロドロしたところにあるのではないか。そういう本音を出発点にしないと、中身のある働き方改革は始まらない。

そういう意味では、仕事大好き人間でない自分は、適任なのかもしれない。
そんな自分が気分良く働くやり方が見つかれば、それはたぶん大発見。

それでも気分良く働きたいんだよ

気分良く働くってなんだろうか。

イヤイヤながら18年も働いているので、それに、近い感覚は知っている。「なんか働いてて気分いい」っていう状態。

幸せ?
楽チン?
充実?
楽しい?

あの感覚にみんなでたどり着くことを、自分が行きたいところ、働き方革命、と名付けたいけど、今ひとつとらえどころがない。

自分に屋号つけるとしたら
Happy Work Creater
とか、とある研修で言い切ってみたんだけど、ものすごく陳腐だ。

楽しく働くことがそれかなと思ったこともあったが、「楽しく働けばいいってわけじゃない」と厳しく言われたこともある。人によって多様で違うようだ。

その大きなヒントがこの本にあった。

著者も「幸せ」という言葉を使っているものの、世間一般で言われる「幸せ」よりも、もう少し狭くて、具体的な状態のことを論じている。

Happiness at Work

ただのHappinessとは区別している。

デンマークではこんな言葉があるそうだ。

Arbejdsglæde

なんて発音するのかすらわからないけど、どうやら、私が考える状態を一言で表しているようだ。

著者も、表現が難しいことに言及している。

まだ本書でも「仕事における幸福度」という具合に一言では表記できないのが、なかなか悩ましく、何かよい単語が生まれてほしいところです(仕事幸福度とか、労働幸福度というのも何かヘンですよね?)。 英語でもHappiness at Workと表現されており、ひとつの単語ではまだこの概念を表せません。社会での認知度や必要性が高まれば、恐らくひとつの単語として扱われる言葉が生まれてくるはずです。

ドンズバではないけど、便宜的にHappiess at Work とここでは呼ぶことにする。

私が目指したい、創りたいのはこの状態だ。

働く人がみんなこの状態になったら、社会はもっと生きやすい場所になるはずだ。生きるために働くことだって、そんなにいやいややる感じでなくなるはずだ。

日曜日の夜のあの感じがもうちょっと変わるはずだ。

子供が、お父さん、お母さんがやっている「働く」というやつは、僕も私もやってみたいな、と思ってくれるはずだ。

この状態を規定するのは次の条件だ。

Purpose(パーパス=存在意義)
Authenticity(オーセンティシティ=自分らしさ) 
Relationship(リレーションシップ= 関係性) 
Wellness(ウェルネス=心身の健康)


楽チンでもない。
楽しいでもない。
充実でもない。

これこそが、Happiness at Work。特殊な状態、感情。でも、多くの人は一度ぐらいは経験したことがある体験。

自己点検

さて、自分はどうだろう。

あ、全部、満たされてる。

俺、Happiness at Work だわ。

毎日、面倒くさいことあるし、会社で誰かに思いっきり反論されたりすると凹むし、何日ももやもやもする。
たぶん、これはゼロにはならない。そういうもんなんだよ、働くってことは。

それでも、この4つの条件は実現できるはずだ。それがあれば、働くことのモヤモヤは、全く気にならなくなるわけではないけど、共に居るぐらいにはなるんじゃないかな。

CHOというアプローチ

この4つの視点は、働き方改革を進めるための切り口にもなりうる。

Purpose(パーパス=存在意義)
 →パーソナルコーチング
Authenticity(オーセンティシティ=自分らしさ)
 →パーソナルコーチング、育成、キャリア支援 
Relationship(リレーションシップ= 関係性) 
 →チームワーク向上、マネジメントそのもの
Wellness(ウェルネス=心身の健康)
 →メンタルヘルス、安全衛生マネジメント

個人的に今までやってきたこと、これからやろうとしていることと、マッピングしやすい。
私の仕事の延長線上だ。

本書ではHappiness at Workに責任を持つ経営陣をCHO(Chief Happiness Officer)と呼び、浸透を呼びかけている。
役割名、肩書はともかく、このアプローチで組織に働きかけをすることは、誰でもできるはずだ。
著者はそんな存在を「幸せ係」と呼んでいる。

一介のマネージャーではあるが、CHOというアプローチを大事に、やれることをやっていこう。

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