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周囲の協力と前向きな社風で年間350時間の削減に成功!取り組みがとっても素敵でした!

今回は、コロナをきっかけにRPAを導入し、業務の効率化に成功、現在は全社展開に向けて奔走している、株式会社池田理化にインタビューを実施いたしました。

RPA導入後の苦労や努力したこと、全社展開に向けての取り組みや、RPAの専任担当になるまでの経緯など、社内の雰囲気なども交えながらお話してくださいました。
(インタビュアー▶ワークスアイディ 奥西佑太/上田恵里)

株式会社池田理化https://www.ikedarika.co.jp/corporate/
執行役員 経理部長 黒崎 篤(くろさき あつし)さん(写真右)
経理部 財務経理グループ 関 久美子(せき くみこ)さん(写真中央)
ワークスアイディ株式会社 奥西 佑太
ワークスアイディ株式会社 上田 恵里(写真左)

━━━RPAの導入を決めた背景とは。

(黒崎さん)
コロナが発生した際、弊社では社長が先頭に立ってDX化を進めよう!テレワークできる人はテレワークしよう!という強いメッセージを発信していました。
営業アシスタントがテレワークしやすくするためには、営業部門の各部署で行っていた経理に関連する業務を経理部に集約した方がよいのではないか、という案が経理部内で出たため、業務を集約することになりました。

ただ、業務を集約するということは、逆に人を増やさないと経理部の中で業務が回らなくなる、ということでもあります。

できるだけ人を増やさずに何とかしたい、ということで、経理部内にプロジェクトチームを発足、外部のコンサルティング会社にも支援頂きながら検討を進めていく中で、
「OCRとRPAを絡めたいね」という話が出たのがきっかけです。

━━━当時、テレワークってどれくらい普及していたのですか?

(黒崎さん)
20~30%だったと思います。
注文頂いた商品をお客様にお届けすることが我々の事業ですし、職種によってはテレワークが難しい部署もありました。

ただ、極力出社しなくても業務が進められるよう、環境整備は進めていました。
今は出社の人も増えてきましたが、環境整備がうまく進められたことで引き続きできる方はテレワークしています。

━━━コロナがきっかけではありましたがデジタル化が進んだのですね!

(黒崎さん)
進みましたね!
例えばこれまではデスクトップパソコンを使っていましたが、今は希望者にはノートパソコン支給が当たり前になりましたし、誰でもテレワークが可能な環境が整いました。

気づいたら巻き込まれていました…(笑)

━━━RPAを知った時の印象を教えてください!

(関さん)
事前知識は何もなく、RPA製品にいくつか種類があることも知りませんでした。
WinActorを導入することが会社の中で決まって、気づいたら伴走型支援が始まっていました(笑)
事前に準備はしていませんでした。
RPA作成にあたっては、プログラミングの知識が不要と言われていることは知っていました。
ただ実際に触れてみて、やはりある程度プログラミングの知識があったほうが取り組みやすそうだな、と思いました。
そこで、基本的な知識を入れるべく、ネットや書籍で、積極的に情報収集につとめました。

━━━なるほど!ではRPAだけでなく、色々と学ぼうとされていたのですね!

(関さん)
そうですね…
伴走型支援が終わるまでには、なんとかRPAの基礎を習得しないとと思い、
必死に追いついていくためにありとあらゆる努力をしていました。

━━━とっても素敵ですね!
   今40個ほどロボットを作られているということですが、
   実際に勉強しながら進めてみていかがでしたか?
   プログラミング的な知識などは必要でしたか?

(関さん)
繰り返しや分岐など、VBAと通じている所もあり、
やはり最低限のプログラミングの知識はおさえておいた方が理解しやすいかと思い、中学生向けの本を読んだりはしていましたね。

VBAはマクロを登録するくらいで、コードを書いたりなどはできませんが、
Excelの作業は多いので、いくつもマクロを使っています。

━━━なるほど!では今後はマクロをRPAに移行していくことになりそうですか?

(関さん)
そうですね、その方向で進んでいます!

集中できる環境を整備してもらえたのは大きかった

━━━伴走型支援が週2回、3ヶ月ほどありましたが、
   支援のない日はどれくらいRPAを触ってらっしゃいましたか?

(関さん)
結構毎日触っていました。
自分でシナリオを組み立てることができなかったので、
自宅からもリモートで繋げて支援の復習を行っていました。

━━━時間を作ってもらえたからこそできた、ということなのですか?

(関さん)
そうですね、もともと担当していた経理業務をほかの方に割り振ってもらえるように部長が動いてくださって、
経理業務が2割、RPAが8割くらいの割合になっています。

━━━なるほど!それは大きいですね!
   だから支援のない日でも触れない、ということはなかったのですね!

━━━RPAを実際に触ってみて苦労したことがあれば教えてください!

(関さん)
そうですね・・・
RPA作成は、現在1名で担当しています。稼働中にエラーが起きることもしばしばあるのですが、
その対処・修正・テストも自分で考えて行う必要があるので、かなり苦労しています。
あとは、RPAが操作対象とする、アプリ―ケーション単体(Excel・webサイトなど)についてだけではなく、IT周りの知識全般をある程度分かっていないと
システム部門の人へ何か依頼する時にスムーズに伝えられず業務が止まってしまうことも多かったです。

━━━逆に言えば、システム周りの知識もRPAがきっかけで習得できたということですか?

(関さん)
そうですね、これがきっかけで「ITパスポート」を取得しました。

━━━今後はRPAの資格も取りたいな…なども考えてらっしゃるのですか?

(関さん)
本当は8月に「WinActorエキスパート」を受験する予定だったのですが、
なかなか勉強時間が確保できなかったので
来年度中には取れたらいいな!と考えています。

━━━取得できたら会社で第1号ですね!!

RPAを前向きにとらえている社員が多かった

━━━今後、関さん以外にもRPA作成者は増やしていく予定ですか?

(関さん)
まずはRPAに興味を持ってもらいたいと思い、8月くらいから動き始めています。

━━━150名も参加する営業部門向けRPA社内説明会を実施されたということでしたが・・・

(黒崎さん)
以前RPA説明会を営業部門の部署向けに6回ほど開催して、150名くらいの人に参加してもらいました。
RPA化出来そうな業務があったら教えて下さい、とアンケートで伝えたらかなり提案してくれました。
それに加えて、自分でもRPAを作りたい、と思ってくれる人が5人もいたらいいなーと思っていたら50人もいたんですよ!(笑)

びっくりしちゃって(笑)

アンケート結果を踏まえて
①営業部門の業務のRPA化を関さんができそうなところから始めてみてRPAを理解してもらう
②希望者向けに研修をやりながらRPAが作れる人を増やす
を検討しています。

当面は経理部でRPA推進支援を行っていきますが、理想は、行く行くはしかるべき部署にRPA推進チームを発足し、社内でRPA作成者を増やすことと、自分の担当業務を自ら自動化することを、旗振り・サポートしていくという流れを作ることが目標です。

━━━とってもいい取り組みですよね!
   チャレンジしたいと思ってくれる社員の方が多いのもいいところですよね!

(黒崎さん)
そうですね!
逆に、
RPA化したら私の仕事がなくなる!
というような反対意見も出るかなとも想像していたのですが、

アンケートでは前向きな意見が想定以上に多かったな、という印象でした。
本当にみんな真面目で、
RPAについて事前に知っていて、
「こんなことができたらいいのにな」と考えていた人もいたようです。

━━━「改善したい!」というマインドがある方が多いというのも
   とってもいいことですね!

RPAをきっかけに、業務の再配分も成功

━━━RPA導入による成果を教えてください!

(黒崎さん)
経理部では40件の業務をRPA化して、年間350時間を削減できました。

営業アシスタントが担当していた経理業務を集約したことで
経理部に人を4人増やそうと思っていたのですが、
2人の増員にとどめることができました。

関さんがRPAに極力専念できるように、RPAの効果をほかの経理部員にも理解してもらいつつ、業務の再配分も同時に行いました。

━━━それだけ繰り返しの業務が多かったということですか?

(黒崎さん)
多かったですね。
今まで繰り返しの業務はマクロを組んでやっていたのですが、
それをRPA化させることで、マクロを知らなくてもその業務を行えるようになり、ほかのグループに業務を再配分することができました。

━━━RPAをきっかけに、業務の再配分も行ったのですね!

(黒崎さん)
しました!!
業務の再配分ができたことも一つの成果です。
業務を引き受ける側は「なぜ業務内容が増えるのか?」と疑問に思ってしまうことも多いですが、
RPAによる業務負荷削減効果を説明でき、納得してもらえたから進めることができました。

━━━RPAの旗振りをされた黒崎さんの苦労はありましたか?

(黒崎さん)
全然(笑)
コロナがきっかけの業務集約を行う中でRPAの導入について僕が提案はしましたが、
賛同する人を集めて納得してもらいながら進めていきました。

やってみて、アンケートを取って、成果が出たことを確認して
後付けですがだんだん理解していってもらいました。

この体制づくりも関さんがいたからこそできたことです。
RPAを導入するならRPAを作れる人が社内にいないと絶対にうまくいかないなと思っていたので、

関さんが「やってみてもいい」と思ってくれたからこそ実現できました。
関さんが積極的に勉強してくれたおかげでRPAの運用がうまくいったと思います。

━━━今後、RPA以外にどのようなデジタル化の取り組みを検討していらっしゃいますか?

(黒崎さん)
一度AI-OCRの導入を見送っているのですが、
機能はとても便利だということは理解しているので、
経理だけではなく業務全体で考えたときに活用できるかなと考えています。

(関さん)
私もAI-OCRは再チャレンジしたいなと思っています。

せっかくRPAが入っていても、
媒体が紙のままでデジタル化されていないと自動化はできないので、
やはりAI-OCRとRPAの組み合わせがベストではないかと考えています。
今後は生成AIについても学習してみたいな…とは思っていますが、
まずはAI-OCRに取り組んでみたいです。

シナリオ化する前にまず業務フローを見直すことでRPAが長生きする

━━━この先、RPAを始める方へ、アドバイスをお願いいたします!!

(関さん)
自分の業務の本当に簡単なところから始めるのがいいのかなと思います。
ファイルならバックアップするだけ、Excelならシートをコピーするだけ、とか。

逆にごくシンプルな作業でないとRPAの動きの理解が追い付かないところがあったので、
個人的にはこれがいいのかな、と思っています。

あとは、その人が担当している業務を、その人がRPA化する、というのが一番理想、という話を聞きます。

現在、私が営業部門の業務をRPA化しようと動き始めていますが、
結構難しいと感じることも多いです。

業務を知っている人がRPAを作るほうが早いですし、エラーが発生したときも早く解決できます。
その仕事を一番わかっている人がRPAを作成する、という体制を築いていくことが大切だと思います。

━━━シナリオ化する前にまず業務フローを見直す
   ということも重要ですか?

(黒崎さん)
自分の部署でできる範囲で業務フローを考えてしまう事が通常多いと思いますが、
他の部署に頼んだらもう少し簡単にできる、ということも結構あります。

集まって意見を出し合って業務フローを作り直してからRPAを作ったほうが、RPAが長生きすると思います。

━━━RPAの導入がきっかけでデジタル化も進み、体制も整え、業務フローを見直すきっかけにもなったということですね!
進め方もとてもステキで、それに真正面から取り組んでいただいた関さんの努力も光っていました!
今後、営業部門のRPA化を進めていくということですので、また全力でサポートさせてください!
本日は貴重なお時間をいただきありがとうございました!

企業紹介

株式会社池田理化(https://www.ikedarika.co.jp/)
池田理化は、科学技術の発展をサポートしている理化学総合商社です。
大学・官公庁や民間企業の研究機関等へ、実験設備や分析・汎用機器から試薬・消耗品まで、幅広い製品を提供しています。
創業から90年を通して培ったノウハウと最新の技術情報をもとに、全国18の営業拠点から研究者の皆さまのあらゆるニーズにお応えします。

【 導入・サービス支援に関するお問い合わせ 】
ワークスアイディ株式会社 DX事業統括本部
ideal_design@worksid.co.jp

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