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部下の数字意識の作り方

仕事とは切ってもきれない関係の「数字意識」
目標数字や行動まであらゆるところで登場します。

マネージメントを行なっていく上で、どうやって部下に数字を意識させるのか?今回はそんなお話をしようと思います。

僕の好きな小説に「波の上の魔術師」という本があります。

あらすじは、主人公であるニートの青年が謎の老人と知り合い、月給25万円で秘書をしないかと声をかけられる所からスタートします。
謎の老人は個人投資家で、主事公にはある銀行の株価を毎日ノートに記載することを命じます。
マーケットという渦巻きに主人公を引き込み、株価を元に2人で「五週間戦争」に挑む痛快経済サスペンスとなります。

数字を触って感覚を身につける。

この小説を読んでいる時「株価を毎日ノートに記載する」という行動に非常に共感をしたことを覚えています。
仕事をする上では一見普通の行動かと思いますが、自分自身の体験を思い出すきっかけにもなりました。

仕組み化された会社であれば、日々の行動や目標に対しての進捗は一定のレベルで管理をされていると思います。
方法は様々だと思いますが、ランキングやスプレットシート、日報など形は多種多様です。

しかし、数字を見るだけでは数字を体感的に捉えることは難しいと思っています。
アナログになってしまうが、小説の通り日々の自分の数字を、手書きでメモをしたり、PCでタイプしたりなど記録をつけていく。
文字通り数字を触る事で体感値として数字を意識することができるようになります。

実際に僕は部下に対しても、追いかけている数字や目標とのギャップは必ずメモを取るように指示しています。
そうすることで、体感的に平均値を覚え、多い少ないなど瞬時に判断できるようになりました。

数字意識とは

ネットで検索すると以下の回答が出てきました。
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数字を意識して働くというのは、確実な指標となる数字を活用して経営判断の基準にしたり、会社の変化に気づいたりする状態を指します。従業員の場合は、数字を見てプロセスを見直したり、実績を積み上げたりする働き方ですね。
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部下の目線で言うと、なかなか腹落ちしにくい内容かなと思います。
なので僕なりに言葉にすると、以下の内容かなと考えています。

1、目標数字を覚える
2、行動から出た数字を体感値として捉える
3、行動から出た結果を歩留管理する
4、1〜3を元に次の行動を考える

この4つがセットになって初めて「数字意識」と呼べるのではないかと思っています。

目標数字を覚えることは、まあ当たり前です。笑
普段からコミュニケーションの中で話していれば「目標数字は!?」と聞けば、殆どの場合答えられると思います。
また、毎日朝礼で目標とギャップを発表させたり、眼に見える場所に常に置いておけば覚えることは可能です。

問題は2から4をどう体系的に覚えさせるのかが重要になってきます。

行動から出た数字を体感値として捉える

冒頭の小説でもあったように、日々の行動は細かく数値化してメモを取らせることが有効的です。
これは部下に任せっぱなしにするのではなく、上司として仕組み化することが重要です。

営業であれば日々の商談数、バックオフィスであれば電話やDMを送った数など。常に集計をして、毎日の成果を見えるようにしていく必要があります。

そうすることで、イレギュラーな数字や、昨日と今日で何が違ったのか?などちょっとし変化などに気づけるようになります。

行動から出た結果を歩留管理する

営業であれば、商談から成約などのパーセントです。
1つ目の行動と2つ目の行動、そして結果。
それぞれの進捗をパーセントで管理することで、周りとの違いが浮き彫りになってきます。

ただし、パーセントには「安心感」が付き纏ってきます。
行動量が少なくても確率は良くなることもあります。
そのため、行動量を最優先に考え、歩留は体温計と同じように健康チェックくらいの感覚で扱うことが重要になります。

数字を元に次の行動を考える。

行動量とその結果から出たパーセント。
これを元に次の行動を考えていきます。
部下の目線で考えると、「じゃあどうやって考えたら良いの?」となりがちです。

考えの基点として一番簡単なのは、なにかと比較することです。
同僚と比較して行動量が多いのか、少ないのか。
または、過去の自分や目標と比べてどうなのかです。

上司としては、1on1などで比較を用いてどうやったら行動量が増えるのか一緒に考えていくことができます。

また、個人的に最大の利点だと思うことは、感情に左右されなくなることです。

「頑張って商談数を増やそう!」などとコミュニケーションをとると、お互いの努力量がわかりません。

平均的な商談数や成約率を把握できれば、「これだけの成約を生むためには、成約率が⚪︎%だから商談数を⚪︎件に設定しよう」と感情を置いてコミュニケーションをとる事ができます。

そのため、本人の努力ではなく「どうすれば商談数を増やせれるのか」といった、コトに対して議論を行うことが可能になってきます。

僕が管理する組織でも、最初は数字の意識は皆無でした。
みんなが数字に触れる環境を作り、日々意識をさせる。
また、部下は実行部隊なので集計はこちらが行うことで行動に集中させる。
こういった環境づくりを行うことで、数字意識を育むことができ、組織として成長できるのではないかと思います。

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