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「ぷりんクルーズ」がオープン1周年記念のハンカチを発売!利用者の皆さまによる包装も含め、オリジナルにこだわった自信作です。

2023年6月23日、オリジナルのプリンブランド「ぷりんクルーズ」が1周年を迎えました。1店舗目となるテイクアウト専門店が埼玉県和光市にオープンしたあの日から1年。何か記念になることをやりたいね、ということで、オリジナルのハンカチを製作することに。素材はなんと「和紙100%」! 染料も独自に調合した「ぷりんクルーズカラー」で、イラストは支援員が描き下ろし。梱包は利用者の皆さんで――と、みんなで力を合わせ、心をこめて作りました。その過程をご紹介します。


地元に愛される「おいしいプリン屋さん」を目指して

 「ぷりんクルーズ」を運営するのはcreW株式会社。WOOOLY株式会社の100%子会社で、オリジナルブランドのプリンを提供しています。代表の佐藤はこの1年で、「より多くのお客様に広く知ってほしいという当初の思いに加えて、地元の人たちに愛されることの大切さを知ることができました」と振り返ります。
「おいしいプリンをのせて海に出て、たくさんの人の元へクルーズしていこう、という思いで始めた『ぷりんクルーズ』。オンラインショップを展開したり、業務用のお話も受けたりと、広げていくための努力を続けてきました。と同時に、開店以来、お客様やスタッフと接するうちに、『ぷりんクルーズ』のような店がここにあるという安心感も大切にすべきだと思うようになりました。職場や家族からの口コミで買いにきてくれる方も多いんですよ。就労先というだけでなく、シンプルに『地元のおいしいプリン屋さん』として定着できていることも、本当に嬉しく、ありがたいですね」

1周年記念のオリジナルグッズはハンカチに決定!

「ぷりんクルーズ」では1周年を記念して、新メニュー「抹茶プリン」と「カフェオレプリン」を開発。さらにオリジナルグッズの製作にもチャレンジしました。
「ノベルティグッズを作ることも考えたのですが、そうした一過性のものではなく、質の高いものをきちんと作って、ちゃんとした値段で買っていただいて、ずっと大切に使ってもらった方が、私たちの思いをしっかりと届けられるのではないかと。ハンカチを選んだのは、日々の生活の中で使うものなら、ふとしたときにお店のことを思い出していただけると考えたからです」

 素材は和紙100%のサステナブルな「WASHI-TECH」で

「大判のハンカチならお弁当を包んだりできていいな」「せっかくだから何か特別感のあるものに」などと思いを巡らせているうちに、偶然知ったのが、「WASHI-TECH」という和紙100%のファブリック素材でした。
「植物から作られる和紙は、土に還るサステナブルな素材です。その和紙でファブリックを作り、ファッションの世界で環境問題に対して行動している『WASHI-TECH』と、障がいのある人もない人も共に生きる基盤を広げ、未来につなげようとしている私たちの取り組みに、共通の思いを感じました。和紙100%という珍しさも、記念のグッズにふさわしい。シャリ感のある爽やかな素材感も、一周年を迎える6月にぴったりでした」

カラーは海をイメージしたオリジナルの「紺碧」ブルー

 さらに今回は、ハンカチを染める染料も、調合から行いました。
「creWという会社名は、船のクルー、乗組員という意味です。ぷりんクルーズはそこから派生して、障がいのあるなしに関わらず、みんな同じ船に乗って、おいしいプリンとともに広い海へこぎだそう、というイメージ。だからハンカチも、海を思わせる青にしたいと思いました。でも、ひと口に青といっても、薄い水色から濃い紺色まで、いろいろあるんですよね。あれこれ試行錯誤して、これだ!という色にしました。色の名前は『紺碧』。日本古来の色の名前から選びました」

幸せを運ぶカモメのイラストは支援員が描き下ろし


紺碧カラーのハンカチには、スプーンを加えたカモメがあしらわれています。実はこのイラスト、WOOOLY上尾事業所の支援員である齋藤によるオリジナルなのです。美大出身で、デザイナーとして仕事をしていた齋藤は、まったくの未経験から、福祉の世界に飛び込みました。
「発達障がいをもつ長男の存在がきっかけでした。引きこもり支援、障がい者支援、作業療法、商品開発という、やりたいと思っていたことを全部やれるのがWOOOLYだけだったんです。今回のハンカチ制作でも、佐藤さんに『私たちの思いをわかってくれている齋藤さんだから描けるものを』と言われて、それなら、と。
『ぷりんクルーズ』のロゴにあるカモメを元にしていろいろと描いていくなかで、ふと、プリンを食べるスプーンをカモメにくわえさせてみたんです。そういえばヨーロッパでは結婚式や出産のお祝いでスプーンを贈る習慣があったなぁと思い出して、意味を調べたところ、銀のスプーンには『幸せをすくう』という意味があるとわかり、イメージがつながっていきました。幸せをすくう道具を持ち、困っている人、助けを必要としている人のもとに、軽やかに羽ばたいていく支援員さん。それが、このハンカチのカモメです」

みんなの思いをのせて! パッケージにもひと工夫

 ぷりんクルーズのメッセージがしっかり届けられるよう、パッケージデザインにも工夫を凝らしました。ハンカチのギフトといえば箱に入れた包装が一般的ですが、今回は、「親しみやすさを感じてほしい」と、お手紙をイメージした封筒のパッケージに。封の部分を開くと、そこにカモメのイラストとともにメッセージが現れる仕掛けになっています。大海原をスイスイと飛ぶカモメの姿は、受け取ってくださった方々をきっと笑顔にするはず。

梱包はWOOOLY利用者さんがひとつひとつ丁寧に

今回のハンカチの梱包は、WOOOLY事業所で、利用者さんがひとつひとつ丁寧に行ないました。WOOOLYでは普段から、利用者さんそれぞれのペースに合わせてさまざまな作業を担当していただいています。梱包やメッセージ書きもそのひとつで、店頭で販売している石けんなどの梱包や、そこに添えるメッセージを書く作業も、利用者さんの手で行われています。
「利用者さんが楽しんで仕事に取り組むことで、自然にできることが増えていって、自信につながっていく。その好循環が大切だと思っています。ハンカチの梱包も、いつも通り丁寧に作業してくださっています」

オリジナルハンカチはオンラインストアと店舗で購入可能

こうして出来上がったオリジナルハンカチは、「ぷりんクルーズ」店舗のほか、オンラインストアでも販売します。さらに、WOOOLYの他の事業所にも置くことを検討中。
「勤労継続支援B型事業所として、さまざまなお仕事を提供しているなかで、『プリンの製造販売もやっている』ということが広まっていけば嬉しい。ストーリーもしっかり伝えたいですね」
ハンカチの価格は1枚3,600円。ギフトにもおすすめです。*2023年9月現在

プリンとハンカチの向こうに描く未来とは?

ぷりんクルーズ運営責任者の佐藤

「ぷりんクルーズ」1周年を記念して始まったオリジナルグッズ作り。その製作過程は、「ぷりんクルーズ」の、ひいてはWOOOLYの目指す未来を改めて確かめる道のりでもありました。
「『ぷりんクルーズ』のプリンは、地元に根ざしたテイクアウト専門店ということもあり、どんな人が作って、どんな人が食べているのかが、お互いによく見えるんです。そして、関わっている人みんなが、商品を愛してくれている。それは、もの作りにはすごく大切なことだと思うんですよね。ものを、人を、そこにあるストーリーを “知る”ことで、理解が広まり、未知からくる壁も取り払われていく。私たちはプリンの向こうに、そんな未来を描いています」