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むかし書いた韓国コラム 乗り物編

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「むかし書いた韓国コラム」から乗り物に関するものをピックアップしてみました。
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2022年4月の記事一覧

むかし書いた韓国コラム #508

 格安航空のティーウェイ航空が仁川と中国・寧夏回族自治区の銀川を結ぶ定期路線を就航させる。銀川とは見慣れない地名かもしれないが、少し前にネットニュースでちょっと話題になった。  銀川の空港コードは「INC」で、仁川の「ICN」と似ている。それだけでなく、銀川の発音は「インチュァン」で、仁川の「インチョン」と似ている。そのため航空券購入時に間違われることがあり、仁川に行くつもりが銀川に着いてしまい呆然とする人が続出したというのだ。ネットニュースでは、こうした人を救済するために

むかし書いた韓国コラム #498

 KTXを利用する際はグリーン車に当たる特室を利用し、座席は1人掛けを選ぶようにしている。数年にわたるこの習慣の結果、ひとつの重大な事実に気付いた。常に同じ側の車窓風景しか見られないということだ。ソウル発だと釜山方向に向かって左側が1人掛け座席だ。帰りの便ではソウルに向かって右側が1人掛けになる。列車の進行方向は変わるが車両自体の向きは変わらない。1人掛けに座り続けると東側の風景しか見られないのだ。高速バスの場合、常に進行方向右側が1人掛けの座席となるので、同じ席に座っても行

むかし書いた韓国コラム #487

 9月からソウル市内の法人タクシーのドライバーに制服の着用が義務付けられるそうだ。2011年に服装が自由化されてから6年ぶりの復活となる。格式に合わせた制服の着用によりサービス向上と乗客に信頼感を与える狙いがあるのだとか。ソウル市内の法人タクシーのドライバーは3万5千人に上り、制服を支給するのに初年度だけで市の予算16億ウォンが投じられるという。  さんざんタクシートラブルに見舞われている身としては、制服の着用義務付けがサービス向上につながるとは到底思えない。制服があっても

むかし書いた韓国コラム #477

 今月末からKTXが仁川空港鉄道に乗り入れる。これにより釜山や光州などからKTXでダイレクトに仁川空港に行くことができる。空港鉄道線内での高速走行はしないので、ソウルから仁川空港までの所要時間が短縮するわけではなく、ソウル在住者にとってさほどのメリットは感じられないが、竜山駅から利用できようになるので居住地によっては利便性が高まる。  空港行きのKTXはソウル駅の地平ホームを発着することになる。これはメリットと言えばメリットか。空港鉄道のソウル駅は地下7階にある。大きな荷物

むかし書いた韓国コラム #472

 三菱リージョナルジェット(MRJ)が11日に初飛行に成功した。日本の国産旅客機開発はYS11以来半世紀ぶりという。日本の航空会社をはじめ複数の航空会社から受注を集めており、本格的な営業路線への投入が待ち遠しい。座席数100席に満たない小型機だが航続距離の面から短距離国際線への就航も可能だ。日韓路線でも地方路線への投入が期待できるかも知れない。  まだ韓国の航空会社にMRJを発注したところはないが、戦後初の国産旅客機のYS11はかつて大韓航空で運航された実績がある。韓国国内

むかし書いた韓国コラム #459

 今月中旬から営業運転を開始した新型特急「ITXセマウル」に乗車する機会があった。従来型のセマウル号は、普通席でも広いシートが特長で、特室はさらにゆったりとしているため、時間に余裕があればKTXよりもセマウル号に好んで乗っていたもの。新型車両は残念ながら特室はなくなってしまい、全車普通席となってしまったのでさほどの期待もしていなかったが、実際に乗ってみるとKTXの普通車よりも広く、リクライニングもKTXより深く倒れるので窮屈な感じはしなかった。  KTXの開業で京釜間のセマ

むかし書いた韓国コラム #458

 そろそろ春の行楽シーズンだ。ならば旅の計画でも立てようかと時刻表を買いに行ったら、なんと昨年廃刊してしまったという。鉄道文化旅行社が刊行していた300ページほどの「月刊観光交通時刻表」は鉄道からバス、飛行機、船と韓国の国内交通を網羅する優れものだった。ひところ精力的に各地を旅したものだが、かばんに1冊入れておくと非常に重宝した。  いまやデジタル時代で、サイトで時間をチェックし、ついでにチケットの予約までできてしまうが、紙の時刻表は必要なページに指を挟みながら乗り継ぎを

むかし書いた韓国コラム #431

 週末に列車で釜山に出かけた。韓国の鉄道から改札がなくなって久しい。ネットでチケットを購入すれば、携帯電話のショートメッセージでチケットが送られてくる。あるいはサイトから自分でチケットをプリントしても構わない。車掌も端末機でチェックしているので、指定された座席以外のところに座っていたり、電算システムにトラブルが発生しない限りは車内での検札もない。目的地に着いたあともチケットは回収されないので、うっかりなくしてもまるで問題はない。最初はチケットが手元にないのが不安だったが、チケ

むかし書いた韓国コラム #425

 来月2日に開業する湖南線KTXの速達性をめぐる問題が浮上している。開業すれば竜山から光州松汀まで最速1時間33分ということになっている。しかし最速で走る列車は1日1往復しかなく、ほとんどの列車が2時間ほどかかるのだ。最速の列車は途中駅には停車しない。実は同様のケースは京釜線KTXでもある。ソウル~釜山の最速列車は2時間17分で、これも途中駅には停車しない。そして本数も1日1往復しかない。ほとんどの列車が2時間40分台で走っている。湖南線も京釜線も最速列車が1往復しかないとい