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むかし書いた韓国コラム 乗り物編

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「むかし書いた韓国コラム」から乗り物に関するものをピックアップしてみました。
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2021年11月の記事一覧

むかし書いた韓国コラム #53

 25日から運行を開始したプレミアム高速バス。初日に早速乗車してきた。今回乗ったのは光州発午後1時の便。車内は飛行機のビジネスクラスのような席が並ぶ。座席はフルフラットに近いレベルまでリクライニングでき、横になって眠りながら移動が可能だ。ただ身長が高い人には足元の奥行きが足らずやや窮屈かもしれない。1人掛けの席は通路側にカーテンがあり、締めてしまえばプライベートな空間ができあがる。2人掛けの席も中間にカーテンがあるので見知らぬ人同士が隣り合っても気にはならないだろう。個人用の

むかし書いた韓国コラム #44

 ソウルに広島からちょっと珍しい贈り物がやってきた。蘆原区の京春線旧花郎台駅に整備されている鉄道公園向けに、広島電鉄から路面電車の車両が無償譲渡されたもの。もとは大阪市電として走っていた車両だ。今月初めに現地に運び込まれ展示されており、将来的には公園と最寄駅の花郎台駅間700メートルを走るようになるそうだ。ソウルにもかつて路面電車が存在していたが、1968年に廃止されている。当時の車両はソウル歴史博物館などに保存されているが、走行可能なものは現存していない。今回はソウルで晩年

むかし書いた韓国コラム #41

 久しぶりに関釜フェリーに乗った。夕方6時過ぎに乗船し9時に釜山を出港、翌朝8時前に下関に到着する。船内で長時間過ごすことになるが、飛行機と違い安全ベルトに縛られっぱなしではなく、空を飛ぶわけではないので耳ツン現象もなくなかなか快適だ。船内にはレストランがあり、有料だが機内食よりしっかりとした食事を楽しめる。大浴場があるのも大型船ならではだ。2等席は10人1部屋で布団の幅も63センチとなかなか窮屈だが、乗船した日は客も少なく2人分のスペースを使えたのは幸いだった。  朝下関

むかし書いた韓国コラム #34

 地下鉄は駅によって方向別に改札が分かれているケースがある。うっかり目的地とは反対方向のホームに入ってしまった場合はどうすべきか。交通カードで入場したので出てしまうと基本料金が引き落とされてしまうのか? そんなことを考えながら駅のトイレで用を足していたら、目の前に「ソウルメトロの常識」なる掲示物があるのが目に入った。  その掲示物によると、方向を間違えて改札を入った場合でも、「乗車→下車→乗車」がすべて同じ駅、同じ改札口で、5分以内に行われた場合、交通カードでは乗り換え扱い

むかし書いた韓国コラム #31

 地下鉄やバスに乗る際に愛用している電子マネーの「Tマネー」をなくしてしまった。これがないと地下鉄に乗るのも不便だし、乗り継ぎ割引も受けられないので買い直すことにした。  日本ではカード型が主流の電子マネーだが、韓国は携帯電話のストラップに使える小型のものも多く出回っている。これまでは幾何学模様のデザインの小型タイプを使っていたが、お店で見せてもらうとキャラクターの絵が入ったものや、形状自体が「リラックマ」や「キティちゃん」などの顔になっているものもあった。こういうバリエー

むかし書いた韓国コラム #14

 スマホ全盛時代。電車に乗れば座っている客も立っている客もほとんどがスマホに見入っている。韓国では電車の中で物乞いをする人を見かける。以前に比べると少なくなったようだが、先日も片手にお金を入れるザル、片手に杖を持って車内を歩く物乞いの女性を見かけた。平日の昼下がりで車内の座席はほぼ埋まり立ち客が数人いる程度。なんとなく車内の様子を眺めていたが、物乞いが目の前を通っても乗客はみんなスマホに集中し一瞥もくれない。スマホはおろか携帯電話もない時代にはみんな物乞いの存在に気付きそれな

むかし書いた韓国コラム #8

 金曜日の夜に遅くまで飲んでしまった。終電もなくなった時間だ。タクシーもつかまらない。そういえば深夜バスができたと聞いた。調べてみると自宅近くを通るバスが10分後に来るという。これ幸いとバス停に急ぐ。  待つことしばし。バスがやってきた。しかしバスは超満員。通勤ラッシュ時以上の混雑ぶりだ。後方の降車ドアは開けたが、前方の乗車ドアは開けてくれなかった。いや、開けられないほど乗客があふれていたのだ。開けられたとしても乗ることはできなさそうだった。降車ドアからは数人が降りたが、そ