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むかし書いた韓国コラム #8

 金曜日の夜に遅くまで飲んでしまった。終電もなくなった時間だ。タクシーもつかまらない。そういえば深夜バスができたと聞いた。調べてみると自宅近くを通るバスが10分後に来るという。これ幸いとバス停に急ぐ。

 待つことしばし。バスがやってきた。しかしバスは超満員。通勤ラッシュ時以上の混雑ぶりだ。後方の降車ドアは開けたが、前方の乗車ドアは開けてくれなかった。いや、開けられないほど乗客があふれていたのだ。開けられたとしても乗ることはできなさそうだった。降車ドアからは数人が降りたが、それ以上の客が降車ドアから乗り込んだ。次のバスは40分後だからみんな必死だ。前方でドアが開くのを待っていた当方は結局乗ることはできず、あきらめて歩いて帰った。

 深夜バスの需要は多そうだが供給は追いついていない。しかし増便も簡単ではないだろう。深夜バスができたからと安心せずに終電前に帰るよう心がけるのがいちばんいいようだ。

【解説】
 幸いなことに当時は鍾路から歩いて30分ほどのところに住んでいたので、40分もバスを待つくらいなら歩いた方が早かった。ソウルは都心部から徒歩圏内でもお手頃な家賃で住めたので終電を気にせず飲めたが東京ではそうはいかないだろう。タクシー料金も韓国は安かった。飲み会も二次会、三次会と進んで日付が変わってから解散することも日本にいる時よりも多かった。

(初出:The Daily Korea News 2014年8月25日号 note掲載に当たり解説を加筆しました)

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