子どもの基礎体力を上げる教室(36の基本動作)
幼児期運動指針の概要
文部科学省の「幼児期運動指針」では、幼児期の運動の意義を以下の5つとして挙げています:
体力・運動能力の向上
健康的な体の育成
意欲的な心の育成
社会適応力の発達
認知的能力の発達
これらの意義は、子どもたちの全体的な発育と成長にとって非常に重要です。しかし、現代の子どもたちは、社会環境や生活様式の変化により「遊ぶ場所」「遊ぶ仲間」「遊ぶ時間」が減少し、体を動かす機会が少なくなっていると言われています。この減少は、子どもたちの発育・発達に直接的に悪影響を与える可能性があります。
幼児の運動能力の現状
1985年と2007年の幼児を比較した研究では、2007年の5歳児は1985年の3歳児程度の動作発達段階であり、2007年の小学3・4年生は1985年の5歳児程度の動作発達段階だったと報告されています。このデータは、現代の子どもたちの運動能力が過去と比べて低下していることを示しています。
36の基本動作
中村和彦先生によって推奨されている36の基本動作は、以下の3つに分類されます。
バランスを取る動き(例:立つ、浮く)
移動する動き(例:歩く、くぐる)
操作する動き(例:投げる、掘る)
昔の子どもたちは、遊びの中で自然にこれらの動きを身につけていました。しかし、現代では多くの子どもがスポーツクラブで特定のスポーツだけを行うため、動きの多様性が減少し、バランスよく基本動作を身につける機会が減っています。
外遊びの重要性
外遊びは、子どもたちが36の基本動作を自然に習得するための最適な方法です。外で自由に遊ぶことで、子どもたちは多様な動きを経験し、好奇心を育み、社会性を発達させることができます。
体操教室Beesの取り組み
体操教室Beesでは、レッスン後に公園でクラスの仲間と遊ぶ時間を設けています。この時間には、かけっこや土にお絵かき勝負などの活動を行い、友達同士のコミュニケーションを深めるとともに、外遊びを通じて多様な動きを楽しむ機会を提供しています。
結論
幼児期における運動は、子どもたちの全体的な発育・発達にとって非常に重要です。現代の子どもたちが多様な動きを経験するためには、外遊びが欠かせません。家庭や教育機関は、子どもたちが自由に遊び、36の基本動作を自然に身につける機会を増やすための環境作りに努める必要があります。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?