ことば遊びとショートショート34『メトロナポリタン』
パスターミナルに降り立つと、湯気と活気で溢れていた。
ここは夢追い人が集まる大都市スパゲシティ。
この街でスープパースターになるのが俺の夢だ。
駅前広場で相棒のテレパスターに麺を張り、毎日俺は歌った。ストレートで芯の残るアルデンテソングだ。
が、誰も見向きもしない。人々の興味は駅前のビジョン。歌姫ポリタンナだ。
彼女の歌は俺と対照的だ。芯のないソフトな歌声。それでいて懐かしい気持ちにさせる不思議な魅力。
いつか彼女と歌いたい。俺の夢は膨らんだ。