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400字ショートショート

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400字のショートショートまとめです。 400字という限られた字数内で、ワクワクする物語、ことばのリズム、ことば遊びを織りまぜた体感できる読書体験を目指しています。 どうか楽しん…
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#短編小説

【毎週ショートショートnote】理科室まがった

ある中学校の理科室が曲がるという異変が発生。 扉も捻れて中に入れない。 「俺様はリカデビ…

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【毎週ショートショートnote】だんだん高くなるドライブ

「今からゲームしない?」 後部座席の松田が言った。 「どんな?」 助手席の竹下。 「制限時…

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【毎週ショートショートnote】ダウンロードファーストクラス

「ファーストクラスに俺は乗る!」 高一の春、空道青年は決意し、ファーストクラス同好会を立…

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【毎週ショートショートnote】ヘルプ商店街

「助けて、ひったくり!」 アーケード商店街に犯人は逃げ込んだ。 『ここを突っ切れさえすれ…

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【毎週ショートショートnote】名探偵ボディビルディング

ボディビル養成合宿の責任者ジムが、浜辺で死んでいるのが発見された。 以下、合宿参加者の証…

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【毎週ショートショートnote】ネコクインテット

【今宵、虎猫美術館より『天使の猫鍋』を頂戴する】 「また、キャッツ5の予告状か」 犬のお…

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【毎週ショートショートnote】噛ませ犬ごはん

俺がこのキッチンの王だ。 朝は目玉焼き、昼は焼きそば、夜はステーキ。 休む暇もない。 夜の洗い物が終わり、やっと俺は忙しさから解放され、壁にかけられた。 「今日も作った作った」 「和洋中と引っ張りだこだね」 壁にかけられたヘラが、ヘラヘラいう。 「俺なしじゃ、ここの食はまわらないからな」 「おい、まただぜアイツ」 ヘラの視線の先では、主人がアイツに油を塗って、熱している。 「毎晚、オイルマッサージとはいい気なもんだぜ。現場にでろっての」 「それな」 ある日のことだっ

【毎週ショートショートnote】大増殖天使のキス

地獄で大問題が起きている。 「いたぞ!」 鬼たちが血の池に集まっていた。 「やっぱり、エン…

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【毎週ショートショートnote】失恋墓地

「恋心、届いていませんか?」 『お相手は?』 「ゴトウ モサフミです」 『確認します』 こ…

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ことば遊びとショートショート46『コールドラッシュ』

 地上の水源は尽きかけていた。  その頃、地下水探査隊が氷の塊を発見した。貴重な水を確保…

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ことば遊びとショートショート45『フェイクシー』

「海だ!」  寂れた船着き場で青年は歓喜した。 「残念だが、これはフェイクシー、人工の海…

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ことば遊びとショートショート44『タイムミシン』

 妻の運転する車に乗る夫。 「なぁ、下から変な音がきこえないか?」 「この車は、タイムミ…

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ことば遊びとショートショート43『Soretender』

 肌と髭のラブストーリー。  僕は毛穴を通り、その肌と出会った。  感情のない髭剃り。剃…

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ことば遊びとショートショート42『グラスホッパー』

 クリスタルの草原に風が吹く。  涼しげな音色。 「お待ち下さい~」 『捕まえてみぃ』  この地に生息するガラス製のグラスホッパーたちの声。  透明なトノサマバッタを、彩りみどりのイナゴたちが追う。 「きゃっ」  赤いイナゴが砕けた。 『どうした』 「着地をドジったんですわ。きゃっ」  今度は青。 『はっ!伏せろ!』  ぱりんぱりんぱりん。  白、緑、黄色。  ギロッ。擬態していた八面体の顔がトノサマをにらみつける。  ダイヤモンドオオカマキリだ