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『好きで得意な事を自分の軸にすると、様々な人とのつながりが生まれる』FutureEdu Tokyo 共同創設者/Mistletoe 株式会社フェロー 竹村詠美さん

教育、テクノロジーとソーシャルインパクトをテーマに、次世代育成のため幅広く活動されている竹村詠美さん

マルチに何個もお仕事をこなす印象が強い詠美さんから、インプットアウトプットの両軸も忘れず、想いのままに動くための方法まで幅広く伺いました!

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竹村詠美さん(写真中央):FutureEdu Tokyo共同創設者、Mistletoe株式会社フェロー。1990年代前半から経営コンサルタントとして、日米でマルチメディアコンテンツの企画や、テクノロジーインフラ戦略に携わる。1999年より、エキサイト、アマゾン、ディスニーといったグローバルブランドの経営メンバーとして、消費者向けのサービスの事業企画や立ち上げ、マーケティング、カスタマーサポートなど幅広い業務に携わる。2011年にアマゾン時代の同僚と立ち上げた「Peatix.com」は現在27カ国、300万人以上のユーザーに利用されている。現在は教育、テクノロジーとソーシャルインパクトをテーマに、次世代育成のため幅広く活動中。現在 Most Likely to Succeed日本アンバサダー、Peatix.com 相談役、総務省情報通信審議会、IoT新時代の未来づくり検討委員会、大阪市イノベーション促進評議会委員なども務める。小・中学生二児の母。

『人生は綱渡りのようなもの』

WI大山:ご経歴を拝見し、ビジネス、テクノロジーと幅広くお仕事されてきた印象を抱きました。今は教育ベースにお仕事されている気がするのですが、当時の詠美さんにとっての進路選択の方法を教えて下さい!

詠美さん:ビジネスを学べる商学部か、もしくは経済学部で学びたいという気持ちが強かったんです。結果的には数学が得意だったこと、どことなく興味があったので、親の勧めで慶応の経済学部に進学しました。

大学時代はとにかくテニスに没頭していて、テニスだけではない自分について知りたくてシアトルに留学しました。そこで初めて言葉が通じず自分の意志を伝えられない苦しみを味わい、相手への伝え方を真剣に考えるようになりましたね。人との関わりを意識したことで、自分自身がより見えるようになった気がした経験でした。

人生は綱渡りのようなもので、一生懸命取り組んでいるころから思ってもみなかった次の新たな興味が見えてきます。私の場合はテニスで培った体力で走り続けてきた感じですね(笑)。

船川:1年間の留学生活の中で、異文化や語学の部分で苦しかった時期もおありだったと思います。どのように乗り越えられたのでしょうか?

詠美さん:
辛い時期はありましたし、挫折する人は多いですよ(笑)。私の原動力は「絶対バイリンガルになりたい」という強い想いでした。現地では、日本語を使わず英語を使うように意識していて、言語ではない料理やダンスで自己表現し、それらを通じてコミュニケーションを図っていました。言語の壁が自分の前に立ちはだかっても、言語以外でもコミュニケーションは取ることができます。得意な事がある人は、辛さを乗り越えやすいかもしれないですね。

トルコ留学

トルコに卒業旅行に行かれた際の詠美さん(右から2番目)

自分の中でザワザワしていることをやる

WI座間:当時のご自身にでもいいのですが、ウーマンズメイン読者の高校生・大学生に向けてアドバイスを頂きたいです!

詠美さん:自分の中でザワザワしていることをやってほしいですね。そこに結論を出してどんどんトライしていけば、もし違ったと思ってもスッキリするんです。「後でやろう」という考えを持つより、学生時代はとにかく自分がやってみたいことをやる余白の時間、誰にも干渉されない時間を取ってほしい。

これからの時代は面白い人が活躍すると思うんです(笑)。面白い人は“自分が心の中から湧き出たこと”に真剣に取り組み、このステップを踏んでいる。深みをもって何かに取り組まなければ、応用できません。ある一定のサイクルの目標を決めて時間を確保し、深く探求する。この学びは他の分野までに点と点のように繋がっていきます。これらを今のうちからストックできたら強いですよ。

『最後の踏ん張りが後からじわじわ効いてくるから「立つ鳥跡を濁さず」を意識する』

WI植之原:今のミレニアム世代で、詠美さんが面白いと感じている方はいらっしゃいますか?

詠美さん:3人います。1人目は、 MITメディアラボの研究員をなさっている片野晃輔さん。彼はストイックで、自分のやりたいことに情熱を注いでいますよね。

2人目に、日本最年少でヒマラヤ登頂を達成された南谷真鈴さん。傍から見るとあまり大変さを感じずサラッとなさっているように見えますよね。でもその裏には、私たちからしたら想像も及ばないほどの努力をされているんだろうなと感じさせる点にも惹かれます。

もう1人、世界中が熱狂している今年の全米オープンテニスで日本人初の決勝進出を決めた大坂なおみさん(取材時)。彼女もサラっとスターになったように見えますが、陰では南山さん同様の努力されている姿を感じさせられるので、かっこいいなぁって(笑)。好きで得意な事を自分の軸にすると、様々な人とのつながりが生まれてくるように思います。

WI大山:先ほど仰っていた「ある一定のサイクルの目標を決めて時間を確保し、深く探求する」という言葉が、心に刺さりました。社会に出てから学生時代の経験が繋がったと感じた出来事があれば伺いたいです。

詠美さん:数え切れないほどあって、「立つ鳥跡を濁さず」という意識はどんな時も持つようにしています。様々なことをやっているとやりきらずに終わってしまう人は多いけれど、最後の踏ん張りが後からじわじわ効いてくるんです。自ら決めた役割はたとえ辛くても諦めずに果たし終えた経験、そしてリフレクションすることで次に生かされる。

いつどこで、またどういった関係で再会するか分からない。どのような年齢や立場の人であっても対等な気持ちで接することや、リスペクトされたらそのリスペクトに対してしっかり自分の持ち場をやり遂げる責任感。当たり前のように聞こえるかもしれないのですが、意外とできない人が多いんです。このサイクルを繰り返していけば、気付かぬうちに道は開ける。このことを信じて、実行してほしいですね。

『子どものおかげで、自分のキャパが広がった』

WI林:やりきる、やり抜くことを徹底されてきた気がしました。様々な物事に興味を持たれていると思うのですが、新たな興味を見つけられた時に気持ちの変化はありますか?

詠美さん:幅広く興味を持つタイプなのですが、物心ついた時から探求することが好きですね。例えばインターネットに興味を持ち始めた頃は、勉強会等に積極的に参加し、Excelについて探求していました。

小原:今日は詠美さんのライフスタイルも伺いたくて、2人で生きるという子どもを産まない選択肢はありましたか?

詠美さん:30歳頃までは子どもが欲しいと思えなかったけれど、子どものいる人生といない人生を考えるようになって。子どもがいる人生に魅力を感じるようになってきてその時期に産みました。もともとは小さい子どもがあまり好きではないタイプだったんですよ(笑)。

結果的に授かることができて、子どもから学ぶことは数え切れないほどあります。子どもの存在が、自分の人生を豊かにしてくれた気がしますね。人それぞれ様々な選択肢があると思うので、一概には言えないけれど私は自分のキャパが広がりました。大変なことは多いのですが、プラスの面が圧倒的に大きいです。私は、子どものおかげで子どもが好きになりました。

WI大山:ご自身の好奇心に素直で、その矛先に全力で向き合われている姿に惹きつけられた時間でした。ありがとうございました!

(取材:植之原里沙・大山友理・小原ゆゆ・座間琴音・清田真尋・林明李・船川純、文:座間琴音、構成・編集:大山友理)

Women's Innovation前HPブログ掲載記事を再編集(2018年9月7日取材)




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