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【アメリカ】 グリーンカードに当選! 面接で活躍したモノとは? 【THE WAY】

こちらは2020年3月に公開した記事です。

WOMENCANFLY.COの連載企画「THE WAY」では、毎月海外で暮らす女性を紹介しています。

今回紹介するのは、アメリカカリフォルニア州サンディエゴで暮らす中野侑子さんです。2017年に旦那さんと一緒にアメリカへ移り住んだ侑子さん。同年、夫婦二人で応募した「グリーンカード抽選プログラム」に当選し、2019年にアメリカの永住権を得ました。結婚、渡米、そして永住……この4年で暮らしも気持ちもめまぐるしく変化した侑子さんに、たっぷりお話を伺いました!

当選確率0.7% アメリカグリーンカードロトとは?

侑子さんは今、アメリカ カリフォルニア州最南端の街 サンディエゴで暮らしています。海外に興味があった旦那さんの希望で、結婚したその年に移住しました。

渡米してすぐに二人で応募した「グリーンカードロト」に、なんと一発で当選! 二人はアメリカ永住を決め、全く予想していなかった人生をスタートさせます。

「グリーンカードロトというのは、アメリカで毎年行われる永住権取得のための抽選です。当選すると、永住に必要な『移民ビザ(通称、グリーンカード)』を取得することができます。」

毎年約5万人が当選するといわれていますが、侑子さんは「当たるわけないだろう」と思っていたそう。それもそのはず、当選確率は約1%! 10年以上応募を続けている人もいるのです。

「当選したとわかったときは本当に驚きました。でも、当選からの面接や手続きにかかる時間がとても長かったんです」

当選すると、まずは当選番号順に面接を受けるのだそう。

「面接では結婚のことについてかなり詳しく聞かれました。どこで出会って、どのくらいの頻度でデートに行って、いつお互いの両親に会ったのかなど。もう覚えていないようなことです。家族の誰かが永住権を得るとその家族も一緒に永住権を得るため、婚姻関係を証明する必要があります。念のために持っていった結婚式のフォトブックが意外と役にたちました」

必要な書類や証明書、手続きも膨大です。2017年に当選が確定し、実際にグリーンカードを取得したのは2019年。2年に及ぶ長い道のりでした。

グリーンカードを得ると、次のようなメリットがあります。

・いつでも就労や就学、起業ができる
・授業料が現地の学生価格になり、学生ビザを使うより安く受講できる
・アメリカの社会保障や公共サービスを受けることができる
・移民ビザを得て5年が経過すれば市民権を得ることができる など

「旦那は今大学に通っているのですが、もともと学生ビザをつかって受けていた1セメスター(4ヶ月)4,800ドルの授業が、グリーンカードを得たことで1セメスター500〜1,000ドルになりました!」

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アメリカでも働きたい! 専業主婦に向いていない私

侑子さんは渡米する前、日本で歯科衛生士として働いていました。アメリカへの引っ越しを機に退職しましたが、約10年間働いた職場を辞めるのは寂しかったそう。

「夫婦が別々に暮らすことは考えられなかったので、旦那と一緒にアメリカへ行く以外の選択肢はありませんでした。自分の意思でアメリカへ行くというよりは、旦那について一緒に行くという感じだったので、退職は名残惜しさもひとしおでした」

アメリカでの生活が始まると、侑子さんは専業主婦になります。これまでずっと働いてきた侑子さんにとって、「自分の収入がない」状態は辛かったそう。夫婦の財布が1つになり、支出が互いに把握できることに息苦しさを感じることもありました。

「自分の収入がないと、やりたいことがあっても躊躇してしまうことが多くて。気兼ねなく外食したり、買い物したりしたかったですね。私は旦那にクレジットカードの明細を見られるのも嫌だと感じる性格なので、我慢できずにすぐに働こうと決めました」

働く環境が整うまでに時間はかかりましたが、サンディエゴの情報サイトで日本食レストランの求人を見つけることに成功。良い出会いに恵まれ、侑子さんは現在もこのレストランで働いています。

「職場には日本人だけでなく、メキシコ人やフィリピン人などいろんな国の人が働いています。オーナーがミャンマーからの難民をサポートしているので、ミャンマー人も多いです。今では彼らに日本流の接客を指導することもあるのですが、いつも『Yukoが言うことは細かい!』と言われています(笑)」

アメリカでは、手をあげてウエイターを呼ぶ行為はマナー違反。『メニューを閉じたら注文をとりにいく』など、常にお客さんの様子を見て動く必要があります。これまで働いてきた歯科衛生士とは違う仕事ですが、侑子さんには合っていたようです。

「同僚たちがみんないい人だったので、このレストランは私にとってサンディエゴで大切な居場所になっています」

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アメリカには、何歳になっても好きなことをする自由がある

レストランで働き始めて4年目を迎える侑子さんですが、実は一度、歯科衛生士としてのキャリアを求めて転職したことがあります。

歯科助手の資格を取得した方が良いかもしれないと考え、韓国人の友人に歯科医院を紹介してもらいました。しかし働いてみると院長と考えが合わず、2ヶ月もしないうちに潔く退職することに。

「歯科医院で働いた1ヶ月半は心に余裕がもてないほど辛くて、1日中ずっと下を向いていました。もう少し若かったら我慢して続けていたかもしれないけど、34歳にもなってわざわざ苦しい方を選ばなくても良いかなと思い、レストランのフルタイム勤務に戻りました」

侑子さんにとってアメリカの歯科医院で働いた時間は、「自分がやりたいことは何だろう」と自問を繰り返す機会になったそう。そして、本当にやりたいことは何かを見極められるようになったと言います。

「今は『発酵』について勉強したいと思っています。2年前に味噌作りを体験したときに自分で作った味噌が本当に美味しくて、発酵食品についてもっと知りたいと思うようになりました」

侑子さんの友人には、醸せ師(かもせし)という資格をもつ発酵のスペシャリストがいるそう。今はその先生にSkypeをつかったセミナーを企画してもらっているのだとか。「醸せ師」の1つ前のステップである「醸せ人(かもせにん)」を目指しています。

「アメリカの人たちは、勉強したいことがあれば何歳でも学校に通います。それが当たり前のこととして受け入れられているのは良いですよね」

好きなことをして、好きな格好ができるのがアメリカの良いところ。日本の友人から「30歳にもなって……」と驚かれたピンクヘアーも、アメリカの友人には好評だったそうです!

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離れた家族との距離、深まった夫婦の仲

遠いアメリカで暮らしていると、大事な人との別れが急に訪れることがあります。お父様が亡くなったときもそうでした。たまたま早起きした日に家族から訃報の連絡を受け、すぐに日本行きの航空券を手配して帰国したそう。

「アメリカで暮らしていて1番辛いのは、大切な家族とすぐに会えないこと。夫がアメリカ人なら潔く諦めがついたかもしれないけれど、なんで日本人と結婚したのに家族と離れて暮らさないといけないんだろう……と歯がゆく思うこともあります」

大切な家族との別れをきっかけに、「いつでも会える」「次また会える」という考えは一切やめました。侑子さんは毎年日本へ一時帰国をしていますが、どれだけ忙しくても、大事な人には会いに行くと決めています。

一方、アメリカで暮らし始めたことで嬉しい変化もありました。夫婦の仲が縮まったのです。日本にいるときは二人きりで過ごす時間が少なかったそうですが、車社会のアメリカでは二人でドライブする機会が多く、夫婦の会話が増えたのだとか。

「ボディボードという共通の趣味もできました。旦那と一緒にハンバーガーを食べたりコーヒーを飲んだり、特別なことはしなくても、二人で過ごす時間がすごく楽しいです」


さらに、侑子さんにはアメリカにも日本の家族や友人のように大切にしたい友人ができました。クリスマスやハロウィンには、侑子さん夫婦がさみしくないようホームパーティーに誘ってくれる優しい人たちです。

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楽しい職場で働き、気のおけない友人と笑い合い、家族と何気ない時間を過ごす……。幸せに感じることは、日本にいたときと変わらないように感じます。しかし、アメリカに来たことで心はより強くなり、より自由になったよう。そして何より、旦那さんと一緒にお出かけできてとっても嬉しい! と話す侑子さんは、とってもチャーミングにみえました。

日本人であれば、学歴や犯罪歴がないなどの条件を満たすと誰でもグリーンカードロトに応募することが可能です。興味のある方は、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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この記事は、WOMENCANFLY.COのウェブサイトに掲載した記事の転載です。こちら(THE WAY)から、他の記事もご覧いただけます。ぜひ覗いてみてくださいね!

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