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土台を「へんなもの」にする

こんにちは、CHADAです。

映像作家である藤井亮氏の著書「ネガティブ クリエイティブ つまらない人間こそおもしろいものを生みだせる」を読みました。

おもしろコンテンツやへんてこ企画を次々に生み出し、数々の賞も受賞している藤井氏。さぞ愉快な人間かと思いきや彼自身は相当なネガティブ人間だそうです。
しかし、そのネガティブ思考こそが彼の武器であり、彼ならではのおもしろコンテンツを生み出す原動力にもなっているといいます。

この本では、藤井氏が自身のネガティブ思考をどのようにしてクリエイティブに活かしてきたのか、そして、そんな彼がどのような考えを持って数々のへんてこ企画を生み出してきたのかが紹介されています。

新しい仕事を始めるうえで少し自信をなくしていた私には、本屋で出会ったこの本が輝いてみえました笑

読み進める中で「なるほど、確かに…」と深く納得する一方、藤井氏の企画する『へんなもの』のおもしろさに何度も感動しました。

今回はその中でも私が一番好きな企画をご紹介させていただきます。

PiTaPaの記憶イラストリレー

2016年に実施された企画。駅貼りポスターのグラフィック広告を、作家から作家へのイラストによる伝言ゲームで行い、どこまでポスターの元絵を維持できるかに挑戦するというものでした。
錚々たる漫画家・イラストレーターが参加した本企画でしたが、かなり早い段階で、本来の広告意図とは大きくかけ離れたイラストになってしまいます。
しかしその結果、見た人が思わず笑ってしまう10枚のイラストが完成。見事なへんてこ企画となったのでした。

この企画は、藤井氏の「難しい仕事こそ『変な土台』をつくるように心がける」という考え方から生まれたものです。

土台となる世界観、前提、ルールさえ変なものにしておけば、あとはどんなにまじめなことをしても、極端に言えば、ただの日常を描くだけでもおもしろくなるという考え方です。

普通の人間の世界を土台にして、おもしろいものをつくろうとすると、いろいろと無茶をしなければいけない場合があります。しかしそもそもの設定が野菜人間の世界だったら…?
野菜人間がお茶を飲んでるだけでへんてこでおもしろいかもしれません。

記憶イラストリレーも、いざ企画が動き出してみたらかなりハチャメチャな方向に進んでいったわけですが、「記憶イラストリレーはそういうルール」という土台をしっかりつくっていたので、最後まで企画を通すことができたとありました。

自身のことを相当なネガティブ人間だという藤井氏ですが、やはり物事に対する考え方や観察力はプロですね。
ネガティブだからこそ人一倍努力をされてきたのだと思います。

超ネガティブを自認する藤井氏の仕事術と創作論が詰め込まれた「ネガティブ クリエイティブ つまらない人間こそおもしろいものを生みだせる」は、
ネガティブ人間の背中を押してくれる1冊でもあり、企画発案のヒントにもなる1冊でした。

ネガティブ思考にお悩みのあなた、
おもしろコンテンツの発案に苦しんでいるあなた、
ぜひご一読ください。

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