蒼い夜の狼たち

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絵本「蒼い夜の狼たち」 15日に表紙が公開されました。
それと同時にイメージ楽曲「七ツ石の狼、雲を取りに駆ける」の一部公開も。急に事務所へ訪れた課長が「絵本つくってくれる?」と言ったあの日から、1年。
「狼でやっていいから」と言われて引き受けたものの、最初のオーダーは「雲取山のPR」
当初の内容は「三峯神社を目指すため、丹波山村から雲取を越える旅人。道中では様々な困難があるが、知らずのうちに狼に助けられる」といったもので、人間が主人公でした。
実家に帰った時、母に内容を相談すると「つまらない。本当にこれ書きたい?」とバッサリ。「好きにやっていいなら狼を中心にしたい」という意見を引き出してもらい、今の形になりました。

山の空気を鼻腔の奥に呼び起こしながら、それをそのまま文字に変換し続けたものを画家の玉川麻衣さんにお渡ししました。
内容は「再建を目指した中で実際にあった事」を狼の形にした感覚です。
そうして打ち合わせで大まかなイメージを擦り合わせ、七ツ石山に登って光や雰囲気を確認。
玉川さんから送られてくる完成データを1枚ずつ確認する度に、日であたためられた木の香りやすれ違う風の感触。
かつて海の底だった山上の青い夜に、落ち着く土の香りがよみがえります。
この一冊に、我々の中に在った「狼の山」が広がっている。そういう絵本です。
こだわりという言葉では表し切れない、今持てる最上の力で形にしたこの村に実在する「狼が駆ける山」その夜の青。

言葉だけでは到達し得なかったこの物語に、魂に、最良の形を与えてくださった作画の玉川さん。
狼たちの山に風を与え、余韻を大切にしてくださった朗読の雨宮さん。
世界観の奥行を、音で語っていただいた作曲のZUNさん。
本当にありがとうございます。

山に還ろうとした狼の、その最後の遠吠えを私たちは受け取り、その物語が皆さんに繋がりました。

いよいよ完成が近づいた絵本。移住して5年、丹波山村の伝承の最前線。
御縁がありましたら、お手に取っていただけると嬉しいです。


「蒼い夜の狼たち」定価2,200円+送料

先行予約(前払い)六本木「ストライプハウスギャラリー」3F(個展会場) 12月24日17時のギャラリートーク後~26日17時まで。

メールでの予約は会期後、年末に予定しております。来年はネットショップで印伝「狼と塩」と共に販売準備中。

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