18禁古書店の話
18禁とか書いたけれどエロ本専門古本屋の話ではありません。
高校生時代。私は家から自転車と電車を使って1時間と少しかかる遠い学校に通っていた。
最寄駅に親が契約してくれた駐輪場が、駅から少し歩く場所にあり、その途中にその古本屋はあった。
昔ながらのザ・古本屋。まず入り口のそばに横積みにされた雑誌たち。店内には床から天井までの本棚に、ぎっちりと本が詰まっており、コミック、文庫、新書、文芸書。のように、サイズでしか分類されておらず、欲しい本が見つかれば奇跡、じっくり上から(見える範囲で)下まで目視で確認。お気に入りを見つける宝探しのようで、度々学校帰りに寄ってから帰っていた。
その当時から、棚を一箇所入り間違うと、女性の裸満載の雑誌やコミックの表紙が一面並べられているゾーンがあって、おっ……となった覚えがある。
20年ぶりに
私は実家とは少し離れた地区にはなったけれど、今も地元駅付近に住んでいる。その古本屋が今もある事は知っていたけれど、かれこれ20年程立ち寄った事が無かった。
昨日、ふと思い付いて、パートの帰りに寄ってみた。あの時と全く変わらない佇まい。
中に入ってみると、以前よりもめちゃくちゃパワーアップしていた。
棚にびっちりなのは以前と変わらず、棚の下には床から膝の辺りまで横積みになった本。気を抜くと踏んでしまいそうで、気をつけて歩く。
何列かある列のうちのひとつは、カニ歩きしないと通れないほど積み上げた本に阻まれていた。
紙袋に入れたままの本も山ほど積んである。
そこから選んでもいいのかっ? 難易度高すぎて私には無理だけど。
さらに、そびえ立つ文庫本の棚を見ていて振り返ると、背中一面がエロ本面出しコーナーになっていて、また裏の文芸書コーナーの通路挟んで向かいも女性の裸コーナー。グラビアとかそういうレベルではないもの。
宝探し
宝探しのように4冊の本を見つけて来た。50円の本の隣に300円の本がささっていたりするので、店主は何かしらの法則に従って値付けは管理している様子。だけど2020年の運勢の本とか、もう需要なさそうな物もそのまま置いてある。
とにかく宝探しゲーム感がすごい。
差す所が無くても、買取りをしているから、飽和状態なのだろう。
私が抜いた本棚に、なにかまた素敵な本が並べられているといいな。
大型古本屋にしか行った事のない、本好き長女わらびちゃんにその話をしたら、え! 私も行ってみたい! 楽しそう! て言っていたけれど、棚の配置的に18禁だから、やめた方がいいと詳細を伝えてあげた。
あの棚の配置変えるだけで老若男女みんな行きやすくなるのに。と思う。
奥の列に集めればいいのにな。
よけいなお世話だけどね。
だけど、目的の作家さんの本は一冊も見つけられなかった。まあ、当たり前だけど。サイズしか法則がないので、検索という機能は存在しない。
だけど、宝探しでわくわくした。
面白かったので、またしばらくしたら行ってみようと思う。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?