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Come and get it!GOT7のおかげでゾンビから生還した話。前編

 あれは七年前の事

 私は長男もちおを出産してから、ゾンビママになった。3人の子どもたちがベビーから幼児になっても、私は相変わらず干からびたままだった。

 もちろん、子どもたちは相変わらずとびきり可愛いし、インスタなんかで写真をアップしたり、子どもに手作りの服を着せたりして、ママとしての幸せは常に感じていた。

ゾンビになった話はこちら↓


 私は母という生き物になって、自分のことは忘れてしまった。ロックが好きで、産後子育てが落ち着いたらまたサマソニに行きたいな、なんて思っていたけれど、子育ては落ち着いたりなんかしない。その上、3度出産するうちに5年以上経過してガクッと体力は落ち、もう炎天下のフェスになんて行けるはずがないと思えた。そうなると、知らぬ間に興味も薄れて行く。

 しょっちゅう会っていた親友えみちゃんは、電車で1時間以上の所に嫁に行ってしまったので、赤子連れで会うことも難しくなり、ほぼ会えなくなってしまった。
 アクティブなママなら、電車なんてなんのその、で会いに行けるのかもしれないけれど、ゾンビママの私には難しかった。なので、年に数回だけしか会えなくなってしまった。

 その頃の楽しみはテレビとYouTubeだけ。たまたまケーブルテレビで放送されていた韓国のリアリティ番組。芸能人がシェアハウスで共同生活をするものだった。そこに出ていたひとりの男の子が、喜怒哀楽を素直に表現するとても可愛らしい子で。へー、アイドルなんだ、どんなグループなんだろう。と検索をかけたのが始まりだった。

GOT7のジャクソンがかわいくてYouTubeを見始めたのだけど、いくつか動画を見るうちに、私はメンバーのマークにきゅんきゅんしてしまっていた。
 メンバーが余りにも仲良しで、ただ彼らが戯れているだけで嬉しくって幸せな気分になる。
 彼らは多国籍グループで、メンバーには韓国人、アメリカ人、中国人、タイ人がいる。足りないところを補い合っている家族感もたまらなく良かった。ちなみにマークはアメリカ人だ。

 仲良く沼落ち

 同じく子育て中のえみちゃんに、動画のリンクをしつこくしつこく、頭がおかしい程送りつけて、見て見て攻撃を開始。
 えみちゃんは優しいので、しょうがないなあ、見てやるか、という姿勢で見てくれた。かわいいよね、ね、ね?? という私の攻撃に根負けしたえみちゃんが、1人くらい好みがいるかもな……いた!!
 と、なってくれたおかげで。
 私が片足を突っ込んだ沼に、ふたりで見事にダイブする事に成功した。
 えみちゃんは私に最初にきっかけを作ってくれたジャクソンの沼に落ちた。
 そこから私は自分の中に母の人格だけではなく、本来のハッカの人格を呼び戻すことに成功した。
 トキメキ、という100億年ぶりの感覚を思い出した。
 元々何か好きな事が出来るとはまり込むタイプで、リサーチも大好きだった私とえみちゃんは、それぞれにmacの前に座って子育ての隙間時間を使うだけで、瞬く間にヲタクに成長した。
 えみちゃんと常に情報共有をして、マークは韓国語呼びの마크(マク)になり、まるで片想い中の相手のように思いを馳せて、あっという間にリアコ勢に。
 極端すぎるけれど。走り出した気持ちは止まらないのだ。

 その間、夫にはおろか、子どもたちにもオタクになった事実は隠し、YouTubeはこっそり視聴を徹底。
「最近ちょっと気になるグループがいるんだけど」の雰囲気を醸し出していた。

 ゾンビは静かに息を吹き返す……。

 長くなりすぎたので、続きはまた次に。

 後編はこちら↓

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