息子が寝なさすぎて、私がゾンビ化していた頃の話。
今ではそこそこ大きく成長した子どもたちも、まだまだ赤子で、手が掛かっていた頃のお話。
昔は音楽と本が手放せなくて、常にヘッドホンをしていたけれど、妊娠を機に本に集中する事が出来なくなり、音楽を聴く余裕すらなく、ほぼワンオペなのに子どもたちの目の前でヘッドホンをするなんて事はあり得ない生活になった。
服を選ぶのだって、授乳しやすいかどうかが重要、抱っこした時に顔を擦り付けるからネックレスもしないし、引っ張られるからピアスもしない。
何時間も離れる事は不可能だから美容院にも行かないし、ならばもうメイクなんてどうでもいい。
そんな生活を何年もしていると、それがデフォルトになって、行く。
長男は卒乳する頃になるまで、常に2時間半ごとに起きては泣く子だったので、365日と少し、2時間半以上寝られない生活が続いて私はゾンビになった。
その頃は何故か、育児雑誌で見た添い乳は良く無い(←なにか理由はあった気がするけど忘れた)ちゃんと座って授乳しましょう。という理論を信じて疑わなかったので、夜中も2時間半に1度、暗闇の中1人正座して授乳していた。こっくりこっくり、船を漕ぎながら、授乳してそっと細心の注意を払って布団に降ろす。
あの頃添い乳の何が悪い、と思える強い自分がいたら、もっと楽に過ごせたはずだと思うけれど。
初めての育児、不安で絶対に失敗したく無いし、この子の未来は全て自分に掛かっている。
みたいな義務感と使命感に燃えていたので、しょうがない。
今思えば、私頑張っていたなあ、かわいそう、なんて思うのだけど、別にその頃それが辛くて堪らなくて、自分が不幸だと思っていた訳ではない。
息子が可愛くて可愛くて、その存在だけで満たされていたから。
授乳の話に戻るけれど、私には3人の子どもがいて、こうでなければならない、は段々と自己流に、自分勝手になり。
末っ子の授乳期には、添い乳でいつのまにか一緒に爆睡してしまい、長男に、「おかあさん、おっぱい片付けといたで」と言われるくらいにだらしなく緩くなったのである。
それでも末娘はすくすくと成長したし、よく寝る子だったし。
ひとりひとり違うのだから、命に関わる事じゃない限り、正解不正解はないのかも、と思う。
もし今暗闇の中でひとり孤独に正座して授乳しているママがいるとしたら、早く寝転がって! 楽して! と言いたい。
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