ヲキトシヒコ/CRAFT DRINKS

CRAFT DRINKS代表。酒屋、物書きなど。日本人初のNorth American…

ヲキトシヒコ/CRAFT DRINKS

CRAFT DRINKS代表。酒屋、物書きなど。日本人初のNorth American Guild of Beer Writers正会員。たまに東洋経済オンライン等に寄稿しています。読書会したり、本の即売会に出たり。BASEに本屋作りました。Web→ craftdrinks.jp

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    【最新刊】サシノミ2

    今回の対談は… 英国ビール消費者団体会員に聞くビール文化とパブ、場の意義 CAMRA終身会員 目賀田修一さん カメラを通して見つめてきたクラフトビールシーンの10年間 Brewfilm.jp 映像作家 奥村剛さん サシノミとは・・・ 私どもは2015年の立ち上げ以来文筆活動をしており、2019年より出版活動を行って参りました。日々飲み屋や自宅で酔っ払いながら、自分というフィルターを通して見えた世界を綴り、クラフトビールと呼ばれる何かに輪郭を与えようと必死になっておりました。それ自体は特に問題は無いのだけれども、一つ悩ましい問題に突き当たったことをここ最近強く感じます。  様々なことを調べ、考えていくと必ず「歴史的経緯」という、形は無いけれども確実に私たちに影響を与えているものがあることに気付かされます。平たく言えば、恐らくコンテクスト(文脈)ということになるのですが、およそ自明だと思われていることもかつてそうではなかった時代があり、それが何かのきっかけで変化し、転換しているのを知ることはとても意義があることだと思うようになりました。  眼の前の一杯が五感で美味しいと感じるのは事実として、それを「美味しいと感じさせる心的、文化的前提」が何によって構築されているのか。クラフトビールなるものがなんとなく良きものとされる根拠は何か。地ビールはいつクラフトビールになり、内包される意味はどう変化したか。たとえばこんなことを考えるのです。  私自身も社会を構成する一部であり、私というフィルターを通して現出する世界は社会を示すと考える一方で、部分が全体をどこまで正確に示すかについてはあまり自信がありません。私がこれまで書いてきたことは妥当性のあることだと今でも信じて疑わないけれど、それは私という名のフィルターの癖、偏りが多少なりとも含まれるはずです。そこに味があると言われればそれまでだけれども、異なるフィルターを通した時その結果は自ずと異なると理解しておかねばなりません。同じものを見て飲んで感じながらも、全く違った見解を持つ人がたくさんいます。「クラフトビール」という語が持つ意味は各人の持つ今日までの経緯によって異なるというわけです。  クラフトビールは日々の愉しみであったり、ビジネスであったり、社交の道具かもしれません。それが何であろうと良いのですが、しっかりと向き合った人の強い想いは他者を巻き込み、潮流の一滴としてシーンに対して多かれ少なかれ影響を与えていると思います。自分自身の興味関心を深掘りしていくこととは別に、その時々に人々が持った想いに何らかの形を与えて残すことに意味があるような気がしています。  海外の国からやってきた借り物の言葉や感情ではなくて、私たちがその当事者として真剣に思ったこと、それは名もなき市民のことであるから見過ごされがちだけれど、いえ、だからこそ、残しておかねば振り返ることも出来ず、迷子になってしまうことでしょう。いつ役に立つかは分からないものだけれど、必要になった時「あの時、こうだったね」と言えないよりは言える方がずっと良い。ただただそう思います。  本書「サシノミ」という企画は私とは異なる視点、異なる立場から眺めたクラフトビールシーンを記録するものとして立ち上げました。クラフトビール関係者はもとより、ビールを愛する一般の方も対象としてCRAFT DRINKS代表の沖が乾杯を通じて様々な角度から話を伺い、それを対話という形で記述していきます。クラフトビールという現象の過去から現在、現在から未来へと変化していく様態に輪郭を与えることが出来たらと願ってやみません。また、対話を通じて浮き彫りとなったクラフトビールに関する視点、論点を整理し、クラフトビールの新たな側面を模索していく試みとしても位置付けています。  クラフトビールに関する本だと言いながら、ビールの紹介もなく、ただただ酔っ払いたちが飲み屋で熱く喋っているだけの本ですが、そういう現場にシーンの本質の一端があると私は思います。クラフトビールはみんなのものだから。 目次 はじめに サシノミとは 3 CAMRA終身会員 目賀田修一さん 6 CAMRAとは 6 Real AleおよびCask Conditioned Beerとは 6 CAMRAの実態 7 消費者団体としてのCAMRA 10 イギリスの飲酒文化 12 今パブにあるお酒 15 イメージと生々しい現実 17 気づけばイギリスビールを見かけなくなった 19 パブの使い方、過ごし方 22 社交場としてのパブ 23 日本のパブ、コミュニティと場 26 熱量、語るということ 27 通いたくなるパブ 29 Brewfilm.jp 奥村剛さん 32 クラフトビールを飲み始めた頃 32 映像で振り返る10年 34 ここ10年の非アメリカのビール事情 40 マーケットと認識の変遷 43 IPAを考える 46 ホップの認知 48 トレンドと値段 50 クラフトビールシーンは盛り上がっているのか 53 変わらないこと、変わったこと 55 シーンの裏側、紆余曲折 57 時代を作ったブルワリー60 あとがき 62 2024年3月23日 めしけっとにて初版発行
    1,500円
    CRAFT DRINKS
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    【在庫あり・販売中】サシノミ

    サシノミとは・・・ 私どもは2015年の立ち上げ以来文筆活動をしており、2019年より出版活動を行って参りました。日々飲み屋や自宅で酔っ払いながら、自分というフィルターを通して見えた世界を綴り、クラフトビールと呼ばれる何かに輪郭を与えようと必死になっておりました。それ自体は特に問題は無いのだけれども、一つ悩ましい問題に突き当たったことをここ最近強く感じます。  様々なことを調べ、考えていくと必ず「歴史的経緯」という、形は無いけれども確実に私たちに影響を与えているものがあることに気付かされます。平たく言えば、恐らくコンテクスト(文脈)ということになるのですが、およそ自明だと思われていることもかつてそうではなかった時代があり、それが何かのきっかけで変化し、転換しているのを知ることはとても意義があることだと思うようになりました。  眼の前の一杯が五感で美味しいと感じるのは事実として、それを「美味しいと感じさせる心的、文化的前提」が何によって構築されているのか。クラフトビールなるものがなんとなく良きものとされる根拠は何か。地ビールはいつクラフトビールになり、内包される意味はどう変化したか。たとえばこんなことを考えるのです。  私自身も社会を構成する一部であり、私というフィルターを通して現出する世界は社会を示すと考える一方で、部分が全体をどこまで正確に示すかについてはあまり自信がありません。私がこれまで書いてきたことは妥当性のあることだと今でも信じて疑わないけれど、それは私という名のフィルターの癖、偏りが多少なりとも含まれるはずです。そこに味があると言われればそれまでだけれども、異なるフィルターを通した時その結果は自ずと異なると理解しておかねばなりません。同じものを見て飲んで感じながらも、全く違った見解を持つ人がたくさんいます。「クラフトビール」という語が持つ意味は各人の持つ今日までの経緯によって異なるというわけです。  クラフトビールは日々の愉しみであったり、ビジネスであったり、社交の道具かもしれません。それが何であろうと良いのですが、しっかりと向き合った人の強い想いは他者を巻き込み、潮流の一滴としてシーンに対して多かれ少なかれ影響を与えていると思います。自分自身の興味関心を深掘りしていくこととは別に、その時々に人々が持った想いに何らかの形を与えて残すことに意味があるような気がしています。  海外の国からやってきた借り物の言葉や感情ではなくて、私たちがその当事者として真剣に思ったこと、それは名もなき市民のことであるから見過ごされがちだけれど、いえ、だからこそ、残しておかねば振り返ることも出来ず、迷子になってしまうことでしょう。いつ役に立つかは分からないものだけれど、必要になった時「あの時、こうだったね」と言えないよりは言える方がずっと良い。ただただそう思います。  本書「サシノミ」という企画は私とは異なる視点、異なる立場から眺めたクラフトビールシーンを記録するものとして立ち上げました。クラフトビール関係者はもとより、ビールを愛する一般の方も対象としてCRAFT DRINKS代表の沖が乾杯を通じて様々な角度から話を伺い、それを対話という形で記述していきます。クラフトビールという現象の過去から現在、現在から未来へと変化していく様態に輪郭を与えることが出来たらと願ってやみません。また、対話を通じて浮き彫りとなったクラフトビールに関する視点、論点を整理し、クラフトビールの新たな側面を模索していく試みとしても位置付けています。  クラフトビールに関する本だと言いながら、ビールの紹介もなく、ただただ酔っ払いたちが飲み屋で熱く喋っているだけの本ですが、そういう現場にシーンの本質の一端があると私は思います。クラフトビールはみんなのものだから。 目次 目次 はじめに サシノミとは 4 ビアスタイル21 代表取締役社長 別所弘章さん 7 00年代のシーン、ガージェリーの誕生 7 ビジネスモデルの構築 12 品質にコミットする 13 エチゴビールへの売却 14 飲食店専用にした理由と価格、時代の空気 17 直販と慣習、しがらみ 18 取引の形態 20 展示会には出ない理由 22 地ビールからクラフトビールに変わる頃 25 ブランドの存続、後継者 26 コロナ禍での経営 29 リブランドの必要性と家庭用缶ビール 31 ブランドを育てる大変さ 33 語りの余白 35 神は細部に宿る 38 クレームがほぼ無い理由と距離感 41 けやきひろばビール祭り責任者 鈴木一紀さん、中村薫子さん 47 けやきひろばビール祭りの歴史と成長 47 快適さと地元との関係 51 けやきひろばが大事にしていること 54 出店ブルワリーの選定と多様性について 56 ビール祭りに来てもらうためにしている事 59 ビール以外のお酒 62 すぐに諦めない、常に試行錯誤 64 ビール祭りの持続可能性、時代の流れ 66 コロナ禍という特殊期間 69 実は少ない運営者 70 けやきひろばに来る人 71 定点観測して見えてきたこと 73 これからのけやきひろばビール祭り 74 続けるということ 76 あとがき 79 2023年12月31日 コミックマーケット103にて初版発行
    1,500円
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マガジン

  • CRAFT DRINKSの活動

    CRAFT DRINKSが携わっている様々な活動の記録です。

  • クラフトビール文献読書会

    CRAFT DRINKSが主催するクラフトビールをテーマとした文献読書会で、月に1回開催、原則無料です。※注意 会の間はシラフでやります。 ビールの文化的側面に興味のある方ならどなたもご参加頂けます。事前に指定された課題文献を読んできて頂き、それを元に各人発表をし、クラフトビール文化について議論します。終了後の懇談会で一杯飲みながら議論を更に深めましょう! ゆくゆくは輪読・会報誌作成もしたいです。概要、参加方法、開催日等の詳細はマガジン内の記事にてご案内します。

  • クラフトビール中心のCRAFT DRINKS的オピニオン

    日本のクラフトビールはまだ始まったばかりなので伸びしろがあるとも言えますが、普及・拡大に当たって色々なものが足りません。現状の課題をあぶり出し、そのソリューションを検討していきます。

ショップロゴ

CRAFT DRINKS

https://craftdrinks.thebase.in
CRAFT DRINKSは酒販業、容器の卸売業の傍らクラフトビールをテーマに文化や制度、法律など様々な面から論述して参りました。 このショップではCRAFT DRINKSの発表した書籍を頒布致します。 CRAFT DRINKSの本屋さんというわけです。 私どもではこれまで首都圏を中心とした各種イベントでのみ頒布することを前提としており、対面でお話をしながらご紹介することを念頭に置いておりました。しかし、ご来場頂けない遠方の方からのご希望も複数頂戴し、この度当ショップを開設することと致しました。 印刷部数の関係で常時在庫があるとも限りませんが、ご容赦くださいませ。 また、通販という性質上頒布会と異なり梱包材費用等もかかるため頒布会価格から一律300円(送料込み)追加することと致します。 何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
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【最新刊】サシノミ2

今回の対談は… 英国ビール消費者団体会員に聞くビール文化とパブ、場の意義 CAMRA終身会員 目賀田修一さん カメラを通して見つめてきたクラフトビールシーンの10年間 Brewfilm.jp 映像作家 奥村剛さん サシノミとは・・・ 私どもは2015年の立ち上げ以来文筆活動をしており、2019年より出版活動を行って参りました。日々飲み屋や自宅で酔っ払いながら、自分というフィルターを通して見えた世界を綴り、クラフトビールと呼ばれる何かに輪郭を与えようと必死になっておりました。それ自体は特に問題は無いのだけれども、一つ悩ましい問題に突き当たったことをここ最近強く感じます。  様々なことを調べ、考えていくと必ず「歴史的経緯」という、形は無いけれども確実に私たちに影響を与えているものがあることに気付かされます。平たく言えば、恐らくコンテクスト(文脈)ということになるのですが、およそ自明だと思われていることもかつてそうではなかった時代があり、それが何かのきっかけで変化し、転換しているのを知ることはとても意義があることだと思うようになりました。  眼の前の一杯が五感で美味しいと感じるのは事実として、それを「美味しいと感じさせる心的、文化的前提」が何によって構築されているのか。クラフトビールなるものがなんとなく良きものとされる根拠は何か。地ビールはいつクラフトビールになり、内包される意味はどう変化したか。たとえばこんなことを考えるのです。  私自身も社会を構成する一部であり、私というフィルターを通して現出する世界は社会を示すと考える一方で、部分が全体をどこまで正確に示すかについてはあまり自信がありません。私がこれまで書いてきたことは妥当性のあることだと今でも信じて疑わないけれど、それは私という名のフィルターの癖、偏りが多少なりとも含まれるはずです。そこに味があると言われればそれまでだけれども、異なるフィルターを通した時その結果は自ずと異なると理解しておかねばなりません。同じものを見て飲んで感じながらも、全く違った見解を持つ人がたくさんいます。「クラフトビール」という語が持つ意味は各人の持つ今日までの経緯によって異なるというわけです。  クラフトビールは日々の愉しみであったり、ビジネスであったり、社交の道具かもしれません。それが何であろうと良いのですが、しっかりと向き合った人の強い想いは他者を巻き込み、潮流の一滴としてシーンに対して多かれ少なかれ影響を与えていると思います。自分自身の興味関心を深掘りしていくこととは別に、その時々に人々が持った想いに何らかの形を与えて残すことに意味があるような気がしています。  海外の国からやってきた借り物の言葉や感情ではなくて、私たちがその当事者として真剣に思ったこと、それは名もなき市民のことであるから見過ごされがちだけれど、いえ、だからこそ、残しておかねば振り返ることも出来ず、迷子になってしまうことでしょう。いつ役に立つかは分からないものだけれど、必要になった時「あの時、こうだったね」と言えないよりは言える方がずっと良い。ただただそう思います。  本書「サシノミ」という企画は私とは異なる視点、異なる立場から眺めたクラフトビールシーンを記録するものとして立ち上げました。クラフトビール関係者はもとより、ビールを愛する一般の方も対象としてCRAFT DRINKS代表の沖が乾杯を通じて様々な角度から話を伺い、それを対話という形で記述していきます。クラフトビールという現象の過去から現在、現在から未来へと変化していく様態に輪郭を与えることが出来たらと願ってやみません。また、対話を通じて浮き彫りとなったクラフトビールに関する視点、論点を整理し、クラフトビールの新たな側面を模索していく試みとしても位置付けています。  クラフトビールに関する本だと言いながら、ビールの紹介もなく、ただただ酔っ払いたちが飲み屋で熱く喋っているだけの本ですが、そういう現場にシーンの本質の一端があると私は思います。クラフトビールはみんなのものだから。 目次 はじめに サシノミとは 3 CAMRA終身会員 目賀田修一さん 6 CAMRAとは 6 Real AleおよびCask Conditioned Beerとは 6 CAMRAの実態 7 消費者団体としてのCAMRA 10 イギリスの飲酒文化 12 今パブにあるお酒 15 イメージと生々しい現実 17 気づけばイギリスビールを見かけなくなった 19 パブの使い方、過ごし方 22 社交場としてのパブ 23 日本のパブ、コミュニティと場 26 熱量、語るということ 27 通いたくなるパブ 29 Brewfilm.jp 奥村剛さん 32 クラフトビールを飲み始めた頃 32 映像で振り返る10年 34 ここ10年の非アメリカのビール事情 40 マーケットと認識の変遷 43 IPAを考える 46 ホップの認知 48 トレンドと値段 50 クラフトビールシーンは盛り上がっているのか 53 変わらないこと、変わったこと 55 シーンの裏側、紆余曲折 57 時代を作ったブルワリー60 あとがき 62 2024年3月23日 めしけっとにて初版発行
1,500円
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【在庫あり・販売中】サシノミ

サシノミとは・・・ 私どもは2015年の立ち上げ以来文筆活動をしており、2019年より出版活動を行って参りました。日々飲み屋や自宅で酔っ払いながら、自分というフィルターを通して見えた世界を綴り、クラフトビールと呼ばれる何かに輪郭を与えようと必死になっておりました。それ自体は特に問題は無いのだけれども、一つ悩ましい問題に突き当たったことをここ最近強く感じます。  様々なことを調べ、考えていくと必ず「歴史的経緯」という、形は無いけれども確実に私たちに影響を与えているものがあることに気付かされます。平たく言えば、恐らくコンテクスト(文脈)ということになるのですが、およそ自明だと思われていることもかつてそうではなかった時代があり、それが何かのきっかけで変化し、転換しているのを知ることはとても意義があることだと思うようになりました。  眼の前の一杯が五感で美味しいと感じるのは事実として、それを「美味しいと感じさせる心的、文化的前提」が何によって構築されているのか。クラフトビールなるものがなんとなく良きものとされる根拠は何か。地ビールはいつクラフトビールになり、内包される意味はどう変化したか。たとえばこんなことを考えるのです。  私自身も社会を構成する一部であり、私というフィルターを通して現出する世界は社会を示すと考える一方で、部分が全体をどこまで正確に示すかについてはあまり自信がありません。私がこれまで書いてきたことは妥当性のあることだと今でも信じて疑わないけれど、それは私という名のフィルターの癖、偏りが多少なりとも含まれるはずです。そこに味があると言われればそれまでだけれども、異なるフィルターを通した時その結果は自ずと異なると理解しておかねばなりません。同じものを見て飲んで感じながらも、全く違った見解を持つ人がたくさんいます。「クラフトビール」という語が持つ意味は各人の持つ今日までの経緯によって異なるというわけです。  クラフトビールは日々の愉しみであったり、ビジネスであったり、社交の道具かもしれません。それが何であろうと良いのですが、しっかりと向き合った人の強い想いは他者を巻き込み、潮流の一滴としてシーンに対して多かれ少なかれ影響を与えていると思います。自分自身の興味関心を深掘りしていくこととは別に、その時々に人々が持った想いに何らかの形を与えて残すことに意味があるような気がしています。  海外の国からやってきた借り物の言葉や感情ではなくて、私たちがその当事者として真剣に思ったこと、それは名もなき市民のことであるから見過ごされがちだけれど、いえ、だからこそ、残しておかねば振り返ることも出来ず、迷子になってしまうことでしょう。いつ役に立つかは分からないものだけれど、必要になった時「あの時、こうだったね」と言えないよりは言える方がずっと良い。ただただそう思います。  本書「サシノミ」という企画は私とは異なる視点、異なる立場から眺めたクラフトビールシーンを記録するものとして立ち上げました。クラフトビール関係者はもとより、ビールを愛する一般の方も対象としてCRAFT DRINKS代表の沖が乾杯を通じて様々な角度から話を伺い、それを対話という形で記述していきます。クラフトビールという現象の過去から現在、現在から未来へと変化していく様態に輪郭を与えることが出来たらと願ってやみません。また、対話を通じて浮き彫りとなったクラフトビールに関する視点、論点を整理し、クラフトビールの新たな側面を模索していく試みとしても位置付けています。  クラフトビールに関する本だと言いながら、ビールの紹介もなく、ただただ酔っ払いたちが飲み屋で熱く喋っているだけの本ですが、そういう現場にシーンの本質の一端があると私は思います。クラフトビールはみんなのものだから。 目次 目次 はじめに サシノミとは 4 ビアスタイル21 代表取締役社長 別所弘章さん 7 00年代のシーン、ガージェリーの誕生 7 ビジネスモデルの構築 12 品質にコミットする 13 エチゴビールへの売却 14 飲食店専用にした理由と価格、時代の空気 17 直販と慣習、しがらみ 18 取引の形態 20 展示会には出ない理由 22 地ビールからクラフトビールに変わる頃 25 ブランドの存続、後継者 26 コロナ禍での経営 29 リブランドの必要性と家庭用缶ビール 31 ブランドを育てる大変さ 33 語りの余白 35 神は細部に宿る 38 クレームがほぼ無い理由と距離感 41 けやきひろばビール祭り責任者 鈴木一紀さん、中村薫子さん 47 けやきひろばビール祭りの歴史と成長 47 快適さと地元との関係 51 けやきひろばが大事にしていること 54 出店ブルワリーの選定と多様性について 56 ビール祭りに来てもらうためにしている事 59 ビール以外のお酒 62 すぐに諦めない、常に試行錯誤 64 ビール祭りの持続可能性、時代の流れ 66 コロナ禍という特殊期間 69 実は少ない運営者 70 けやきひろばに来る人 71 定点観測して見えてきたこと 73 これからのけやきひろばビール祭り 74 続けるということ 76 あとがき 79 2023年12月31日 コミックマーケット103にて初版発行
1,500円
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【在庫あり・販売中】文脈とビール3

CRAFT DRINKSでは主に人とお酒の関わりを研究していて、背後にある思想や文化、形式などに注目して書いてきました。それ自体は特に問題ないと思うし、一定の意義があると考える一方で、お話が若干抽象的になりがちだとも認識しています。実体から構造を導こうとするとどうしてもそうなってしまうのだけれども、そういうものばかりだと煮詰まって肩が凝ってしまう。 息抜きとも違うのだけれども、定期的に逆のことがしたくなるのです。一つのビールに向き合い、そこに見つかる極めて個人的な感覚を書き残しておきたいという気持ちが強くなる。美味しかったビールを記録しておくのではなく、何かしらの文脈という流れにビールを添わせてみた時に一つ重要な一を示すだろうと私が考えるものを取り上げています。また、そのビールが映える場所がどこなのかを考え、文脈を流れの中からすくい上げてみたいと考えました。 「文脈とビール3」はすでに「文脈とビール3弱」として発表した3篇に加えて書き下ろしを7篇、合計10篇で構成されています。 目 次 文脈とビールを今一度考える 1 1.国産Punk IPA誕生 2 2.外のストーリー、内のストーリー 3 3.シルバーさん 6 4.安心感と違和感、その境目 8 5.West Coast IPAという謎 10 6.「せっかくだから」の遠さ 13 7.こんな質問ができたら 14 8.価格・品質・私的な思い入れ 16 9.たらればの話なのだけれど、あの時違っていたら 18 10.フレッシュさにまつわる矛盾 20 2023年10月29日 超同人祭+にて初版発行。
800円
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【再入荷!】クラフトビールの今とこれからを真面目に考える本 改

2018年、2019年に東京・政策研究大学院大学にて行った特別講義の内容に追記、改変してまとめたクラフトビール文化論。主なテーマは「クラフトビールにおける日米比較」で、大きく4つの章に分かれています。第一章ではクラフトビールにおける日本と海外の制度の違いを比較し、「今までどうだったか」、そして「定義の有無で生じる差」を確認します。これに伴い、クラフトビールという現象を情緒的クラフトビールと統計的クラフトビールの2つに分け、厳密に区別することを提言しています。第二章ではアメリカのクラフトビールの成長を自家醸造(ホームブルー)とコミュニティ、コミュニケーションという3つの視点で論じます。日本では違法である自家醸造がクラフトビール産業の基礎になっていることを示し、その上にコミュニティが存在します。そして、コミュニティとの対話、すなわちコミュニケーションとしての販売方法の在り方について考えていきます。第三章は日本のクラフトビールシーンにおける課題について具体的に見ていきます。アメリカを範とするならば、日本の法制度や社会システムはクラフトビールに即したものになっていません。情報、ハードウェア、物流、店舗、ビールに関する既存の文化などについて一つずつ考察します。海外の事例などもご紹介し、それらと比較しながら日本における課題をあぶり出していきます。第四章はCRAFT DRINKSが今まで行ってきた活動の総括です。机上の空論ではなく、私どもは「クラフトビールはクロスオーバーだ」をキーワードに、ビールのみならずシードルやワイン、日本酒、そして木樽熟成ビールのプロデュースなどの具体的な活動を続けて参りました。それぞれがどのような意味のものであったかを解説し、微々たるものではありますがクラフトビールシーンに対して私どもが行ってきた貢献についてご紹介します。 ・・・と4年前に書いたのですが、クラフトビールシーンは変化、進化が早く、すでに遅れたものになっている内容もたくさんあります。そのため、更に大幅な加筆修正を加えてバージョンアップをしたいと思います。絵心も無く、写真も少なく、文字ばかり13万字のものになりますが、お目通し頂ければ幸いです。 2023年9月8日発表
2,500円
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【Kindleあり】お金で買えるビール 買えないビール

在庫も無くなり、今のところ再販の予定も無いのでKindle化しました。Kindle Unlimited対応。→ https://amzn.to/3INAJFi クラフトビール発祥の国アメリカでは50州全てホームブルー(自家醸造)が合法で、数万人の会員を擁するホームブルワーの団体もあります。元ホームブルワーのプロ醸造家も多く、クラフトビールシーンの基礎を成していると言っても過言ではありません。一方、日本においては酒税法に定められている通り、免許無くアルコール度数1%以上のものを作ることは違法です。この違いは非常に大きな差を生むと私は考えています。そのビールの性質は商品と作品、消費と鑑賞という違いで説明できる面も多いでしょう。今回こういった点について考えてみたのでした 目 次 はじめに 1 第1章 日本の制度とイメージ 2 1.日本におけるホームブルー 2 2.一般的なイメージを作った大手のビールと品質レベル 3 3.微生物検査の結果と免許要件 4 4.免許の更新制度 5 5.プロ養成という視点で考えてみる 7 6.日本には商品だけが存在する 8 第2章 商品ではないビール 9 1.ホームブルーという行為とクラフトビール 9 2.ホームブルワーとは 10 3.単なる消費者ではない 10 4.商品ではないビールが存在するということ 12 5.金銭を介すと無くなりがちなもの 13 第3章 商品と作品、それに付随するもの 15 1.アマチュアによる一次創作、二次創作のない世界はどこに行くのか 15 2.私達は真面目に飲みすぎているかもしれない 16 3.日本における作り手と飲み手のコミュニティ 16 4.リアルでクローズドな会をしよう 17 おわりに 私自身の実践について 18 2023年8月13日 C102にて初版発行
1,100円
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【再入荷!】それほどガチらず、なるべくラクして美味しいクラフトビールが飲みたいんですけど、なんとかなりませんかね?

それほどガチらず、なるべくラクして美味しいクラフトビールが飲みたいんですけど、なんとかなりませんかね? これはクラフトビールに興味が出てきたけれどまだそんなに慣れていない人、これから飲んでみようと思っている人の本音ではないかと思います。何かのきっかけでクラフトビールなるものがあることを知り、とりあえず美味しいものを飲んでみたいと考えるのはごくごく自然なことだと思います。しかし、まだハマったわけでもなく、初めから本気を出そうにもそもそも本気の出し方が分からないわけです。さて、どうしたものか。 勉強が絶対に必要だと言う方もいらっしゃるかもしれません。まずはビアスタイルの勉強をしよう、次にオフフレーバーの勉強もしようとかよく言われますし。けれども、これは悪手になる場合もあるんじゃないかと思うのです。美味しいものを飲んでみたいのであって、勉強したいわけではないからです。「え、そんなに回り道しないとダメなんですか?」というのが初めての方の偽らざる気持ちだでしょう。実際私がそうでしたし。 色々飲んで経験するしかないというのは正論で確かにそういう面もあるのですが、勉強するのは正直なところ面倒です。なるべくやりたくない。ということで、自身の成功体験、失敗談を振り返り、「それほどガチらず、なるべくラクして美味しいクラフトビールが飲みたいんですけど、なんとかなりませんかね?」に対して私なりに全力で応える本を書いてみました。 目次 はじめに クラフトビールの成功体験を考える 1 第1章 旨いビールに出会うため、長く苦しい旅が始まる 2 1.ただ旨いものが飲みたいだけなのに・・・ 2 2.手始めにインターネットの記事を読んでみる 2 3.クラフトビールの本を読んでみる 3 4.レーティングサイトを見てみる 4 5.ボトルショップは怖い 4 6.ビアパブも怖い 5 7.ビアスタイルを勉強してみる 6 8.そうして途方に暮れる 6 第2章 立ち止まって考えてみる 8 1.一人飲みで何が分かるようになるのか 8 2.旨いと美味しいは違うような気がする 9 3.判断する対象と自分は一定なのか 9 4.「何が分からないか分からない」という問題 10 第3章 定説を疑ってみる 12 1.よく見かける定義に関する言説 12 2.「初心者が最初に飲むべき5種」は飲むべきか 13 3.ビアスタイルの学習は必須なのか 14 4.ペアリングでビールは美味しくなるのか 14 5.解なし 15 6.ネットの記事は誰の為か 16 7.思い切って発想を変えよう 17 第4章 お店に行こう 18 1.個人経営のお店が面白い 18 2.専門店は怖くない 18 3.当たり前だけれど見過ごされがちなこと 19 4.香港での苦い思い出 20 5.より効率の良い方法 21 6.お店にとって良いお客さん 21 7.自己紹介は双方のため 22 第5章 おすすめするお店、しないお店 23 1.「フルーティで飲みやすい」は鬼門 23 2.質問返しと流れの提示のあるお店は良い 23 3.とあるお店でのこと 24 4.二度と行かないお店が行うイベント 25 第6章 飲み友達を作ろう 26 1.声をかけよう 26 2.連れ立って飲みに行こう 26 3.持ち寄り飲み会をしよう 27 4.ビール祭りに行こう 27 5.SNSで繋がる 28 第7章 コミュニティについて 30 1.逃げても良い 30 2.お互い様 31 3.「半年ROMれ」は案外大事 31 4.分かりやすさの条件 32 5.深い議論のためのショートカット方法 33 6.異なる見解への対処 34 さいごに ラクして美味しいクラフトビールを飲むには 36
1,500円
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【在庫あり・販売中】クラフトビールの諸相 クラフトビールを起点とした人と社会に関する論考集

「クラフトビールの諸相」はセルフアンソロジーと言えば良いでしょうか、これまでの4年弱を私なりに総括するものです。私の持つ問題意識や関心の方向性が強く反映されてはいるのですが、とりあえずこの一冊を読むと今のクラフトビールシーンが持つ幾つかの側面についてイメージを持って頂けるのではないかと思います。 クラフトビールは液体として独立して存在するモノというよりも、コミュニティと相互補完的に成立する動的な現象として様々な切り口で切り取って記述されるべきものであろうということです。そして、それは感性、感情など精神の働きを多分に含むものであるから、数値だけではなく言葉によって描き出されるものに違いありません。 作り手、飲み手各人の想いも様々です。一様でないからこそ多くの考え方が出来ます。ビールそれ自体を考えるだけでなく、その思考がどういうものなのか、何に由来するものなのかを考える事ができるでしょう。ビールも人も時代と共に変化していくのでそれについて思いを巡らすことに終わりはありません。 この場合、終わりが来ないことは辛いことではなく楽しいことです。私がCRAFT DRINKSを立ち上げて7年以上経ちますが、一度も飽きたことはありません。日々新しいものが生まれて刺激に溢れていますからむしろ楽しさは増しているとすら思います。 考えることは楽しく、書くことは苦しいのだけれども、イベントに出るからには書きたい。そういう思いから、自分自身に勝手に課していることなのですが、突発的に決まったものは除いてイベントに参加する際は出来る限り新刊を用意するようにしています。つい今しがた数えて判明したのですが、この4年の間に14冊出していました。時系列順に並べるとこうなります。 2019.8 コミックマーケット96 クラフトビールの今とこれからを真面目に考える本 2019.12 コミックマーケット97 文脈とビール 2020.2 文学フリマ東京 アメリカのクラフトビールをダイバーシティという視点で読む 2020.12 コミックマーケット99 ビールとまなざし 2021.5 COMIC1 ビールのスタイルと多様性、感性と言葉 2021.6 COMITIA136 クラフトビールと地ビール、流通と地域について 2021.9 COMITIA137 クラフトビールを仕事にしたいと思った時の業界俯瞰図 2021.11 おもしろ同人誌バザール Hard Seltzer And Japan 2021.11 COMITIA138 クラフトビールのマーケットシェア1%は本当か? 2022.2 COMITIA139 ビール屋から見た日本のシードルの風景について 2022.5 COMITIA140 飲んでいないクラフトビールについて堂々と語る方法 2022.8 コミックマーケット100 Beyond Beer クラフトビールのこれからを考えるヒント 2022.9 COMTIA141文脈とビール2 2022.11 おもしろ同人誌バザール@神保町 クラフトビール プロレス化論 テーマは多岐に渡り、様々な角度からお酒を通じて人と社会について論じてきました。コロナ禍もあって人とお酒の関わり方、そして社会の有り様も変化してきたように思いますから15作目の本書ではこれまで私が考えてきたことをまとめ、現段階で言えるクラフトビールの持つ幾つかの側面について過去作を下敷きに論じ直し、人と社会について改めて検討してみました。 ベースはあるにせよ、最終的に9万字強、本文80ページほどになりました。目次からして大盛りなのですが、こんな感じです。ご覧くださいませ。 目 次 はじめに 終わらないクラフトビール 1.本を作り始めたきっかけ 2.終わらないということ 3.一旦これまでをまとめてみようと思う 第1章 「クラフトビールとは?」という問いを立てること 1.定義する目的 2.様々な立場から考えるクラフトビール 3.クロスオーバーなクラフトビールと境界線 4.数値と感情の狭間 5.対概念を使って考えてみる 第2章 対概念1 大手ではなく、中小企業 1.アメリカにおける定義とその変遷 2.流通システムと近年の傾向 3.大手が嫌われる理由 4.スタートアップが最初にすること 5.資本主義的合理性と成長の限界 6.業界団体による改善の必要性 第3章 対概念2 全国展開ではなく、地元志向 1.地元という概念と地元志向の必然 2.顔が見えるということ 3.コロナ禍とクラフトビールの場、確かさについて 4.私とビールのある場との距離、時間について 5.クラフトビールは観光の目玉になるか 第4章 対概念3 古くて工業的ではなく、新しくて職人的 1.工業的ではないビールを考えてみる 2.日本におけるクラフトビールという概念の大きな要素 3.ビール産業のビジネスモデルとその難しさ、人材について 4.人材育成とホームブルー、技術について 5.記憶と再解釈、新しさについて 第5章 対概念4 単一ではなく、多様 1.実は大手は単一ではない 2.ビアスタイルの多さはクラフトビールの多様性を示すのか 3.ビールの多様性とは言葉、感性、人の多様性 4.コミュニティとマイノリティ、特にジェンダー、エスニシティについて 5.ジャンル横断とビヨンドビール、総合飲料メーカーへ変化するブルワリー 第6章 これから検討すべき課題に関する断片 1.1994年からの歴史を総括すること 2.日本らしさについて 3.形式と内容、個の主体性とコミュニティについて おわりに 2022年12月31日 C101 コミックマーケットにて初版発行
2,300円
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【Kindle準備中】クラフトビール プロレス化論

在庫も無くなり、今のところ再販の予定も無いのでKindle化の準備をしております。誠に申し訳ありませんが、今しばらくお待ちくださいませ。 長くコロナ禍が続く中、「クラフトビール文化を守ろう」という言説が現れました。文化というものが何なのかよく分からない上に、クラフトビール文化と言った場合それは何を指すのだろう?とずっと考えていました。これが本書「クラフトビール プロレス化論」を書こうと思ったきっかけです。 数量ベースで全体の13%までの成長したアメリカを成功事例とした時、その特徴から何か得られるものがあるのではないかと検討してみた結果、日本のものと明確に異なると思われる部分がありました。その違いというのがクラフトビール普及に少なからず影響しているように私には思われます。 人気だとは言うけれども、日本のクラフトビールはいまいちブレイクしきらないように感じられます。このままではいけないとうすうす感じてはいるけれども、思うように進められずにいるという状況でしょう。かといって、諸条件が異なるのでアメリカの事例をそのまま持ち込むことも出来ません。そこで諸々踏まえた上で私はその構造をプロレス化して現状を打破するという折衷案を提案したいと思います。プロレスの構造はかなり参考になりますし、その手法は援用可能なのではないかと思うのです。 ・・・と、まぁ、綴ってみたものの、かなり意図的に事例を拾って極論を展開しています。ですから、実際にそれが実行可能かどうかはまた別の話です。うまくいかなかったら「そのアプローチはダメだった」というデータが生まれるので、前向きに捉えて失敗の原因を探りつつまた別の方策を採れば良いと思います。まずは議論の叩き台として「日本のクラフトビールをプロレス化するってのはどうですかね?」と私は考えてみました、というわけです。 目 次 第1章 「クラフトビール文化」とは何だろう 1 1.疑問の始まり 1 2.文化に関する一般的なイメージ 2 3.先行事例との比較してみる 3 第2章 アメリカに見られる一つの特徴 4 1.カウンターカルチャーとしてのクラフトビール 4 2.Brewers Associationによる定義の意味 5 3.Stone Brewingの事例 5 4.ファンの反応とクラフトビールのあるべき姿 7 5.なぜ大手は目の敵にされるのか 9 6.カウンターカルチャーとヒロイズム 10 第3章 日本の場合 12 1.地ビール誕生の頃 12 2.地ビール時代の液種 13 3.2010年代以降のクラフトビール 13 4.「これぞクラフトビール」に対する反応について 14 5.タップマルシェおよびホームタップの品揃え 15 6.対立ではなく並列 16 第4章 ヒロイズムの終焉 17 1.アメリカでの出来事 サッポロによるStone Brewingの買収 17 2.日本での出来事 Brewdogの実情とアサヒビールとの提携 18 3.本音と建前 19 第5章 クラフトビール普及の為の試論 22 1.日本クラフトビール業界団体連絡協議会の発言 22 2.波を立てる 24 3.安易な否定ではなく、イシューを立てる 24 4.上手に揉める必要性 25 5.日本のクラフトビールに必要なのはプロレス 26 6.プロレスを盛り上げる役割とファンコミュニティについて 27 2022年11月6日 おもしろ同人誌バザール@神保町にて初版発行
1,300円
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【Kindleあり】文脈とビール2

在庫も無くなり、今のところ再販の予定も無いのでKindle化しました。Kindle Unlimited対応。→ https://amzn.to/3Zw86nt CRAFT DRINKSでは主に人とお酒の関わりを研究していて、背後にある思想や文化、形式などに注目して書いてきました。それ自体は特に問題ないと思うし、一定の意義があると考える一方で、お話が若干抽象的になりがちだとも認識しています。実体から構造を導こうとするとどうしてもそうなってしまうのだけれども、そういうものばかりだと煮詰まって肩が凝ってしまう。 息抜きとも違うのだけれども、定期的に逆のことがしたくなるのです。一つのビールに向き合い、そこに見つかる極めて個人的な感覚を書き残しておきたいという気持ちが強くなる。美味しかったビールを記録しておくのではなく、何かしらの文脈という流れにビールを添わせてみた時に一つ重要な一を示すだろうと私が考えるものを取り上げています。また、そのビールが映える場所がどこなのかを考え、文脈を流れの中からすくい上げてみたいと考えました。 「文脈とビール2」はすでに発表している4篇に加えて書き下ろしを7篇、合計11篇で構成されています。 文脈とビールを考える 1 1.日本の麹のビール Rydeen Experimental White Koji Craft 2 2.「完コピ」しきっても残ってしまうもの Firestone Walker Brewing Company Old Man Hattan 2 3.壮年 Cascade Brewing Blackberry Ale 2015 4 4.ローテンションな自分とハイテンションなビール Stone Brewing IPA 5 5.分解、再構成、ビヨンドビール サントリー ビアボール 6 6.解釈の解釈 ベアレン ザ・デイ イタリアンピルスナー 8 7.絶望するほど美しいということ Tired Hands Brewing Company Ourison 10 8.「一番好きなビールは何ですか?」 Brouwerij Girardin Gueuze Girardin 1882 Black Label 12 9.記憶と作られたノスタルジーと アサヒビール アサヒ生ビール(通称マルエフ) 14 10.あれこれ考えるのです、たとえば衝動について West Coast Brewing #Offtime 16 11.語られることでドラマは始まる ビアスタイル21 Gargery Estella 18 あとがき フルテン 20 2022年9月4日 COMTIA141にて初版発行
800円
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【Kindleあり】Beyond Beer クラフトビールのこれからを考えるヒント

在庫も無くなり、今のところ再販の予定も無いのでKindle化しました。Kindle Unlimited対応。→ https://amzn.to/45lrncx “Beyond Beer”(ビヨンドビール)という言葉は聞き慣れないと思いますが、実は私たちお酒を愛してやまない人間と密接な関係を持っています。そして、すでに数年前から私たちに影響を与えています。 ビヨンドビールは大手ビール会社が今盛んに推している概念で、彼らが考える「ビールを超えたもの」を一つにまとめたものです。googleで検索してみても日本語では投資家向けのレポートの要約に少し出てくる程度でそれが一体何を示すものなのか、どういう前提のものとして生まれたのかについては全く語られません。もうこの流れは来ていて、言われてみれば「ああ、なるほど」という話なのですが、ビヨンドビールという視点で整理されて来なかったと考えて今回CRAFT DRINKSの新刊として取り組みました。 目 次 はじめに なにやら世界は騒がしい 1 第1章 “Beyond Beer”(ビヨンドビール)の潮流 2 1.世界最大のビール会社 2 2.日本で語られないアンハイザーブッシュインベブの動き 3 3.”Beyond Beer”(ビヨンドビール)とは 5 4.対象となる隣接領域とそのブランド 7 5.注目すべきブランドはCutwater(カットウォーター) 8 6.選択肢の多い世界 9 第2章 ビヨンドビールのキーワードと事例 10 1.蒸留酒の展開力 10 2.健康志向とハードセルツァー、ローカロリービール 10 3.飲まないZ世代とNOLO Beer 11 4.機能性とコンブチャ、Premium Indulgence 14 5.カフェイン、大麻という新しい成分 16 6.再評価されるシードル 17 7.サステナビリティとミード 19 8.TPOの拡張とパッケージ 20 第3章 日本のビヨンドビールはどうなっているか 23 1.日本の大手ビール会社の実情 23 2.日本の具体的な事例 24 3.独自の進化は裏腹で・・・ 27 4.世界展開の必然性 28 おわりに Beyond “Beyond Beer”としてのクラフトビールの可能性 30 2022年8月13日開催COMIC MARKET100にて初版発行。
1,500円
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【Kindleあり】飲んでいないクラフトビールについて堂々と語る方法

在庫も無くなり、今のところ再販の予定も無いのでKindle化しました。Kindle Unlimited対応。→ https://amzn.to/3VsFco9 タイトルはフランスの文芸批評家・バイヤールの「読んでいない本について堂々と語る方法」をもじったものです。こちらは物事の認識について示唆を与えてくれる素敵な本です。この本を読み、読まずに語れるならばクラフトビールを飲まずに語れるのではないかと考えました。そして、コタツ記事の書き方を考案したのですが、架空のブルワリー、架空のビールについて書いたにも関わらず非常にリアリティがあって当の本人が驚いてしまいました。 勿論飲まずに語ることを推奨しているわけではありませんが、一度考えてみたいのは私たちの認識の方法、特に「確かさ」と「確からしさ」の違いです。 コロナ禍で生活様式が大きく変化し、その影響はクラフトビール にも及んでいます。この間、文化というより文明の、確かさよりも確からしさの創出が進んだように思うのです。だからこそ、疑いようのない身体性を伴ったコミュニティへの所属感、すなわち「乾杯」の意義を再評価したくなります。 乾杯に伴う「接面」、「間主観性」は2者間のみならず広くコミュニティ、もっと言えば社会全体を構成する原理になりうるのではないかと近頃考え始めています。 目次 第1章 飲んでいないクラフトビールについて堂々と語る方法 1.「読んでいない本について堂々と語る方法」 1 2.飲んだことのないビールも語れる 2 3.要素の抽出と属性タグ化 3 4.タグを翻訳し、その集合を文章化する 5 5.コタツ記事の書き方 7 6.グループを規定する語 9 7.概念と現実の差 11 第2章 コロナ禍とクラフトビール、乾杯の身体性と確かさ 1.非対面・非接触型店舗の登場 13 2.AI 14 3.確かさと確からしさ 15 4.作られた確からしさ 16 5.オンライン飲み会と転売屋の示すもの 18 6.クラフトビールにおけるDXの最適解 19 第3章 語られるべきものごと 1.型から入ることは悪いことではない 21 2.マイケル・ジャクソン再考 22 3.語られずにいること、たとえばテクネーについて 23 おわりに 25 2022年5月5日 COMITIA140にて初版発行
1,300円
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【Kindleあり】ビール屋から見た日本のシードルの風景について

在庫も無くなり、今のところ再販の予定も無いのでKindle化しました。Kindle Unlimited対応。→  https://amzn.to/3PBDpJ5 CRAFT DRINKSは2017年にCidre On Tap(シードルオンタップ)というプロジェクトに参加しました。これは各セクションのプロフェッショナルが集まり日本初のキーケグ詰め業務用シードルを開発するプロジェクトです。単に出来上がったシードルをケグ詰めするのではなく、容器内二次発酵をさせたものです。日本が世界に誇るりんごで醸された素敵なシードルをキーケグでご提供し、全国の飲食店でドラフトバージョンをお楽しみ頂きつつシードルに触れる機会を増やしていこうと活動して参りました。その年の東京シードルコレクションにてお披露目し、皆様に高く評価して頂きました。 この活動をきっかけにドラフトシードルは少しずつ認知され、日本国内でケグ詰めシードルを作るメーカーも増えてきました。また、フランス、イギリス、スペイン、そしてアメリカのシードルも瓶・缶だけでなくケグでも輸入されるようになりパブで見かけることも年々増加しています。数年前までこんなことは考えられず、非常に喜ばしい状況にあることは間違いないのですが、シードルの生産者や現場のバーテンダー等と話をしていると「シードル業界にはボトルネックがあるのでは?」と感じるようになりました。出発地点の違いから絶妙にすれ違っている気がしてならないのです。 毎年のように「シードルが来る!」と言われながら微妙にブレイクしないシードルについてビール屋の視点から現状を分析し、ボトルネックを指摘しつつこの状況を打開する方法について今回検討してみたいと思います。 目次 シードルについて綴ろうと思ったきっかけ 1 シードルとは 2 シードルが注目される理由 5 流行しているのか分かりにくい 7 日本のりんご 8 日本の醸造家がシードルを作る理由 10 すれ違うシードル 12 シードル定着に必要なこと 13 伝統のなさが有利に働く 16 2022年2月 COMITIA139にて初版発表
800円
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【Kindle準備中】クラフトビールのマーケットシェア1%は本当か?

在庫も無くなり、今のところ再販の予定も無いのでKindle化の準備をしております。誠に申し訳ありませんが、今しばらくお待ちくださいませ。 「クラフトビールはまだシェア1%ほどの存在だが、新規開業も多く、大手メーカーもクラフトビールに市場活性化への期待を寄せて展開を強化している。」 この手のフレーズを一度は見たことがあると思いますが、昨今のクラフトビールの人気を背景にして枕詞のように使われているものであり、その根拠を明示しているものは見たことがありません。確かにそこそこのシェアがありそうな気もするのだけれども実際のところはよく分からないわけです。私自身ずっとこのことが気になっていました。そして、それをそのままにしておくのは良くないとも考えました。 「現在すでに1%で今後も伸長が見込まれるので新規参入しましょう!」と喧伝するコンサルティング会社も少なくないですが、その1%という数字が特定の誰かに有利な条件を設定して恣意的に作り上げたクラフトビールなるものを数え上げた結果であれば小狡いし、論理的で網羅性があってもダイナミックなクラフトビールの動きと同調していなければ意味がない。また、一般消費者の認識から乖離し過ぎては説得力に欠けるでしょう。クラフトビールという現象をどのように記述したらより多くの人と共有できるのか?という問題もここに同時に存在し、それに正面から取り組まねば更なる発展は望めないと思うのです。 こうした問題意識から取り組み、本書の結論としてはかなり妥当性のある或る条件下においては1%を達成していた時期があるということは分かりました。けれども、コロナ禍の影響で2020年以降がどうかはまだ分からないし、その「かなり妥当性のある或る条件」ですらこぼれ落ちているものがたくさんあるという課題も見つかりました。 どういう視点で何を目的に計測するかについて考えるきっかけにして頂けたら幸いです。 2021年11月21日開催COMITIAにて初版発行。
1,300円
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【Kindleあり】Hard Seltzer and Japan

在庫も無くなり、今のところ再販の予定も無いのでKindle化しました。Kindle Unlimited対応。→  https://amzn.to/48po5Yj 日経トレンディの2022年のヒット予測6位にハードセルツァーがランクインしました。クラフトビールの文脈を踏まえてハードセルツァーを知った方も多いと思いますし、アメリカで人気だとも聞きます。しかしながら、いつしか「あれ?これもハードセルツァーになるの?」というような例も散見されるようになりました。そこでハードセルツァーというものが現在どういう扱いになっているかを私なりに調査し、まとめました。日本でも大手メーカーが作るようになってきて徐々に露出が増えてきましたが、日本では今後どのように認識したら良いのかもまた考察します。結論として私が言いたいのは「いい波が来たから乗っ取れ!」です。 目次 国産ハードセルツァーが出始めた ハードセルツァーとは? ハードセルツァーはアメリカで流行っている? 実は話はそんなに単純ではない よくよく考えてみると・・・ 日本でハードセルツァーを作るのは可能なのか? 今後の論点を整理しておこう 呼び名とイメージ これから日本においてどう位置付けられるか A5・P11 2021年11月3日おもしろ同人誌バザールにて初版発行。 現在第2判。 ハードセルツァーに関する政府機関発表の情報も追加し、しっかりした製本を致しました。 参考資料1 ハードセルツァーブランド、参考資料2 What are the TTB Rules?の解説が追加されています。
800円
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【Kindleあり】クラフトビールを仕事にしたいと思った時の業界俯瞰図

在庫も無くなり、今のところ再販の予定も無いのでKindle化しました。Kindle Unlimited対応。→ https://amzn.to/41WNxl8 クラフトビールを好きになって本気で仕事にしたいと考える方がいらっしゃることは存じ上げています。過去何度もそういう相談に乗ったこともありますが、クラフトビールの業界にどういうビジネスがあって、どう動いているのか、その中にどういうジョブがあるかということがあまり知られていない。業界に飛び込んでみたけれど、自分の希望と職業がマッチしていなかったり、予想もしなかったつまらないことで凹んだりしてその熱意や想いをシーンに還元できないようでは勿体ないと思うのです。クラフトビール業界と言えばブルワリーやパブが真っ先に思い浮かぶだろうけれど、その他にも色々とあってその関わり方は複雑だということはもっと知られるべき事実でしょう。 そういう意味でシーンの状況を産業、ビジネスという視点で一度俯瞰、概観しておくことは決して損ではないはずです。私の駆け出しの頃には無かったけれど、今も無いというのは流石に良くないのではないかと思ったのです。私がその役割に相応しいのかどうかは分かりませんが、無いのだからとりあえずやってみようと筆を執りました。今どこまで来ているのか、どこまで広がっているのかを知るきっかけにして頂けたら嬉しいです。加えて、その中で自分をどこに位置づけようかと考える手助けになるならばこの上ない幸せです。 2021年9月20日開催COMITIAにて初版発行。
1,300円
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【Kindleあり】クラフトビールと地ビール、流通と地域について

在庫も無くなり、今のところ再販の予定も無いのでKindle化しました。Kindle Unlimited対応。→ https://amzn.to/47zmiz8 JBAはクラフトビールは地ビールと同義であると言っているけれども、果たしてそれは本当に同じなのだろうか?そして、地ビールとはそもそも何だったのか?2012年から2014年にかけて言葉としてクラフトビールの認知が広まってきた時に何を捨てて何を得て地ビールはクラフトビールへと生まれ変わったのだろうか?などという疑問がずっと心にありました。 今回上記疑問点を踏まえつつ、作られる場と消費される場の関係を中心に調べて書きました。自分自身にとって新しい発見もあって苦しみながらも取り組んで良かったと思う反面、統計的クラフトが定義されていないおかげで全くデータがなくて何一つ分からない事柄にたくさんぶつかりました。それを補強するべく、私自身が実際に見聞きしたこと、公開されているデータを基に出来る限りそのぼんやりとした姿に輪郭を与えようと努めました。その結果、日本のクラフトビールは地産地消ではなくて地産都消、もしくは都産都消に近く、もはや地ビール的ではないのではないのか、という結論に達しました。これは21世紀における生産・消費の構造を踏まえ、クラフトビールで地方は活性化するのかを考える試みでもあり、多くの方と議論したい論点です。 2021年6月6日開催COMITIAにて初版発行。
1,100円
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【Kindleあり】「ビールのスタイルと多様性、感性と言葉」

在庫も無くなり、今のところ再販の予定も無いのでKindle化しました。Kindle Unlimited対応。→ https://amzn.to/3SbEbza ビアスタイルの豊富さがクラフトビールの多様性を⽰すものではないことを⽰し、現在のシーンでの使⽤法とあるべき姿、尊重すべきものを考える論考。 目 次 第1章 ビールの多様性はビアスタイルの豊富さなのか 1.「大手は単一で、クラフトは多様である」という図式について 2.そもそもビアスタイルが100種類以上あるという根拠は何か? 第2章 ビアスタイルガイドラインとビアスタイルについて 1.ビアスタイルガイドラインとは何なのか? BJCPを例に 2.BJCPと Brewers Associationに見られる考え方の違い 3.ビアスタイルガイドラインに載っていないビアスタイル 第3章 ビアスタイルは帰納的に作られる 1.歴史の萌芽はいつも目の前にあるけれど気が付かない 2.一人ひとりの感覚や言葉の重要性 第4章 ビアスタイルガイドラインの本来の使い方と誤用 1.ビアスタイルガイドラインの本来の意図と懸念される誤用 2.品評会で審査されるポイントについて 3.因果関係を逆転させ、結果を根拠にしているビール 4.ビアスタイルの学習を勧める人たちへの疑問 5.意図的にその土地固有のビアスタイルを構築することは出来ない 最後に 多様なのは感性と言葉である 2021年5月31日開催COMIC1にて初版発行。
1,100円
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【Kindleあり】ビールとまなざし

在庫も無くなり、今のところ再販の予定も無いのでKindle化しました。Kindle Unlimited対応。→ https://amzn.to/482XJeC 私自身の経験や感覚から始まり、「クラフトビールにおける日本らしさ」や「日本らしいビール」というものについて考えてみました。 外国に行った時現地のパブでビールを飲み、私はその味わいや雰囲気などからその地域の地ビールを認識しましたが、それと同時に「あぁ、自分は余所者なのだな」という感覚にも襲われたことを強く覚えています。現地の方々には自明すぎて単離して理解することの出来ないものを私は発見したとも言えるような気がしますが、それは結局自分自身が日本人であるという理解の上に成り立っていることで、だからこそ余所者としての自分を意識せざるを得なかったわけです。 翻って、日本らしさを考えた場合それを規定するものは何かという疑問が浮かびます。日本人である私に、私たちにそれを描き出すことが出来るのだろうか?とか考え込んでしまうのです。どういう場から眺めているのかに始まり、見られる自分の姿と自ら見せている姿というものには違いがあることを認識すると「らしさ」について解きほぐすヒントが見えてくるかもしれない。言われて初めて気づく自分というものがあるような気がしているのです。 「どのような人がどのようなまなざしを向けるか」を考えつつ、「誰に見られているか」を意識することで私たちや日本という国のことが規定されるのではないかと考えています。 2021年12月31日発行
1,100円
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【Kindleあり】アメリカのクラフトビールをダイバーシティという視点で読む

在庫も無くなり、今のところ再販の予定も無いのでKindle化しました。Kindle Unlimited対応。→https://amzn.to/46SviP6 クラフトビール発祥のアメリカにはクラフトビールをを楽しむ方が多数いるけれども、アメリカは多民族国家であり平均的に飲まれているわけではない。むしろ大きな偏りがあり、それが弊害を生んでいるという側面もあります。アメリカにおいてクラフトビールを飲んでいる多数派は一体誰なのか?また、少数派はクラフトビールとどのように付き合っているのかについて調査しました。クラフトビールとエスニシティ、ダイバーシティ&インクルージョンについての小論。 日本ではエスニシティ(民族性)について語られることは少ないけれども、今後意識せざるを得ないことなのだと思います。コミュニティの形成および継続の観点からもこのような視点は持っておくべきなのではないかと考えます。 クラフトビールというものは大手の製品群に比べたらマイナーなのですが、そのマイナーの中にも多数派、少数派が出来てしまいます。社会的生物である人間の性なのかもしれないけれども、それを認識し是正に動けるのもまた人間なのだと思うのです。ですから、例えばクラフトビール についての「初心者向け」とか「女性におすすめ」という文言の裏にある何らかのイデオロギーとか権力構造を解きほぐしていくこともこれから大事になってくるような気がします。「玄人向け」、「男性向け」ってあまり言わないですからね。 目次 アメリカのクラフトビールをダイバーシティという視点で読む 1 1.アメリカの人種構成とマイノリティ 1 2.クラフトビールシーンにおけるイメージの典型とコミュニティの実態 3 3.クラフトビールにおける女性の事例 5 4.クラフトビールにおけるヒスパニックの事例 6 5.クラフトビールにおける黒人の事例、特にBlack Is Beautifulについて 8 6.The Michael James Jackson Foundation for Brewing & Distilling 10 7.Brewers Associationのダイバーシティに関する活動 12 8.クラフトビールコミュニティの成立条件とは何なのか 14 9.より民主主義的な飲み物へ 15 2020年11月 文学フリマ東京にて初版発行
1,100円
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【Kindleあり】文脈とビール

在庫も無くなり、今のところ再販の予定も無いのでKindle化しました。Kindle Unlimited対応。→ https://amzn.to/3Q4L1Fq 「文脈とビール」はCRAFT DRINKSが2019年に開催されたComic Market97にて発表したものを加筆・修正したものです。 規制緩和に伴って1994年に地ビール解禁となり、一時大きな流行を見せました。その後2000年前後で一度大きく落ち込んだものの、アメリカでの流行を受けて2012年頃からクラフトビールという名で改めて注目を集めています。多彩な味わい、自由な表現の方法論は多くの人の心を惹き付け、海外からの輸入ビールだけでなく国内にも多くのクラフトブルワリーが生まれています。今正にクラフトビール隆盛の時代を迎えたと言っても良いでしょう。 飲んで美味しい、知って楽しいクラフトビールを図鑑的、博物学的に網羅して全体像を把握することも大事だと思いますが、もう少し別の視点で深堀りしてみても良いのではないかと考えています。 近年クラフトビールは芸術の領域に近づき、多少なりともそれを体現していると半ば確信しているところがあります。醸造家がその作品を通して人間の知覚、感覚を拡張しようとしているのならば、飲み手に対して新たな視点を提示するものでもあります。 その新しく見つかるものにはまだ名前がついていません。ぼんやりとしていて、でも確実に存在するよく分からないものです。それが何なのか、知りたいと強く思います。 その第一歩として、これまで飲んできたビールという液体を通じて感じた美や感動について、特にそれまでの私の概念を破壊し再構築することに寄与したものについて綴ってみました。そういう液体を口にするたびに知覚がアップデートされ、今私が捉えている総体というものを少しで描き出せるのではないかと考えたからです。酒飲みの戯言ではありますが、何か皆様のお役に立つことがあれば幸いです。 2019年12月28日初版発行
800円
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