楽するための苦労を惜しむな、記録を残せ
TL;DR
先輩とかに言われて気にするようにしているのは以下の2つ
楽するための苦労を惜しむな
記録を残せ
どちらもその時々は苦労することになっても、後で苦労するよりは楽になるのです。
楽するための苦労を惜しむな
昔、会社の先輩に言われたのがこれ。楽するための苦労を惜しむな(言い回しはちょっとそれっぽく変えています)。
どんな仕事でも繰り返しやるようなことがいろいろ出てくるかと思います。そんな時、面倒だけど毎回自分の手でやるか、それとも、その時はちょっと苦労しても自動化を検討するか。ま、いいかと妥協してしまうこともありますが、なるべくその時手間はかかっても自動化するようにはしています。
これは一例ですが、楽するための苦労は惜しまない、というのを頭の片隅に置いています。
Excelは多用、ただしマクロは使わない
例えば、見積もり作業。ソフトウェア開発なんて仕事をしていると、いろいろと見積もり依頼が舞い込んできます。様々な要件があるので、なかなか一概にはできませんが、見積もり用フォーマットは(少しづつ手直ししつつも)あらかじめ用意してあります。
お客に提出するときはパワポとかになりますが、内部で検討するためのものは基本Excel。決まったところにパラメータを入れれば、見積もりを計算するように作っておきます。
この時、自分はマクロは使いません。マクロはセキュリティ問題もあるので、なるべくファイルに組み込みたくないのです。そんなわけで、セルの中に数式を駆使していろいろ計算するように仕込んでおきます。
また、普通に計算すれば端数が出ますが、お客さんに提出する見積もりに何百何十何円なんて金額を出したくないですよね。そんなわけで、その辺も調整できるように工夫はしています。全自動にするとかえって調整が難しくなるので、最終的な調整は手動でできるようにしています。
これも生活の知恵。
何でもかんでも自動化しようとすると作り込みが大変になりすぎるし、ちょとのことでいろいろ直しが出てしまいます。そのため、あまりキチキチには作り込まずに、ちょっとゆるい感じで最終的には手で調整するように作ります。
楽するための苦労は惜しまないのですが、必要以上に苦労しても意味はありません。後でその調整で苦労するなら本末転倒ですよね。
自動化がアダになることも
ただ、気をつけないといけないのが自動化の落とし穴。自分だけで使うのであればそれほど問題ないですが、どうせなら他人にも使って欲しいですよね。そんなわけで、部署内で公開したりしますが、まあ、あまり使ってもらえないことも多いです。他人の作ったExcelの使い方を覚えるより、自分の手を動かした方が仕事してる感があるので。
それでもまあ、なるべくドキュメントを残すようにはしています。何しろ、半年後の自分は他人ですから。これもある意味「大切にしている教え」です。ただ、誰かの教えというよりは自戒です。
出来の良い人なら半年後も自分であり続けられるかもしれませんが、凡人たる自分は半年も経てば、半年前のことなんて忘れてしまいます。その時はしっかりと記憶していたことも、日々の雑務が半年分も積み重なれば忘却の彼方。それはもう、他人も同然です。だから、「半年後の自分は他人」なんです。
ですので、その時は自分で作ったのだから分かると思っても、簡単な使い方や仕組みのドキュメントは残します。
半年後の自分も含めた他人にも分かるようにしておくのは必要なことなのです。これも、半年後に起きそうな苦労に対して先行投資で苦労しておくことで予防する「楽」なんです。
記録を残せ
もう一つ、これは別の先輩から。自分の作業に対して必ず記録を残すようにしています。
例えば、会議はもちろん、ちょっとした打合せでも、議事録とまで言わないまでも、議事メモは必ずその場でつくります。基本、会議にはノートPCを持っていくので、その場ですべてキーボードを叩いてメモします。まあ、本当に議事録取る際の練習にもなりますしね。
会社や部署によっては、会議中にキーボードを叩くのは失礼、みたいな考え方もあると聞くので、そういう所では難しいかもしれません。
が、幸い、そういうことを言われない会社でしたので、例え自分が議事録担当でなくても必ず議事メモを残します。自分がメインスピーカーだとさすがに難しいですけど。
ある日、先輩が出社しなくなった
ことがあります。その人が持っていた資料などは、その人のパソコンの中。パスワードを聞き出して中を覗ければ良かったのですが、そういう状況ではなかったのです。後から聞いた話では情報をUSB接続のストレージに入れて持ち帰っていたそうで、どのみちパソコンにもなかったらしいです。
いやいや、そんなのは特殊な事例だろ、と思うかも。でも、人間何があるかなんて分かりません。自分も身体的な問題と、精神的な問題で2度ほど会社を休んだことがあります。
そんな時困らないようにするためにやることが2つ。
とにかく記録を残す
それをローカルのPCの中ではなく、オンライン上に置く
これ、大事。
ちなみにオンライントいうのは、いわゆるクラウドとかではなく、社内の共有フォルダとか、部署やプロジェクトで使う掲示板などのこと。間違っても、インターネット上になんて置かないように。それはセキュリティインシデントです。
人が問題なくても、機械であるPCが壊れることもあります。バックアップをとっておくのは定石ではあります。ただ、どうせバックアップをオンライン上に置くなら、それを正にしてしまえば良い。その方が楽ですよね。
今は、MicrosoftエコシステムならOneDriveとか、AppleならiCloudとか、ローカルPC上のストレージとオンラインとの間で自動的に同期をとってくれる仕組みもあるので、昔に比べればこういうことが遥かに楽。
転ばぬ先の杖
でも、面倒がってこういう便利な機能を使わない同僚も多かったです。結構、布教活動をしたのですが、これがなかなか進まない。最初に手間をかけるのが面倒だし、普段の仕事もあるからそんな暇がない、と言うわけです。
それをちょっと改善したのが、コロナ禍という皮肉。コロナ禍でリモート勤務がメインとなった際、会社PCを自宅に持って帰ることになったのです。が、中に業務情報を入れたままで持ち帰るのはセキュリティ上問題です。
一応、誰かがPCを盗んでHDDを抜き出して他のPCなどに繋げても中が見えないように暗号化してはあります。でも、会社からは一旦OneDriveに退避して、自宅に移動した後戻せというお達しが出ました。
これで慌てたのが同僚たち。自分はすでにOneDriveに移動していたので、単に手元のファイルを消して、持ち帰ってから自宅で同期すればよいだけ。だが、同僚たちはそもそもOneDriveの設定からだったので大騒ぎでした。
ま、別にOneDriveの同期機能を使わず、必要なファイルだけオンラインに置いてローカルからは消す。帰宅後に戻す、という対応でもよいのですが。
何しろ、緊急事態宣言が出て一斉にリモート勤務をしなければならないので、皆慌てて作業する羽目になったわけです(もちろん、明日から!とかではないです。2週間くらいは猶予があったかな?)。まあ、すでに移行を済ませていた自分は周りをサポートする羽目に陥ったのですが。
まとめ
なんにせよ、明日やればよいと先延ばしにしてると、結局手が回らなくなるので、それなら先にやっておいた方がよいという、一種の貧乏性です。当然、明日は明日の風が吹く、ケセラセラという方も居るでしょうし、それを否定するわけでもありません。自分には無理というだけで。
蛇足
ちなみにタイトルはCanvaのテキストtoイメージ機能で「怠ける猿,働く蟹」で生成しました。うーん、わかったようなわかんないような。もうちょっと詳細な指示をしないと、それっぽいイメージを作ってもらうのはなかなか難しいです。楽する道はなかなか苦労が絶えません。
拙い記事でございますが、サポートしてもよいよという方はよろしくお願いします。著者のやる気アップにつながります。