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プログラミングに向いているのはWindows?Mac?

Web上の質問サイト等で連続で同じような質問を見かけました。プログラミングするのにWindowsとMacとどっちが向いているのか?と。昔から尽きない話題ですが、それだけに最適解なんて出ないのでしょう。

そもそも何をやりたいの?

先日ネタにもしたITエンジニアの理想の開発環境という話でもOSの問いがありました、そこでは9割がWindowsになっていました。

そちらにも書いてますが、結局、パソコンのOSなんて手段であって、目的ではないです。目的が決まれば、自ずから手段も決まってくるものです。

例えば、大手SIerでバリバリやりたいと思ったら、Macを選ぶのはどうかと思います。もちろん、仕事ではWindowsになるから普段はMacを使いたいとか、仕事で触る機会が少ないからこそMacも知っておきたい、といったように目的がはっきりしているなら全く問題ありません。道を貫いてください。

まあ、どっちがいいかなんて言う人は大抵、目的がはっきりしていないので、なんでもできるのが欲しいとか言いがちです。これ、大昔にパソコンブームというものがあり、その時にも同じ話がありました。

何がよいか?より、なんでもやる

長年IT系社畜をやってきて、それなりのプロジェクト(そんな大手じゃないので数人規模ですが)を動かしてきた立場から言えば、何かしかできない人は要りません。いや、何もできない人はもっと要らないですけど。

かっての同僚達にも、自分は〇〇しか知らない、〇〇しかできない、と大真面目にいう人たちがいました。うん、そうなんだね。で、どうするの?と。

趣味の話ならできること、好きなことだけやっていてもよいかもしれません。仕事ではそれは通用しないです。と言いたいところですが、結構、まかり通ってしまうのも確かです。正社員ならね。

派遣とかフリーはそれでは通用しないと思います。いや、その立場に立ったこと無いですけど。でも、派遣会社等に依頼を出す方の立場としては、〇〇しかできませんと言った特化型は余程ニッチな分野でもなければ厳しいと思います。例えば、経理知識があってExcelマクロが縦横無尽に使いこなせます、なんて人なら引く手数多かもしれません。が、そこはすでに大量の先達がいます。そこに割り入っていくレッドオーシャン戦略なのか、まだ競争相手が少ない見込みのありそうな分野を狙うブルーオーシャン戦略なのか。
ただ、いずれにしろ、これしかできません、これしか知りませんではやっていけないです。
まあ、COBOLとかFORTRANとかを極めれば、食い扶持には困らないかもしれないですけど。

結局は需要と供給

なんだかんだ言って、需要の多い分野というのはあるので、そこを抑えておけば当座は安心というところはあります。なんだかんだ嫌われているプログラミング言語もいまだに生き残ってはいます。

そんなわけで、需要とか人気をもとに、パソコンの種類だけでなくて、これをやったらいいものは何か?みたいな話がよくあります。その心情も分からなくはないです。

それにしても、大手SIerを目指すのか、Web系を考えているのか、ゲーム関係をやりたいのか、といったところで話も変わってきます。

目的がない人はどうする?

そうは言ってもまだ何をするかを決めてないが、とにかくプログラミングというものを勉強してみたい、ということはあるでしょう。

そういう時は無難なものが一番です。

例えば、5月のパソコン売上のランキングなるものがあります。

上のデスクトップは1週間分、下のノートPCは5月分と期間が異なるので注意してください。

これを見るとMac系もかなり売れているように見えます。主要家電量販店、ネットショップが対象の調査ですが、例えばAppleの店舗やオンラインショップが入っているのかよくわかりません。これらが入っていないのであれば、さらにMac系が多いかもしれません。

ただ、これは個人向けPC販売のランキングです。企業が業務用に買っているものは数に入りません。企業が業務に使うパソコンの大多数はWindowsパソコンです。一部のITベンチャーはMacを使っているとかあると思います。実際、ニュース等で出てくる企業インタビューの相手のPCはMacだったりするし、NHKが番組でオンラインインタビューする際に使っているパソコンはiMacとかMacBook系がやたらと出てきます。
でも、「普通の会社」はWindowsパソコンが主流かと思います。何しろ、値段が違いますから。それに、今の状況から今後は手元のChromebookでクラウドの仮想端末に繋いでみたいなことも一般化するかもしれません。

昔だったら、メーカーロゴとかブランドロゴとか隠すことに固執していたNHKも、最近では平気でりんごマークを映しますね。返ってスポンサーの都合がある民放ドラマの方がりんごマークに何かシールを貼って誤魔化すことが多いくらいです。まあ、デザインを見ればMacBookやiMacだと丸わかりですけど。

なので、余程目標がはっきりいしているケースを除けば、Windowsパソコンが無難です。売れているからというのもありますが、Macは独特の操作感なので、Windows→Macは行けても、Mac→Windowsは結構移行が難しい気がします。Macと心中する気なら構わないし、そこまで気負ってなくても仕事とは分けたいとか、仕事では縁の少ないMacをあえて使いたいというのであれば問題ないです。

もっとも、大学などでMac系のパソコンを義務付けられていて手元に持っていたりするなら、とりあえずはそのままで構わないとも思います。

もちろん、MacにはMacのメリットがあります。が、明確な目的がないのであれば、無難なものを選ぶのがよいと自分は思います。それならばMacよりはWindowsかと思います。

パソコンの話の次は、きっとどんなプログラミング言語が良いか、になるかと思います。結局全ては環境とか目的によって違うし、目的に応じて使い分けが必要になります。
ただ、JavaScript系とかPythonとかからいきなり入るのは、個人的にはお勧めしません。特に、プログラミングを生業にしたいのであれば、時代遅れと言われようとも最初は厳密な言語で学ぶべきだと思っています。と言って、じゃあ今時PASCALかと言われるとそれもどうかというのはあるので、入門言語というのは難しいところです。
新たな投資(お金だけじゃなくてインストールの手間とか)が不要というところでは最初から入っているJavaScriptとか(Windowsなら)VBScriptとかがとっつきやすいのですが。その点では、Excelをよく使うならば、その辺りの自動化をVBScriptで始めるというのもありかとは思います。最近のローコードの流れも結局はExcelマクロの言い換えに近かったりしますしね。

一応、Macのメリットと思える部分も挙げておきます。個人の感想です。
・目指すところにもよるが、今はコンテナ上での開発が主流になりつつある分野も多く、その場合、手間なく導入できるのはMac
・コンテナ利用によらず、結局は開発環境としてはWindowsやMacをそのまま使うというより、Linux系のOSの上で行うことが多い。それに近いのはWindowsよりMac
※もちろん、WindowsでもWSLという仕組みでLinux系OSが動作するが、親和性が低いので、変なノウハウ(Bad Knowhow)が要りがち。MacOSはLinuxベースではないが親戚のようなものなので、LInux系の考え方をそのまま流用できるところは多い。Windowsはカーネルベースの概念は同じものの、コマンドラインツールが標準では貧弱で、あれこれ入れることになる。
・お金を出せば、煩わしい部分を色々面倒見てくれるMacOSは便利。環境のメンテとかに変に気を使わなくてよい。
・MacというかMacBookだが、キーボードからあまり手を離さずトラックパッドの操作が可能。Windowsでは現状ThinkPadとトラックポイント付きモデルしか同じことはできない。実際、ThinkPad X1 CarbonとMacBookなら自分はマウスを持ち歩く必要を感じない。出先で使う場合の荷物が減る。今はオンラインばかりだが、オフラインセミナーで椅子しかない場合のメモとり等でも困らない。机があっても狭いしね。
※もしかするとWindowsノートPCでもトラックパッドが使いやすいものがあるかもしれませんけど。
一方、Macでは壊滅的だと思われるのが事務系の作業。最近のクラウドでWebベースのシステムなら困らないでしょうが、なんらかのアプリを使っているものはそもそもMac版なんてないものと思います。そういう立場になったことがないので想像ですけど。古い業務システムを使っている会社は山ほどあって、すぐには更新もできないので、難しいでしょうね。
デジタル庁が発足しますが、DXとか掛け声かけるばかりでなくて補助金とか出してでも進めないと、まあ、一部の大企業と官公庁だけのデジタル化で終わり、結局は日本社会全体のデジタル化は進まないでしょう。
自分もとあるシステム開発で、受発注とかFAXとかでなくて電子化(PDFをメールで添付とか)できないのですかと聞いたら、取引先の中小企業がとてもじゃないが対応できない、と言われました。
名前は出せませんけど、かなり有名な企業の話です。華々しいベンチャーとか、超大手企業の派手な最先端技術の話ばかり目がいくと思いますが、それらの企業も結局はこういう中小企業がないとどうにもならないし、そういうところはデジタルって何?それって美味しいの?という状況です。某社みたいに、下請けに強制で自社負担でやらせられるような会社は別でしょうけど。そういう意味では、あの会社嫌いだけど、正しいのかもしれません。
それはさておき。デジタル化とか騒いでいる人たちは結局どこまで理解しているのやら。彼らにとっては、そうやって分取った国の予算をお抱えの企業に落として、さもデジタル化をやってるふりだけしていればよいのでしょうけど。それで世界から取り残されて困るのは自分たちが現役引退して関係なくなった世代ですからね。


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