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Windows11発表、10でよかったんじゃない?

正式発表前に流出してあちこちでもう試す人が続出したWindows 11が正式に発表されました。当初は10が最後のWindowsと言われていたのに突然の11の発表に色んな意味で話題になりました。でも、名前は10のままの方がよかったような。

色々変わったが、中身は多分変わらないWin11

いくつかWindows 11の記事を見ましたが、個人的に一番的確だと思ったPC Watchの記事をベースに書いていきます。あくまで、いくつか見た範囲内ですが。

元々マイクロソフトはWindowsは10が最後と言ってました。アップデートするけど今までみたいに名前は変えないという話だったと記憶していますが、あっさり11に数字が上がりました。まあ、名前だけの話なんでどうでも良いですけど。でも、最後に説明しますがこれ失策じゃないかと思ってます。

記事の冒頭にもありますが元々コードネームSun Valey、バージョンは21H2(2021年下半期バージョン)として開発されていました。先日、Windows10 21H1(2021年上半期バージョン)が公開されています。が、下半期に大型アップデートがあるので地味なものでした。

それが突然Windows11になってしまいました。

要求スペックが上昇

新しくPCを買う場合やここ2〜3年のPCだったら問題ないとは思いますが、要求スペックが上がってしまいました。今時のPCスペックとしては普通の要求なので問題ないと思います。しかし、古いPCをそのまま使う予定の場合、アップデートできないかもしれません。

その辺で10という名前を捨てることにしたのかもしれません。

6つのポイント

PC Watchとしては以下の6つをポイントとしています。この辺り、報道している会社のスタンスや何かでポイントが違っていて面白いです。個人的にはPC Watchのこの6つのポイントが妥当かと思いました。

1.新しいデザイン

一番物議を醸しそうなのがUIの変更です。基本、Windowsユーザは保守的なので。特に、スタートメニューをセンタリングするのはやめてほしかった。スタートメニューにしろ、その左にピン留めして並べたアプリのアイコンにしろ、左詰めで決まった位置にアイコンがあるから良いというのが自分の感覚です。センタリングされるとアイコンの数によって場所がずれるのでどこにあるかを確認しなければなりません。地味にワンステップ増えるので個人的にあまりありがたくありません。

幸い、設定で左詰めに変更できることが開発版のユーザから報告されています。(製品版にそのまま引き継がれることを祈っています)

あとはタッチ、ペン、音声入力も強化されているとか。タッチはMacには頑なに導入しませんね。ペンもiPadはありますがMacにはありません。

2.高い生産性

マルチタスクの話なので特に目新しいことではありません。が、外付けモニタとかつなぐと、メインじゃないアプリが自動的に外付けに移ったりするとか。メインってのは今アクティブなものなのか、使っている時間をもとに判断するのかは不明です。ただ、外付けモニタ使う場合、メインは外付けで本体モニタはサブ扱いという使い方も多いので、少し余計なお世話な気はします。他媒体で各ウィンドウの配置を覚えてくれるという話があった気がするので、それなら便利かもしれません。Macに寄せてきた部分の一つですね。

3.接続性

他媒体でもTeamsが標準になるみたいな話がありましたが、それより面白いのはTeamsについてるデスクトップやアプリの画面共有機能をAPIとしてサードパーティに提供するということ。これ良いですね。

家庭利用ではあまり使わないのかもしれませんが、現役時代はアプリ画面を共有しながら打ち合わせというのはよくあります。パワポの資料を見せるのはもちろんですが、打ち合わせ内容をOneNoteでメモって参加者間で内容確認しながら進めるとか。もちろん、後で議事メモを送りますが、その場で合意した方が早いし、見ない人も多いですから。
それをサードパーティにも開放してくるとは面白いです。

4.ゲーミング

インテルがゲームのことでマックをdisった広告して話題になりました。まあ、マックはしょっちゅうWindowsをdisってるので文句を言う筋合いではないと思いますけど。

そもそもゲームの主戦場がPCじゃなくてコンシューマゲーム機やスマホじゃないかと言うのは忘れると、ゲームといえばWindowsというのは確かです。

まあ、引き続きゲーム向きの機能を強化していきますというところで、特に目新しい話が出ているわけではありません。

5.情報アクセスへの改善

検索がフローティングになるのもMacに寄せてきた部分?あとはEdgeの強化ですが、これはWindows10のEdgeにはない11固有の強化なのかよくわかりません。多分、Edge全般の話かと思うので、Win 11とは関係ない気もします。

2-in-1とかタブレット状態で使えるPCでは便利そうです。デスクトップやノートではどうなのかよくわかりません。

6.ストアの改善

過去、色々テコ入れしてきたストアですが、今回も色々やっています。ただ、元々Windowsは自分でダウンロードしてきて入れるフリーやオープンなソフトか、買ってきたパッケージアプリの利用が普通なので存在感がありません。実際、自分もストアからアプリを入れることなんてまずありません。
記事にもありますが、Officeなんかストアから入れることないですし、Edgeからして公式サイトからダウンロードで入れてます。Officeの場合、Office365に移行しているのでそちらからダウンロードですから、ストアって何と思います。

そんなわけで色々改善はしていますが、正直利用が進むかといえば微妙な気がします。アプリの情報がストアに集約されるのは便利と言えば便利なのですが、こればかりは開発者、ベンダが乗ってくるかどうかでユーザ側で取れるアクションはないので。そのため、マイクロソフトがピンハネする手数料をアップルやグーグルよりもだいぶ安くしています。また、アップルと真逆なのが自社決済の利用を認めており、その場合は手数料はなしです。

PC Watchの記事で面白いのは他の媒体では割と大きく伝えているAndroidアプリが動くという話をここで小さく報じていることおでしょうか。Intelと手を組み、Amazonアプリストアのアプリを利用できるようにするそうですが、この功の最後に話のついでといった感じで書かれています。

実際、AndroidアプリがPCで動いて何が嬉しいのかという疑問はあります。まあ、Windowsの場合タッチスクリーンがあるので、M1 MacでiOSアプリを動かすよりは実用性があるとは思います。ただ、実際、PCでの動作を誰が保証するのかということが現時点ではわかりません。M1 MacでiOSを動かす場合も実際にはほとんどのアプリがMacでの動作未検証とされ、それ以前にMacのApp Storeには出てこないiOSアプリも多いです。昔は出てきたものも出なくなりましたし、ストアにあった頃にインストールしたアプリもアップデートできなくなったくらいです。正直、ソフトベンダとしてはタダでなくてもハードがバラバラなAndroidに加えて(おそらくエミュで動くだろう)Windowsでの動作まで知らんというのが本音でしょう。
なので、実質的にあまり意味はないと思います。そういう意味で、そこを大きく取り上げる媒体はあまり現実が見えておらず、その点でPC Watchは流石だなと感じました(個人の意見です)。

Windows 11にしたのは成功か失敗か

正直、Windows10のままにしておいた方が良かったのではないかと考えています。その理由はWindowsユーザの大半を占めるのは企業ユーザだからです。

企業でOSをアップデートするってのは大変なんです。古いPCをそのまま使っていたりするし、そもそもUIとかの刷新を利用者は望んでいないことが多いです。それでどんだけ便利になって生産性が上がるとしても、UIが変りますと言った時点で「じゃあ要らない」と言われるのがオチです。だって、企業ユーザは業務をするためにWindowsパソコンを使うのであって、その操作性が変わるのは歓迎しないです。
もちろん、積極的に新機能を使いこなして生産性を上げる人もいますけど。Widows7やXPがいつまでも残り続けたのはそれなりの背景があります。

そのようなわけで、中身が全く同じだったとしてもWindows10の大型アップデートですというのと、Windows 11ですというのとでは受け取られ方が大きく変ります。
その上、UIが変りますとか、要求スペックも上がります、では10のままでいいやというところが続出するでしょう。結果、移行を進めたいマイクロソフトの意図とは裏腹に、移行が進まない事態が予想されます。その辺りは、Macの場合も必ずしも最新メジャーアップデートに追随しない人も一定数いるようなので、事情は同じじゃないでしょうか。

その辺りはマイクロソフトもわかっていると思うので、さてWindows 11でマイクロソフトは一体何がしたいのだろう?というところが正直な感想です。いっそ、WSLを標準で最初からつけますとか言ったらびっくりするのですが。


拙い記事でございますが、サポートしてもよいよという方はよろしくお願いします。著者のやる気アップにつながります。