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対話を阻むもの

昨日「ミアさんとカリさんと学ぼう・オープンダイアローグって何だろう?」という勉強会へ参加させて頂きました。

今まで何度も何度も何度も見返してきた映画『オープンダイアローグ』フィンランドにおける精神病治療への代替アプローチの (『開かれた対話』Open Dialogue, Japanese subtitles)にも出演されている、ミアさんとカリさんをようやくこの目で観ることができました。有り難うございました。

学んだことは
「今社会は(世界は)対話を求めている」

話変わって、出かける前に茂木健一郎さんのYouTubeを見ていたからか、帰宅し夜にご飯を頂いていたらTV画面のホリエモンが目に留まりました。

その場は麻薬などを合法化するかどうかという「議論」になっていました。堀江貴文さんの「合法化すべき」という意見・想定に対し、他のタレントさん達による集中砲火的な場面でした。議論の内容はここでは横に置いて、観ていた家内が一言「ホリエモンが言う、"こういう意見もあって議論をするのはいいのではないか"という意見はよいと思う」とポツリ。TV画面内では、その堀江貴文さんの言葉は反対意見の言葉でかき消されていました。

対して大部分の時間をただ聴いていた太田光さんも印象に残っています。

話変わって、先日梅田のグランフロントにて開催して頂いた「対話研究の場」に「寮美千子」さんが参加されました。寮さんが参加されるのを知って、寮さんにお会いになるために参加された方も居られました。

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その場のお礼にと著書を頂きまして早速読ませて頂きました。奈良少年刑務所の更生教育「社会性涵養プログラム」のなかで、言葉を中心とした情操教育をされてきたそうです。そこでは詩をつくったり、皆の前で読んだり、そこからの語りが丁寧に折り重ねられ、傾聴があり、彼ら彼女らが言葉を得て開かれていく様子が書かれていました。

そして本の最後の方に、こんな事がかかれていました。

「人間、たった六ヶ月、十八回の授業を受けただけで、そんなに変われるなんて、と、わたしは我が目を疑った。ビギナーズ・ラックでたまたまうまくいったのだと最初は思っていた。 ところがそうではなかった、今回五期が終了したが、効果が上がらなかったクラスは一つとしてない。ほとんどの受講生が、明るい、いい表情になってきて、工場の人間関係もスムーズになる。」(空が青いから白をえらんだのです・編者寮美千子・新潮社刊2011 )

寮さんは、なんの経験も無く、頼まれたのでただただ取り組んだと仰ってました。正に対話が起こっていたのだと思います。

今社会は私たちに対話を求めています。対話を阻むことは分断、分裂に繋がりやがては争いとなり戦争へ。

話は変わって、今たまたま違うお仕事で、酪農の現場を観せていただいています。一方は2000頭の牛たち。もう一方は一頭の牛。

不二之法門なので、どちらも大切な事だと思いますが、自分の中の何かに整理がつくかもしれないと、取材撮影先でインタビューさせて頂きました、映画「ある精肉店のはなし」に出演されていた北出新司さんから勧められたので、大阪十三の第七藝術劇場へ行って映画を観てきました。

一頭の屠畜見学会から始まる映画に、「命とはつながり・つながりとは命」を感じました。また部落差別問題など社会が対話を求めていることも改めて実感させて頂きました。

映画の中の北出新司さんのメッセージ「つなげていくのが大切な責任」という言葉に浸って外にでると、映画の公開予告が目に入りました。

"罪を犯した自分と向き合う更正プログラム"

本映画の舞台となった「島根あさひ」にある、更生に特化したプログラム。希望する受刑者が、面接やアセスメントなどを経て参加を許可される。アミティのカリキュラムを導入しており、30名〜40名程度の受講生が半年〜2年程度、寝食や作業を共にしながら、週12時間程度のプログラムを受ける。TC出身者の再入所率は他のユニットと比べて半分以下という調査結果もあり、その効果が期待される。(サイトより引用)

私が映像編集の心の師としている「ウォーター・マーチ」は「映画もまた編集である」の中でこんなことを書いています。

言葉の音を聴いているのであって、
その意味を聴いているのではない。

言葉で何が語られているか、その背景には何があるのかは、とっても大切な事だと思いますが、それ以前に「言葉の音」で他人の意見想定を「かき消す」話し方が多い。テレビでも、人との会話でも、他者の他者性を受け容れるとか、お盆の上に多様な意見を乗せるとか、眺める事もなく「てんでに話す」ことが「対話を阻む」ことにつながることに気付かなければならない。

この本の表紙に書かれているメッセージ

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「今この瞬間に他者を思いやる」

「ミアさんとカリさんと学ぼう・オープンダイアローグって何だろう?」という勉強会へ参加させて頂き、この姿勢、在り方が大切だと思いました。

「命とはつながりである・服部英二」

大切にしていきたいと思います。

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