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HSPの怒り日記

こんにちは、なつめしです。

普段は怒りの感情が生まれても自分の中でなんとか押し込めるわたくしです。
しかしながら、昨日の帰り道に経験したことは自分の怒りキャパシティを悠々と超えていくものでしたので、ここで成仏させてください。なむ。

あらかじめ言っておくと、この怒りは、直接的な被害によるものではありません。
他人同士の一瞬のやりとりにいろいろな感情が交錯した結果、自分の中で怒りの感情が飛び抜けてしまった、ということです。
自分は関係ないのに人の状況を自分のことのように捉えて落ち込んでしまう、HSPらしさが全開となった話であること、ご了承ください。


昨日の仕事帰り、やむを得ない事情で、あるターミナル駅のみどりの窓口(JRのサービスカウンター)に並んでいました。

みどりの窓口って結構混むんですよね。
新幹線をはじめとする全国の路線のチケットの購入や相談ができるからでしょうか。
この日も一人あたりおそらく5分前後はかかっていたと思います。

わたしの前に並んでいたのは、50〜60代くらいの男性。マスクの上からでもわかる、明らかな仏頂面でこの長い待ち時間にストレスを感じている様子。

窓口は2人のスタッフがそれぞれ対応していました。
一人は男性。もう一人は女性です。

どうやらこの女性、持病?をお持ちなのか、腕と顔が数秒ごとに痙攣していたり、痰を切るように鼻の奥を鳴らしたり(かなり大きな音)していました。

でも窓口でのお客さんに対する応対を見ていると、コミュニケーションに何も問題のない、むしろすごく丁寧にお仕事をされている印象でした。

そうしているうちに、わたしの前に並んでいる男性が、順番的にこの女性の窓口に案内されることがなんとなく確実になりました。
その時に、わたしは直感的に、

なーんかヤバイ気がする…

と思ったんです。

男性からは長時間またされているイライラがこちらにも伝わってくる上、女性スタッフの病気かもしれない部分に対してあまりいい印象を抱いていなさそうだな(ジロジロ見てるし)、仕事が丁寧なことは眼中にないんだろうな、

というまぁなんとも勝手で失礼とも言えるわたしの想像と共に、わたしの心臓はバクバクと鼓動が速くなっていき、額にはじんわりと汗をかくほどでした。

女性スタッフ「次の方どうぞ〜」


男性「拒否します。こっち(男性スタッフの方を指差して)に並ぶんで。」


うっ…吐きそう。わたし、吐きそう…

予感が的中し、恐れていたことがついに目の前で起きてしまいました。

足が震え、手が震え、鞄を持つ手は汗でまみれ、マスクの下の口の中は乾ききって、わたしは放心状態になっていました。

何て言ったこのオヤジ?!(もうオヤジって呼ばせて)
これって完全に差別じゃん、彼女はちゃんと仕事をしているだけなのに。
見た目が変わっているからとか、そんな些細なことで彼女を避けたのか?!
ほんと一言言ってやりたい!
こんなオヤジがいるから世界から戦争が無くならないんだ。
なんだこの悲しみは。怒りは。絶望は。
こんなオヤジなんて消えてしまえ…!


すみません、この時に感じたことをほとんどそのまま書きました。
(あとで脳内反省会があります)

そしてその女性は何事も無かったかのように「次の方どうぞ〜」と、先ほどと全く同じトーンでわたしのことを呼びました。

はっと我に帰ったわたしは、横目でそのオヤジを睨みながら足早に窓口へ向かいました。

用件を話して対応してもらっている間も、本当に心の中が暗くドロドロになっていることを感じていました。
女性スタッフも、わたしの対応をしてくれながらチラチラとオヤジのことを見ていました。

わたしは、彼女になにか言葉をかけたい…と思いましたが、こんなときにかける言葉が見つかりません。無力。
しかし、気遣う言葉をかけたところで逆に彼女を傷つけてしまうかもしれない、普通に仕事をしている人として当たり前に接するのが彼女に対する敬意かもしれない、、
現に、まるで何事もなかったかのように冷静に対処していらっしゃるではないか。
わたしの考え、傲慢すぎやしないか…

そんなことをぐるぐる考えているうちに、女性スタッフは素早く丁寧にわたしの対応を終えてくれました。

いつも以上に心を込めて少し声を張って、マスクの上からでもわかる特大の笑顔で
「ありがとうございました、大変助かりました」
とだけ伝えました。
彼女も笑顔で笑い返してくれました。


家に向かって歩き始めましたが、身体にはまだ余韻が残っており、足にうまく力が入らず、腹筋の力も弱く、風に飛ばされそうな感覚になりながら呆然と歩きました。
涙があふれそうになるのを堪えて、とりあえず家に帰ろうと、ただ一歩を出し続けることで自分を保っていたと思います。

1分くらい歩いたところで、脳内反省会が始まりました。

あの決定的な場面に遭遇したとき、わたしはオヤジを恨むきたない言葉を心の中でたくさん叫んだ。
でも、オヤジが女性スタッフを軽蔑したようにわたしもオヤジを心底軽蔑した。やってることは同じかもしれない?
世の中にはいろんな考えの人がいて、オヤジもそのうちの一人だったと、そうおもえばいいのかもしれない。

こんなかんじだったとおもいます。
とはいえ自分の中では、やっぱりオヤジがムカつくのでオヤジを完全には擁護できず、今後のために自戒を込めてこんなふうに反省しました。

今までは、周りの気持ちを考えすぎて自分の気持ちがわからなくなることが多かったです。
特に、嫌いとかイラつくとかむかつくという感情。
しかし今回はハッキリと、「このオヤジがむかつく!」という気持ちを持つことができて、自分の中では成長してるな、と実感しました。

反省、成長はしたものの、少なからず傷ついてしまったわたしは、帰宅して夫の顔を見るなり子どもように泣き崩れてしまったのですが…笑
わたしにとって「泣く」ということは気持ちのリセットを意味するので、泣いたことでネガティブな気持ちをかなり吹っ切ることができたのは、よかったことです。


今回の経験はわたしにとってかなりショッキングで傷ついてしまう内容でした。
(一番傷ついていたのは女性スタッフであろうことは言うまでもありません。)

でもその反面、
周りの状況を細かく観察する、相手が経験することを自分が経験するかのように感じ取ってしまう、いろいろな立場のいろいろな思考に思いを巡らせてしまう…
などの、HSPっぽい特徴がこれでもかと言うほど出てきました。
冷静になった今そのように客観的にみると、自分にとっては改めて自分を捉える興味深い出来事だったとも思えます。

でもやっぱりあんな風にあからさまな差別を目にすると狼狽えるし、許せない気持ちになる。

あの女性スタッフがもっと心地よく働ける世の中が、一刻でも早く訪れたらいいなと思わざるを得ません。

#HSP #怒り #悲しみ #反省 #日常

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